2017
09.07

「たかが世界の終わり」

たかが世界の終わり

「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ。
母のマルティーヌは息子の好きだった料理を用意し、幼い頃に別れた兄を覚えていない妹のシュザンヌは慣れないオシャレをして待っていた。
浮足立つ二人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ、彼の妻のカトリーヌはルイとは初対面だ。
オードブルにメインと、まるでルイが何かを告白するのを恐れるかのように、ひたすら続く意味のない会話。
戸惑いながらも、デザートの頃には打ち明けようと決意するルイ。だが、過熱していく兄の激しい言葉が頂点に達した時、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとばしる――――。

       <公式サイト ストーリーより>


グザヴィエ・ドラン監督作品
12年ぶりに家に帰ってきた次男を迎える家族たち・・・。演じるのがナタリー・バイ、ヴァンサン・カッセル、マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、そして(主人公は)ギャスパー・ウリエル

たかが世界の終わり2
食卓にこ~~んな豪華な面々が揃うなんてねぇ。

でもそんな豪華さがあっという間に吹き飛んでしまうような・・・この家族の雰囲気~~
以前観たトムヒ主演の『家族の波紋』も家族間のなんともいえない空気感や気まずさが秀逸な作品だったけれど、あちらはどこか客観的な目線を感じたのに対して・・・、本作は登場人物たちとの距離がものすごく近い。

ウリエル2 レア

視線、口元のほんのちょっとした動き、アップになった彼らの表情に見入りました。
ほとんどしゃべらない(しゃべらせてもらえない!?)主人公に対して、まわりの会話の激しさ
愛情と同時に(帰ってきたばかりなのに)期待を口にせずにはいられない母親、
ほとんど覚えていない兄への憧れ、どう接していいのか揺れ動く妹、
そして、誰の言葉にも口を挟まずにはいられない、とにかくうるさくてメンドクサイ兄・・・。
カッセル・・・すごかった途中で口を押えてやろうかしら~と思ったくらい。

でも、そんな彼らに・・・12年ぶりに帰ってきたルイが何を告白しようとしているのか、戻ってきたのには相当な訳があるのでは・・?という予感と言うか、怯えというか・・・そういうものも感じるし、
ず~っと母や妹と一緒に家にいた長男としての重荷や、家を飛び出して12年ぶりにひょこっと戻ってきた(しかも成功してるし)弟に対する気持ちは確かに屈折したものになるんじゃないかな~と兄アントワーヌの気持ちも分かるような気はするんだけれど・・。

けどやっぱり、こんなダンナはイヤだーー
ルイと家族の間に立つアントワーヌの奥さんカトリーヌ、マリオン・コティヤールの演技にいつもながら唸っちゃう。

「あとどのくらい?」
ああいう間でふと放たれた彼女のあの一言・・・、あれで驚かされなかった人、いるビックリしたァ。

兄とのドライブの波乱、聞くのも喋るのも嫌だと言いながらピエールの悲しい知らせだけ話すのは反則じゃない?

ウリエル

いよいよやってきたデザートの時間に、「実は・・・」と小さく切り出したルイの次の言葉が告白ではなかったことに、ほっとすべきなのかやっぱり言えないのねとモヤモヤすべきなのか、
複雑な思いでいるところに、あっという間に激しさを増していく嵐のような感情のぶつかり合い・・・なになに?コレ、この迫力は予想していませんでした。

それでもどうしてだか、観終わって思い出すのは激しさよりも・・・不思議な静けさでした。
揺れる白いカーテンの向こうに透けて見えた思い出の日々、陰影が印象的な室内の風景、
一人たたずむウリエル君の瞳の美しさ(久々に観たけど、素敵)。

説明されないことの方が多かったし(パパは?そもそもなぜルイは出て行ったのか?幼いころの兄との関係は?)
結局ルイは家族に告白することは出来なかったけれど、
「理解できないけれど・・・あなたを愛してるわ」母のこの言葉は、彼ら家族みんなが持っている気持ちだったと思う。

他人の方がよっぽど気楽な時もある。・・それでも。


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カンヌでグランプリを受賞した、ドラン君の作品。
「たかが世界の終わり」感想 dot ポコアポコヤ 映画倉庫dot 2017.09.08 12:03
コメント
瞳さん、こんにちは!
わーい!!同時期に見たみたいで、嬉しいなー(^◇^)
つるばらさんちでお見かけして、飛んできました♪

>ウリエル君の瞳の美しさ(久々に観たけど、素敵
うん、うん、私もそう思った。
若い時もカッコよかったけど、今も全然変わらず、綺麗だわー。
この役にも合ってたしね。

マリオン・コティヤール、あんないい嫁が、なんであんなカッセルのところにいるんだか?

最後にテロップ?で出た、なんとかに捧ぐっていう、人。
ドラン君のお友達だったのかな?
どういう関係の人なのか気になる・・・
もう返却しちゃって、調べるの忘れちゃったよー
latifadot 2017.09.09 08:39 | 編集
>latifaさん

こんにちは。
レンタルになってすぐ借りました~♪一緒だったね~!(^^)!

ウリエル君、何歳になったんだろう。
いい感じになってるよね。若い時より好きかも(笑)

>マリオン・コティヤール、あんないい嫁が、なんであんなカッセルのところにいるんだか?

ほんとにねーー!!
彼女をゲットできるんだからあのお兄ちゃんも(本作ではあんまり見れなかったけど 笑)いいとこあるんだよね!!とか想像してみたわ。
でもあの家族、ウリエル君以外はみんな感情的(母も兄も妹も)だったから彼女、大変だろうなあ~と(>_<)

「フランソワ・バルボに捧ぐ」でしたね!!
私も気になりました。よくは知らないんだけど、衣装デザイナーさんで「マミー」も一緒に仕事をしてるのね。
カンヌのスピーチでもドラン監督が彼について触れていたのを読んだわ。

そちらにも伺いますーー♪
dot 2017.09.10 14:40 | 編集
瞳さん、こんばんは。
こちらでも「たかがカッセルの愚痴」についてお喋りに来ました(≧∇≦)

>ほとんどしゃべらない(しゃべらせてもらえない!?)主人公
・・・・・
ねえ~・・みんな我れ先に、って感じでしたよね。
あれじゃなかなか話す気にもなれないよね・・。
瞳さんに、口おさえてやろうかしらって思わせるなんて、相当よ・・反省してねカッセル!(≧∇≦)

>それでもどうしてだか、観終わって思い出すのは激しさよりも・・・不思議な静けさでした。
・・・・・
ほんと!同じく。ウリ坊の醸し出す空気とか、あの昔の思い出のシーンとか、
ちょっとした会話の間、とか・・。
あれだけカッセルがうるさく頑張った割には・・ね。(≧∇≦)
つるばらdot 2017.09.13 20:20 | 編集
>つるばらさん

こんばんは~。
「たかがカッセルの愚痴」!(爆)あははは~、いらっしいませ~。

あの家族、お兄ちゃんと妹はママ似なのね、きっと。ウリエル君だけパパ似?
性格的に兄嫁と相通じるものがあったんでしょうね。

>瞳さんに、口おさえてやろうかしらって思わせるなんて、相当よ・・反省してねカッセル!(≧∇≦)

ダメ男に甘い私ですが!(^^)!
口数、特に負?の口数が多い男はねぇ・・・さすがに、カッセルのあの絡みっぷりには反省してもらわないといけませんね~(笑)

>ほんと!同じく。ウリ坊の醸し出す空気とか、あの昔の思い出のシーンとか、
ちょっとした会話の間、とか・・。

ウリ坊(笑)の素敵なシャツの、じっとりとした汗とか~、気持ち以上のものを語ってる感じもありましたね。
感情的な家族の会話やキャラクターたちの表情のアップ、そういうものと対照的な空気感が印象的でしたよね。

そうそう、三連休台風曲がってくるみたいですね(>_<)
曲がってくれなくていいのにーー。
そちらもどうぞ、気をつけてくださいね~。
dot 2017.09.14 20:27 | 編集
瞳さん、こんにちは。
台風大丈夫でしたか。
静岡はそれましたが四国は通過していたので、
心配していました。

地味映画のお勧めありがとうございました。
この映画、確かに豪華な面々でしたね!
コティヤールはマリアンヌと比べたら、
かなり地味な雰囲気@@女優ってすごいなー
やはり触れずにはいられないカッセルのこと(笑)
とにかく突っかかってくるよねー(>_<)
色々あって形成された性格なのか、もともとなのか?
長男の苦労はちょっと理解したいと思いましたが(^_^;)
ほんとですね、静けさの映像、印象的でした。
ウリエルくん、ぜんぜん変わってなかった!素敵でしたね。

「超高速!~リターンズ」ご覧になったんですね!
前作にハマったので♪気になってました。
藩のみんな、またドタバタしてるんでしょうねー(笑)
お漬物を食べる蔵之介さんにも注目したいです^^
私も追いかけますねー(^◇^)
ポルカdot 2017.09.18 17:33 | 編集
>ポルカさん

こんにちは。
そちらは逸れて良かったです!!こちらも覚悟してた(大型と聞いて)よりは雨風酷くなくてホッとしました。

地味映画でお勧めした「アムール愛の法廷」は法廷劇の行方やミステリーを期待すると肩透かしかもしれません。
でも人間味が増してきた裁判長がルキーニさんなので、可愛くて(笑)味わいのある映画で良かったです。

「たかが世界の終わり」
マリオンは役柄によって全然違いますよね、スゴイなーー。
「サンドラの週末」もタンクトップに化粧っ気なし・・の地味さが光ってましたっけ。

>色々あって形成された性格なのか、もともとなのか?
長男の苦労はちょっと理解したいと思いましたが

うんうん、そうですよね。
私も長女なので一番上の立場の苦労はわかる気がするんだけど、それにしても絡んできましたよねーー。
ウリエル君、若い時より好きかも~(笑)

「超高速!~リターンズ」ポルカさんも前作ご覧になってましたよね。
ふふふ、参勤には帰りがあったのだ(笑)
帰る藩もなくなりそうで・・大変でしたよ。お話がパワーアップしててちょっと広げすぎ?とも思ったけど、楽しかったです。
蔵さん、美味しそうに食べてました!!!(^^)!



dot 2017.09.19 13:07 | 編集
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