
ドアが蹴り開けられて、両手にひとつずつ、湯気の立つ紅茶のカップを持ったクライブが入ってきた。
フロストは礼を言って自分の分を受け取った。
「気がきくじゃないか、坊や。おまえさんはおれのクリスマスの妖精であり、ツリーのてっぺんの輝ける星だよ。」
<「クリスマスのフロスト」より>
ただいま絶賛(笑)フロスト祭り中~♪
読み返してお茶のシーンが登場するたびに、
そういえば旧本館(リニューアル前のTeaPlease)では、お茶のシーンのある本・・・っていうページもあったなぁと懐かしく、
急遽ブログにTea&Bookカテゴリーを追加しました

「フロスト警部とお茶を♪」
薄汚れたレインコート、えび茶色のマフラー、プレスのきいていないよれよれのズボン、
「クリスマスのフロスト」で初登場したフロスト警部は、見るからにだらしない男

おまけに、口を開けばセクハラまがいのお下品トーク、下ネタバンバンーー

「浣腸は好きかい?」なんて・・・・小学生ですか~~

当てにならない直感頼りのその捜査、書類仕事が大嫌い、いい加減なことはなはだしい

、ダメダメ警部のはずなのに、
抱え込んださまざまな事件が、どういうことか?どうにかなって・・・・最後の最後にはすべて解決

驚くべきスーパー警部、その秘密は、不屈の仕事中毒にして人並み外れたその体力、街の人々を知り尽くした意外に鋭い観察眼、
そしていつでもどこでも調達する“紅茶”にあり♪・・・と私はにらんでマス。
「それに、あなたはお茶を煎れるのも上手そうな気がする」(「クリスマスのフロスト」)
「おれの分は、砂糖を倍にしてくれよ」(「夜のフロスト」)捜査中、質問に寄った家の奥さんをおだてたり、厚かましくお願いしたり、ちゃっかりお茶を頼むのが上手いこと!!
フロストは、昼夜を問わず無料の紅茶にありつける場所を常に心得ているようだった。
「まあ、ひとつ、ぐっとやって温まってくれ、フロスト警部」(「フロスト日和」)なじみの場所では顔を出しただけでお茶が出てくるし、
バートンの魔法瓶から、紅茶をマグカップ1杯分、失敬した。(「夜のフロスト」)部下のお茶は自分のお茶


内勤のウェルズ巡査部長もたびたび被害にあってましたっけ。
たっぷりの砂糖をかき混ぜるのは、ボールペンか鉛筆で、
署内の会議には紅茶を煎れたマグカップにパンを乗せて登場し、マレット署長の怒りを買う・・・、
あげればきりがないほど、お茶のシーンがいっぱいです。
お茶と食堂の脂ぎったベーコンサンドで、フロスト警部は出来ているーーー!!(笑)
そんな中でも一番強烈だったのが、「フロスト日和」に登場する、珍しくもフロストが家で朝食をとろうとするシーン。
フロストはフライパンから眼を離し、紅茶を煎れることにした。
ティーバッグの買い置きは切れていた。まったく、ここまでついていないとは!あまりの激勤務で思わず寝坊してしまったフロスト!署長との約束に3時間も過ぎてしまったのを思い出し、いったんは焦ったものの、こうなったら3時間も4時間も同じじゃないか・・!と思いなおすところがフロストらしさ

ベーコンエッグを作ったところでティーバッグを切らしているのに気づくのですが、なんとこの後

、
ゴミ箱に捨ててあった出がらしのティーバッグを再びティーカップに放り込んで湯を注ぐーーー、フロスト曰く、背に腹は替えられないって。
そこまでして飲みたかったのか~~

デントンの街で流感が流行って署員が壊滅状態の時も(「夜のフロスト」)、全く持ってぴんぴんしてる、流感さえも寄り付かない・・、その秘密もお茶にあり?
古今東西、ミステリーの登場人物でこんなにお茶を飲んでる人っていたかなぁ?そういうところも好きなのダ

そういえば、シリーズ通して一度たりとも!!春や夏が舞台になったことがなかったーー。
ハロウィン、クリスマス、寒風吹きつける季節、陰惨な事件が多いデントンの街には冬が時別よく似合う、そしてきっとそんな季節にこそ、アツアツのお茶が警部のパワーを支えてくれる。
ね、そうですよね?ウィングフィールドさん。
今日のお茶は私もマグカップでた~~っぷり飲もう~♪
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