2017
05.22

月イチ★クラシック「さすらいの青春」

さすらいの青春

森と沼の多いソローニュ地方。
教師をする両親とともに暮らす15歳の私の前に現れた17歳の少年オーギュスタン・モーヌ。
背が高く、統率力のある彼は学校の生徒たちからグラン・モーヌと呼ばれ、慕われるようになる。

ある日、馬車で出かけた彼は森で迷い、古城で行われていた不思議な婚礼パーティーに遭遇する。
そこで神秘的な美少女と出会ったモーヌは、もう一度その場所へ行こうとするのだが・・・・・。


今月の月イチ★クラシックは、1968年のフランス映画。
原作は、27歳の若さで世を去ったアラン・フルニエの「グラン・モーヌ」。
未読でしたが、フランスではとても有名な青春小説だとか。
映画鑑賞後小説も読んでみましたので、そちらの感想も後ほど~。


「さすらいの青春」・・・・・昔はこういう邦題、多かった気がします(愛とかやたらついてる時代もありましたね)
しかし、まさに!!この作品にはこのタイトルがぴったり。
モーヌ、さすらってましたさすらいすぎだろう~~と思わず突っ込んでしまうくらい

17歳のある日、森へ迷い込んだモーヌは見知らぬ古城で催されていた邸の息子の婚約パーティーで一人の女性と出会います。
このモーヌの冒険、謎のパーティ映像が・・・・どう表現したらいいでしょう。
もやがかかったかのようなぼんやりした映像に、光が迷い込んだような~~。不思議な映像です。
白昼夢ってこういう感じかしら?正直言ってちょっと目には悪い(>_<)
ドライアイの私は、後で目薬を差しましたよ~~。

けれど、この不思議な映像・・・・観終わってからまた観たくてしかたなくなりました。
いったいこれは現実なのか、それとも森で迷ったモーヌが見た夢なのか・・・。
そう思ってしまうくらい、摩訶不思議、幻想的な世界

そこで出会った少女にもう一度会いたい、その場所にまた行きたい(帰りの馬車で眠ってしまったモーヌには場所がわからない)
今ならばソッコー、携帯で連絡を取るだの、SNSで調べるだの・・・、さまざまな方法で城の場所や彼女への連絡も出来るけれど
再び彼女に会えるまでのモーヌのさすらい~、
意外なことでフランソワがその美少女イボンヌの居場所を知ることになるのですが・・・、ようやく会えることになった二人に待っていたのは、皮肉なめぐりあわせでした。
あんなにも求め続けたイボンヌとの再会に、浮かない顔のモーヌ・・、やがて明らかになった彼の真意に、“モーヌいいじゃない。そこまで自分を追い込まなくても・・・・”とオバチャンは思ってしまうのですが、
若者って、青春って・・・、愛にものですが、友情にも純粋すぎる~~~
かくして幸せなはずの結婚生活を捨てて・・・またしてもさすらうモーヌよ~~。

イボンヌを演じているのは、「禁じられた遊び」があまりにも有名なブリジット・フォッセー。
本作の時は、21歳でしょうか。瑞々しい美しさに心を打たれました。

「あぁ~~、どうしてこんなことに」そう嘆かずにはいられないイボンヌの運命でしたが、
それ以上に、モーヌとの友情を守り通し、彼女を見守り続けたフランソワの想いが切ない。
さすらい続けるモーヌの姿に、故郷を離れることも旅に出ることもなかったフランソワの、憧れや冒険を託してきた想いを感じました。
モーヌとイボンヌの物語が美しいのは彼の存在あってこそ・・・だと思います。


『グラン・モーヌ』(岩波文庫)

切なく美しい青春映画・・・・でしたが、鑑賞しながら「ええーー!」と憤慨したり、「なんで?ナンデ?」と突っ込みたくなる部分もいろいろありました。
これはやはり原作も読みたい~とダッシュ
400ページ、思ったよりも長編です。
登場人物たちの関わり、その想いがより深く分かりました。

フランツ!自分でも探してたんだ~映画ではもう、モーヌ任せかとばっかり思ってしまいましたヨ。
モーヌに対しての気持ちも(イボンヌを置いて・・・ってどうなん)映画より理解できたような気がします。
そして、フランソワがイボンヌを抱いて階段を降りる(映画でも登場したあのシーン)、あの時彼が感じていた気持ちも読むことが出来ました。

何より小説を読んで一番強く感じたのは、映画はこの原作の雰囲気をとてもよく捉えていたということ。
もう一度、映画を観たくなりました♪
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