2016
08.16

月イチ★クラシック 「クロノス」

クロノス

中世の錬金術師が作り出した永遠の命を与える「クロノス」。
天使像に封印されていたクロノスを偶然発見した骨董商人のヘスス(フェデリコ・ルッピ)は、ぜんまい仕掛けの小さなその機械に血を吸われてしまう。
痛みを感じながらも、その不思議な恍惚感が忘れられないヘスス、癒されない喉の渇き、なぜか若返った身体。
そんなヘススを心配する孫娘のアウロラ(タマラ・シャナス)はクロノスを隠すのだが・・・・。


1993年のメキシコ映画。
その年のカンヌ国際映画祭で批評家週間グランプリを受した本作は、なんとあの、ギレルモ・デル・トロ監督の長編デビュー作で、しかも吸血鬼のお話だとか~

これは観ないわけありませんネ


(↑の画像)美女の首に巻き付き、皮膚を裂くその不可思議な物体~!!
このなんとも衝撃的な“クロノス”の造形は、まさにデル・トロ印
機械!なのに中には昆虫(スカラベみたい)
ゼンマイを巻くとゆっくりと動き出す歯車・・・、やがて飛び出した金属の足が皮膚を裂く・・・。
ダークな世界観といい、
狂気の中にも美しく切ない思いが流れる物語といい、これはまさに監督の原点ここにあり!!の作品でした。

あ、でも画像のような美女は登場しませんでしたよ~

クロノスに魅せられ、夜な夜な血を吸われることに恍惚感を覚え、その体がやがて人間の血を求めることになってしまったのは初老の骨董商ヘスス。
クロノスによって身体が若返った彼は、人の血を求めるようになってしまう。
太陽の光に体が焼かれ、まぶしさに目を細める・・・まさに吸血鬼になってしまったわけなのですが、人を襲い喉を裂くようなシーンはありませんでした。
けれど、床に落ちた鮮血に口をつけ・・・舐めるようにすするその姿は、喉を裂くよりももっと衝撃的!驚きと哀しさを覚えました。

クロノスの存在を知り、手に入れようと狙っていた富豪が差し向けた甥の手によっていったんは火葬にまでされかかったヘスス・・、
不死といえども全然強そうでもなく、痛みも感じるし、皮膚はボロボロ(この脱皮という部分もまたデル・トロらしさ?)
そんな彼を心配し、守ろうとするのが小さな孫娘アウロラでした。

映画の冒頭部分から、愛情のこもったシーンがいっぱいだった二人。
屋根裏でおままごとの小さなティーカップでお茶を飲むシーンがあったりして!!
お茶好きとしては、目がきら~んでしたヨ。
ヘススには愛妻がいて(彼女のことをとても愛しているのですが)やはり、この映画のヒロインは孫娘アウロラでしたネ。
孫娘を守ったヘススが、彼女の血に思わずクラリ~となってしまうラストでも、
彼の心に人間らしさを取り戻したのは、これまで言葉を発したことがなかったアウロラの一言・・でした。


ストーリーに荒さも感じたし、時として単調であったりもしたけれど、
吸血鬼が老いた老人!って普通はないよね・・というオリジナリティー、望まずになってしまった不死に悩むその姿、
おじいちゃんを見守る孫娘というヒロイン、
そしてなにより、ダークなその世界観と独特の造形。
切なくて美しい感情が心に残る・・・・デル・トロ監督の作品はココから始まったんだなぁ!としっかり感じました。
イイもの観れました
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