2016
04.27

「さざなみ」

さざなみ

土曜日に結婚45周年の祝賀パーティーを控えるジェフとケイト。
しかし月曜日にある手紙が届いたことで、彼らの土曜日までの6日間は、45年の関係を大きく揺るがしていく。

                                <映画パンフレットより>




↓ラストについて、ネタバレがあります。未見の方はご注意くださいね。


レディースデイさて、「レヴェナント:蘇えりし者 」に行こうか?それとも・・・と悩んだ末、シャーロット・ランプリングの「さざなみ」を鑑賞してきました♪
レオさま、ごめん~やっぱり、シャーロットさまを大画面で観たかったのダ

結婚45年・・・・、人生の半分以上をともに過ごしてきた夫婦、
互いの好みも知り尽くし、平穏で静かな日々を送る二人。
けれどもそこに送られてきた一通の手紙の、小さな波紋が、やがてさざなみとなり、妻の心を波立たせてゆく。
原題の『45Years』もずっしりと重みを感じさせるけれど、『さざなみ』という邦題、好きだなあ。

スイスから夫の元へ届いたその手紙には、ケイトと出会う前にジェフが付き合っていた恋人の遺体がアルプスの氷河の中から発見されたという知らせが・・・。
やや興奮した夫の話を静かに聞くケイト。
まだ自分と出会う前の、しかももう、死んでしまっている夫の過去の恋人に嫉妬したりするのはおかしいことだと、知的な彼女はもちろん理解している。
夫が何かに熱中するタイプだということも分かっている。
けれど、夫が思わず漏らした「ぼくのカチャ」という言葉が、胸に刺さる。
約束した禁煙の誓いも破り、手紙を正確に翻訳するために辞書を探し、図書館で温暖化の本を借り、かっての恋人についての話を始める夫・・・。自分たちを撮った写真は一枚もないのに、屋根裏にはカチャの写真がしまってある。
隣にいても夫の心は今、アルプスを漂っている、若き日に戻って・・・。

映画は、手紙が届いた月曜日から、パーティの土曜日まで6日間の夫婦の姿を、ゆっくりと静かに追ってゆく。
そう、とても地味な作品だと思う。
けれども夫の心にある亡き女性の存在にしだいしだいに苦しめられてゆく、
どうすることもできないのだ、やりすごしてしまえばいい・・・と思うのに、そうすることができずにいるケイトの複雑な思い。
笑顔と余裕で夫を誘ってみたり、分別で自分を抑えたり、けれど、一人で街に出かけた夫の後を追う、腹立たしさと不安。
屋根裏で見てしまったカチャの写真に思わず感情を爆発させる!
一瞬たりとも目が離せないなんという!静かな緊迫感だろう。
シャーロット・ランプリングは、やはりただものじゃない。

あぁ・・・それにしても、夫ジェフよ、なんと正直なことか
夜中に屋根裏で写真なんて見ないでよ~~
妻の必死の問いかけには優しい嘘で返してもいいんじゃない?
ある意味純粋すぎるその正直さが妻を傷つけていることに彼は気づいているのかしら。
いえ、きっと思っていない。
だからこそ、あの感動的ともいえるスピーチは彼の本心だったと思うし、これからもケイトにそばにいて欲しいと願う気持ちにも嘘はないんだと思う。

思い出の曲にのせて二人のダンス♪
夫の手を振り切ったケイトの、あのラストシーンの表情。
苦しみぬいた6日間、夫へのプレゼントも買えないほどに動揺していた彼女に対して、
夫はプレゼントを買い、感動的なスピーチも用意していた・・・。

どれほど長い間一緒にいても、感情はいき違う、愛情の持ち方は同じじゃない。自分の中の思いは自分自身でしかどうにもできない。
なんともいえない苦々しさと、やるせなさと、怖いほどの静かな怒りに打ちのめされました。
う~ん、二人はこの先どうなっていくのかしら?
こんなラストシーンの表情を見せられて、私の心はさざなみどころか~!!ザブーーーンと大きな波にのまれてしまいました。

やはりシャーロット・ランプリングはただものじゃない。


ご年配の(ちょうど映画の中の二人のような)ご夫婦で鑑賞されている方を何組か、見かけました。
どんな感想を持たれるのかしら?
私は、主人と一緒にこの映画を見る勇気はないナ~(うちの主人もジェフ同様それはもう自分にも他人にも正直なヒトだから

60年代の音楽の使い方、こまやかさに唸るその演出、アンドリュー・ヘイ監督(脚本も)の手腕も素晴らしい。
パーティーの場面以外はほとんどコート&ジーンズという普段着だったシャーロットさまのスレンダーなこと
こんなにスキニージーンズが似合う67歳いないね♪
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凄く楽しみにしていた映画。 公開当時、近くで上映してくれなくて、レンタルを待ち望んでいました。
「さざなみ」感想 dot ポコアポコヤ 映画倉庫dot 2016.10.15 10:04
妻の心はめざめ、夫は、眠りつづける・・・・・ 神話的大女優シャーロット・ランプリングが,本年度アカデミー賞主演女優賞ノミネートをはじめ,様々な賞に輝いたヒューマンドラマ。原題は「45years」。結婚45周年を迎え,穏やかな日常を送っていた夫婦に突如訪れた出来事とは・・・・。 舞台は英国の片田舎。熟
さざなみ dot 虎猫の気まぐれシネマ日記dot 2016.10.16 23:41
コメント
お〜これ見ましたか!
これは夫婦で見るのに向いてる映画だと思っていました。
実は先々週くらいだったか、新聞の広告見て、男と女の違いが面白そうと思い、夫を誘ったんですよ。で広告見せたら、全然興味ない、と断られました。
だいたい理系な夫は見たところで、人間ドラマを理解できない気がしますけど(笑)

>私の心はさざなみどころか~!!ザブーーーンと大きな波にのまれてしまいました。

え〜!?それは見てみたいかも。
でも実いうと、私も女心が理解できない質なんで、シャーロットさまの表情を理解できなかったりしたら、それはそれでショックかも…

「レヴェナント:蘇えりし者 」は凄まじいです。
私はとっても疲れましたが、かなり好きです(笑)
でも人間ドラマとしてはすごく単純で、「さざなみ」と対照的な映画かもしれません。
tontondot 2016.04.29 23:31 | 編集
瞳さん、こんにちは。
地味映画のお薦めとメールをどうも有難うございました。
先ほどアップしましたのでご確認くださいませ。
まだ見ていないので感想全部は読めないけど、
シャーロット様がすばらしい様で( ̄m ̄〃 楽しみにしています。
楽しいGWをお過ごしくださいね~!
つるばらdot 2016.05.01 12:09 | 編集
>tontonさん

こんばんは。
わ~、ご主人を誘ってみたんですね♪
うちの主人は地味系(?)全然見ないのでひとりで観てきました(笑)
tontonさんのご主人、理系なのね~、映画の好みが気になります。

>男と女の違いが面白そうと思い、

それはすごく感じましたよ。
その人その人でこういう愛情って違うとは思うのですが、妻の前で(しかも夫婦のベッドで)亡き恋人の話をあそこまでする男って・・・と思うし、
45年間も一緒なのにもう空気のような存在じゃないんだ・・・と奥さんの愛情に驚いたりもしました。

ラストシーンの表情は・・・・なんともいえませんでしたよ~。必見です!!
みんな(観て)どう感じたかしら?思ったかしら?とすごく気になりました。

>「レヴェナント:蘇えりし者 」は凄まじいです
おおっ、観に行かれたんですね(ちなみに理系のご主人も行かれたのかな? 笑)
ディカプリオの熱演っぷり、すごそうですね。
dot 2016.05.01 21:45 | 編集
>つるばらさん

こんばんは。
わぁっ、もうUPしてくださったんですね♪
ありがとうございます。あとで見に行かせていただきます。

>シャーロット様がすばらしい様で( ̄m ̄〃

券買っていらっしゃるんですね。
つるばらさんの感想が楽しみです。
シャーロットさまがなんとも気の毒というか、そこまで追い詰められなくても・・・と思いながらもその表情から目が離せませんでした。

GW、今年も地味地味です(笑)
ゆっくり過ごします♪つるばらさんも楽しんでくださいね。
dot 2016.05.01 21:51 | 編集
こんにちは。なんだかコメントさせていただく間隔がだんだん短くなっているような気がしますが、これも私も好きな映画ですのでコメントさせてください。

私は男性ですから、シャーロットさんに「それくらい大目に見てあげてくださいよ」と言いたくなりますが(笑)、たぶんこれは、彼女ら夫婦に子どもがいないという設定が効いているんでしょうね。子どもがいれば、また違った態度になるのではないかと思います。

>それにしても、夫ジェフよ、なんと正直なことか

あのあたりのトム・コートネイの演技はすごかったですね。なにげにあのようなすごい演技を見ることができてしまうのが、英国映画のすごいところです。日本であれだけの演技ができる俳優、そうはいません。

>ある意味純粋すぎるその正直さが妻を傷つけていることに彼は気づいているのかしら。
いえ、きっと思っていない。
だからこそ、あの感動的ともいえるスピーチは彼の本心だったと思うし、これからもケイトにそばにいて欲しいと願う気持ちにも嘘はないんだと思う。

>思い出の曲にのせて二人のダンス♪
夫の手を振り切ったケイトの、あのラストシーンの表情。

あのスピーチとシャーロットの表情、どっちもすごかったですね(笑)。すごいすごいとばかり言っていて芸がありませんが、あのスピーチの後のあの表情とあの態度、まさに殴られたようなショックがありました。同じような殴られたようなラストって、昔見た「チャイナタウン」でも感じたな。

>ご年配の(ちょうど映画の中の二人のような)ご夫婦で鑑賞されている方を何組か、見かけました。
どんな感想を持たれるのかしら?
私は、主人と一緒にこの映画を見る勇気はないナ~(うちの主人もジェフ同様それはもう自分にも他人にも正直なヒトだから)

ご夫婦でご覧になるのは、私もまったく勧められません(苦笑)。それなりのご覚悟を・・・ってとこですかね。私なんか「大目に見てあげればいいのにね」なんて言って激怒されるかも(さらに苦笑)。

>60年代の音楽の使い方

クレジットタイトルに流れる「Go Now」、あれもすごかったですね(すみませーん、語彙が乏しくって)。歌もいいけど、まさに歌詞がそのものずばりじゃないですか。思わず身体が振るえそうになってしまいました。

どうでもいい話ですが、ジェフは1962年に25歳という設定でしたから、これはコートネイの実年齢と同じですね。私は、彼の「長距離ランナーの孤独」が好きです。瞳さんはご覧になりましたか。

やっぱり欧州の映画のコメントをしてしまいました。ただし英語の映画は初めてです。これからもよろしくお願いします。
Bill McCrearydot 2016.06.05 22:41 | 編集
>Bill McCrearyさん

>なんだかコメントさせていただく間隔がだんだん短くなっているような

あらっ!こちらはとっても嬉しいです!(^^)!

>私は男性ですから、シャーロットさんに「それくらい大目に見てあげてくださいよ」と言いたくなりますが

分かります!!
実は私映画に出てくる男性にはついつい甘い方なので、ケイトに「ご主人も今はあんなに夢中になって思い出の彼女に浸っているけど・・・ね、許してあげて」と言いたくなってしまったんですよ。

>彼女ら夫婦に子どもがいないという設定

そうですよね!!彼らに子どもがいたら絶対違ってたと思います。ダンナの愚痴を子どもに話して少しは気持ちが落ち着いたし(笑)
一緒にいた長い月日も、男と女というより父親と母親という立ち位置の方が大きくなってきてしまうんですよね。

トム・コートネイの演技、なんと自然体だったことでしょう。
自分だけの思い出の世界に浸る彼・・・、ベッドで何度も何度も昔の彼女の話をするあの様子・・・。
そしてシャーロットも凄かったーー。やっぱりすごい!って言ってしまいますよね♪

この映画を見た男性の方の感想をとっても聞きたかったので、コメントいただいて嬉しかったです~。
やっぱり、夫婦で観るのはよほどの覚悟がいりますね(>_<)

「長距離ランナーの孤独」映画をご覧になっているのですね。
原作は、それはもう昔に読んだことがあるのですが(記憶がだいぶ薄れています)、大人や体制に反発する少年の、あのゴール前の行動がとても印象に残っています。
若き日のコートネイの演技、見てみたいです。

こちらこそ、またお待ちしています♪



dot 2016.06.06 16:52 | 編集
瞳さん、こんにちは!
やっと見れました。
やっぱりシャーロットおねーさまは、すごかったですね^^

>夫が思わず漏らした「ぼくのカチャ」という言葉
そうそう、私も、ここは、うわっと思っちゃった。

>私の心はさざなみどころか~!!ザブーーーンと大きな波にのまれてしまいました。
爆笑!ホントよね、大波到来、この後どうなるんだろうか。

でも、旦那さん、最後の方は早起きして色々動いてくれたり、結構妻想いの普段の旦那に戻っていたっぽいけどねー。
ただなあ、相変わらず、スイス行とか悩んでそうな雰囲気もあるしね・・・
なかなか元彼女のこと、封印出来そうもないかな?
これが逆パターン(男女が)だったら、また違ったかもしれないね。
latifadot 2016.10.15 10:04 | 編集
>latifaさん

こんにちは。
わ~、ご覧になったのね♪
でしょ、でしょーー、やっぱりただものではなかったよね!(^^)!

「ぼくのカチャ」うわ、言っちゃったよ~って思ったわ(>_<)
正直というか、自分の心の中を話さずにはいられないタイプというか、長く一緒にいるから甘えもあるよね。
子どもがいればまた違ったと思うけど、その子どものことがまた彼女に大きなショックを与えたよね~。

>ただなあ、相変わらず、スイス行とか悩んでそうな雰囲気もあるしね・・・
わかる、わかる~、行かないって言いながら行っちゃいそうでもあるよね。
忘れられない人っていると思うけど、そういう点、男の人の方がロマンチストかな。

この先二人はどうなるのかしら。
あの最後のショーロットさまの表情を思い出しては、いろいろ想像しちゃうわ~。
dot 2016.10.16 10:47 | 編集
瞳さん こんばんは

そうそうおっしゃるように,静かな緊張感が半端なかったですね。
こんな地味なストーリーでここまでの緊迫した雰囲気を出すなんて
設定も脚本も役者さんの演技も(特にヒロインね)素晴らしかったです。
夫婦の絆って何だろう?とも考えさせられたけど一番思い知らされたのは男女の違いかしら・・・・

>あの感動的ともいえるスピーチは彼の本心だったと思うし、これからもケイトにそばにいて欲しいと願う気持ちにも嘘はないんだと思う。
ですよね~~男性は二人とも愛することもできるんですよね・・・
愛し方が違うから許してもらえると思ってるんですよ・・・・
でも女性は我慢できないよね。二番手は特に。

夫に悪気がないだけに一層救いのなさを感じました。

ななdot 2016.10.16 23:40 | 編集
>ななさん

おはようございます。

地味なストーリー、でもとっても考え込まれた(?)
ななさんもおっしゃったたとおり残酷な設定でしたよね。
彼女の内面から溢れだしそうな緊迫感、抑えているんだろうなあと思わせるものがじわじわ~と感じられて見ていてとってもドキドキしました。

>一番思い知らされたのは男女の違いかしら・・・・

そうでした!!
主人は観ていないのですが、この映画の話をしたら「えっ、それほど怒ること?」みたいな返事が返ってきて・・・・!!
おいおい~!!あなたもかい~!!と思いました(>_<)

>夫に悪気がないだけに一層救いのなさを感じました。

時には相手を思いやって優しい嘘も必要よ~!!って思いますよね。
悪気がないぶん、よけい辛いわ。
dot 2016.10.18 09:34 | 編集
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