
アフリカで1年間ボランティア活動に従事することを決意した青年エドワード。
出発までの間、家族は母パトリシアの提案でシリー諸島にある別荘で過ごすことになった。
エドワードと姉シンシア、料理人ローズと絵画教師クリストファー。
ゆったりと静かな時間を過ごす家族たちだが、そこにはどこかしら・・・・気まずい、不安な空気が広がっているのだった・・・・・。
日本未公開作品の本作は、今やすっかり人気者になった(私も大好き~♪)トム・ヒドルストンの初主演作。
ボランティア活動でアフリカに向かうことになった長男の、出発までの時間を家族水入らずで過ごそうと別荘へやってきた母と姉。
ヘリコプターで到着した、ココはどこなのかしら?
シリー諸島・・・

ふむふむ、イギリス南西部のコーンウォール半島の沖合いにある島々ですって。
この映画、まず、この舞台となる島がいいんだな~

イギリス特有の、晴れていてもカラッとしてるんじゃない、ちょっと曇ったような空模様、時折降りだす雨・・・、


風光明媚~とはちょっと違う、自然なままの自然(なんじゃそれ~ 苦笑)、
でもそんな島の中に南国の植物が育つ植物園なんかもあるのね、面白い。
日常から離れたような静かな島での、出発までの時間、家族は一緒にご飯を食べたり、自転車で島を回ったり、

こんな風にピクニックに出かけたり。
サンドイッチにワイン、キャビアにシャンパン(裕福な家族なのね)、デザートのブラウニーが私は気になる(笑)
だけど。
一緒に過ごしていても、どこかそこまで仲睦まじそうに見えない・・・・、
ことあるごとに抱擁を交わしても、そこにちょっとした距離感を感じてしまう。

別荘も、(内装は)落ち着いたブルーに白の壁の、とっても素敵な雰囲気


↑中庭もとってもいいよね!(と、やたら画像が多いレビュー)
こんな素敵な別荘で、静かに流れる時間が・・・やがて少しづつ気まずく、波立っていく。
この気まずさ加減が、なんとも秀逸なんだなぁ~~

いつから始まったんだろう?それと気づかぬうちに、いえ、それはほんのちょっとした会話に少しづつ見えていたのかも・・・。
この、ものすごい自然な流れの・・・家族の間の気持ちの波立ち加減、これに驚かされちゃいました。
家族との時間より、いつのまにかコックのローズや、クリストファーとの会話が増えていたり。
そうした、なにげない~見せ方や空気感がとっても印象的な作品。
いや、それにしても家族ってめんどくさいね~~

仕事もせずにアフリカにボランティアに行くという弟に、「なにやってんの!」と面と向かっていわないけど、本当はすっごくイライラしてるんだろうなあ・・・という姉(トゲトゲした物言いといい、う~ん、好感度は低いよね)と、
こちらも本心は(姉と同じ気持ちのある)母親。
そして、なぜか電話はしてきても姿を見せない父。
家族なんだから、はっきり言えばいいんじゃない!?と思う反面、他人じゃない分、客観的になれないところも分かる。
我慢してるもんだから・・・やがてその気持ちが爆発しちゃうんだけど、
(他人だったら)そこで別れちゃうけれど、家族はそうじゃない。
波立っても、波紋が起きても、やっぱり家族・・・だという、この複雑さ。
めんどくさいけど・・・家族なんだよね



優しいけれど、自分に自信が持てない、繊細で不安定な青年エドワード役はトム・ヒドルストンにぴったりでした。

絵画教師クリストファーの描いてる絵が、どれもとっても本格的で見事~!画家なのかな?
彼の言葉はどれもとっても印象的でした。
そういえば、(今頃気づいたけど)この映画、BGMが無かった・・・

島を吹く風に揺れる木々や、海のうねり、突然降りだした雨の音、そんな自然の音がこの映画には相応しい。
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