2015
09.13

「リスボンに誘われて」

リスボンに

リスボン

原作は、パスカル・メルシエのベストセラー「リスボンへの夜行列車」。

スイスの古典文献学教師ライムント・グレゴリウスは、ひとり暮らしの穏やかだが単調な日々を送っていた。
だが、ある朝、橋から飛び降りようとしているひとりの女性を助けた彼は、いつのまにか姿を消した彼女のポケットに入っていた『言葉の金細工師』という本に魅せられてしまう。

本の著者に惹かれるものを感じた彼は、いなくなった女性の残したコートのポケットに、もうひとつ、リスボン行きの汽車の切符が入っているのを見つけ、衝動的にリスボンへと向かうのだが・・・・。

名も知れぬ青年の書いた1冊の本に綴られた言葉がライムントの胸に沁みこむ・・・・まるで乾いた地に吸い込まれる水のように。
どうしてこんなに惹かれるのだろう・・・、いったいこの青年はどんな人物だったのか?そしてどんな人生を歩んだのだろう。

地味な外見にも似ず(といっても、ジェレミー・アイアンズなので素敵なんだけどネ)、なんとも衝動的にリスボン行きの列車に飛び乗ったライムント。

真っ赤なコート

真っ赤なコートのポケットに入っていたのが1冊の本とリスボン行きの切符・・なんて。
あまりにもドラマチック~なんて心惹かれる始まりだったのだろう。
冒険など無縁のような彼が見知らぬ土地で、生前の著者を知る人々のもとを訪れる。
やがて紐解かれる若きアマデウの青春時代・・・・。

リスボンに2

亡き兄(アマデウ)がまるで生きているかのように振る舞う妹、シャーロット・ランプリング
兄への想いと残された悲しみをいまだ引きずるかのようなその表情!!満たされない表情を演じさせたら右に出る人はいないんじゃないかしら。


リーさま

アマデウの恩師役は、クリストファー・リー。6月に享年93歳で亡くなられた名優の姿をここで観ることが出来るなんて


ロラン

アマデウと親友ジョルジェ両方から愛された女性エステファニア。 メラニー・ロランの相変らずのこの美しさ

ブルーノ・ガンツといい、レナ・オリンといい、いい役者さんたち、揃えましたねぇ(しみじみ・・・)
ライムントといい感じになっていくマリアナを演じたマルティナ・ゲデックマリアナの落ち着いた清楚な美しさがとっても好みです。


ライムントが紐解く、アマデウと友人たち、激動の時を生きた若者たちの物語。
彼らに比べたら自分はなんて退屈な人間なんだろう・・・そう感じるライムントだけれど、
そんな彼の訪れによって、(今はもう老いた)若者たちの、抱えてきた過去との苦い思いや後悔が少しづつ流されていく・・・。
こういう物語を観ると、過去と現在ってやっぱり繋がっているんだなあってしみじみ感じますネ。そうして、未来も。

スイスに戻るライムントを見送るマリアナの、シンプルなその言葉がなんとも暖かく嬉しい、リスボン駅でのラストシーンも大好きです♪
石畳や坂道、路面電車、街の夜景の美しさ、こんなに美しい街だったんですねぇ。


思いがけず紅茶のシーンが多かったことにも感激~
スイスの朝、自宅で紅茶のティーバッグを探すライムントは(切れていることに気づいて)使って捨ててあったのをまた使っちゃう(かのフロスト警部と同じだ~笑)。
アドリアーナとのお茶のシーン、「アマデウはアッサムが好きでした」と彼女が語っていましたっけ。

でも、一番印象的だったのは、マリアナの叔父で若きアマデウの友人でもあったジョアンを訪ねた場面で、なみなみと注がれたカップのお茶にジョアンが困惑するシーンでした。
ふるふると震えてカップが上手く持てない彼の手には、革命時の酷い暴力の跡が・・・。
この時、ライムントはカップのお茶をどこかに捨てるんじゃなくって、とっさに自分で飲んで(量を減らして)彼に戻しちゃう!(お茶目すぎる~
「そんなことをしたヤツはいなかった・・」と驚いたジョアンの表情が、でも決してイヤそうじゃなかったことがとても印象的でした。

ポルトガルの紅茶事情は全く分からないけれど、そう言えば、その昔イギリスの貴族社会にお茶を広めたのは、チャールズ2世のもとに嫁いできたポルトガルのキャサリン王女だったっけ・・・とお茶のシーンを見ながら思い出しましたヨ。

ぜひ原作も読んでみたい~♪そう思わせる、お気に入りの1本です。

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豪華なキャスト、素敵な風景、予想外に面白いストーリーでした。4つ★半
「リスボンに誘われて」大穴! dot ポコアポコヤ 映画倉庫dot 2015.09.17 11:15
コメント
瞳さん、こんにちは!
わーい!!この映画、あんまり有名じゃないけど、とっても素敵な作品でしたよね^^

>クリストファー・リー。6月に享年93歳で亡くなられた
そうだったのね・・。93歳だったのか・・・。そんなにお年だったとは知らなかったわ。色々な映画で、存在感のある役を演じられている方でした。

そうそう!!
そのお茶のシーン(あふれそうなコップに・・)、私も注目していたわん。

なんか、お年を召した観客にこそ、心に染み入る作品って感じで、大人の映画だったよねー☆
latifadot 2015.09.17 11:35 | 編集
>latifaさん

こんにちは。
私は何かの映画の予告で観て気になっていたんだけど、latifaさんが書いてたようにホント大穴だったわ~♪

> >クリストファー・リー。6月に享年93歳で亡くなられた
> そうだったのね・・。93歳だったのか・・・。そんなにお年だったとは知らなかったわ。色々な映画で、存在感のある役を演じられている方でした。

そうなの~、「ホビット」にも出てたし、本作でも姿が観れてとっても嬉しかったな。ご高齢なのに背筋ピンとされててね、素敵な方でしたね。


> そうそう!!
> そのお茶のシーン(あふれそうなコップに・・)、私も注目していたわん。
あのシーン、印象的だったよね~(笑)「あら、飲んじゃったヨ、このひと~」とビックリしちゃったわ(笑)

> なんか、お年を召した観客にこそ、心に染み入る作品って感じで、大人の映画だったよねー☆
うんうん、もう冒険できない年だからこそ(笑)なおさら、リスボンへの汽車に飛び乗っちゃう彼を応援しちゃうよね♪
dot 2015.09.18 16:58 | 編集
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