2015
05.16

月イチ★クラシック 「テナント 恐怖を借りた男 」

テナント

パリの古びたアパートの一室に引っ越してきたポーランド人トレルコフスキー。
だが、その部屋の前の住人であるシモーヌは投身自殺を図っていた。

全く愛想のない管理人、ほんのわずかな物音を厳しく注意するオーナー、奇妙な住人たちに悩まされるうちにトレルコフスキーの精神はバランスを崩してゆく・・・。
やがて、彼らが自分をも、シモーヌのように自殺させようとしているのだ!と感じ始めるのだが・・・・・。


今月の月イチ★クラシックは、ロマン・ポランスキーの「テナント 恐怖を借りた男」
1976年の作品です。

アパートを舞台にした恐怖もの・・・と行くと、監督の「ローズマリーの赤ちゃん」を思い出すのですが、
なんと本作は、主人公を監督自らが演じています

パリのアパートを借りたポーランド人のトレルコフスキー、
監督自身も持っていたんじゃないかなと思う異邦人的な感覚や、とらえどころのない、ちょっと暗めの表情、
でもなかなかのイイ男キャスティング、ぴったりだったと思います~。

↑に書いた「ローズマリーの赤ちゃん」や、
去年月イチ★クラシックで取り上げた(監督の)「反撥」、あの作品もしだいに精神を病んでいく女性のお話でしたっけ。
どちらも怖~~いお話ですが、本作はまたその2作とは違った「怖さ」を感じた作品。

なんでしょう?観ている間は、むしろ不思議感というか、違和感をずっと感じ続けていました。
前の住人がその部屋の窓から飛び降り自殺を図ったという(そして今まだ入院中)部屋を何故、借りるのか~~
しかもかなりの高額、おまけに、管理人はとっても感じ悪いし、オーナーは、エラそう。
住み始めても、同僚を部屋に呼んでちょっとしたお喋りをしていただけなのにうるさくて眠れないとまでと文句を言われ、
部屋では室内履きを着用するようにとまで言われる始末
普通は絶対こんな部屋、さっさと引っ越すよ

そういう、なぜ?的な違和感につきまとわれながら、
一方では、「え?なに?ナニ、これ?・・・・」と思ってしまう可笑しさ。
シモーヌの友人ステラ(なんとイザベルアジャーニ、キュートでした)と観に行った映画が、なぜか「燃えよ!ドラゴン」
ブルース・リーのアクションを見ながら、キスしちゃう

近所のカフェでは、彼の好みの煙草はいつだって品切れ、
シモーヌの飲んでいたチョコレートが頼みもしないのに出てくるし、やがて彼自身もシモーヌの吸っていたマルボロを吸うようになっていく・・・。

ブラックユーモア的なそういうやり取りと、どこまでも掴めないトレルコフスキーのキャラクター。
そんな捉えどころのない奇妙な空気のはずが・・・いつのまにか、しだいに自分の居場所がどんどんと狭まっていくかのような圧迫感に苦しくなってしまう。

あの、部屋の壁の穴の埋め込まれていた〇が~~~怖すぎるーーー。

そして、だんだんと気づいていく
これまで観てきた光景は、どこまでが現実で、どこまでがトレルコフスキーの妄想だったんだろうか・・・と。
奇妙すぎる隣人たちの行動はどこまでが現実のモノ?
そして、ラストには(最初に登場した)あのシーンが巡り巡ってきて・・・、ますます分からなくなりました~~
いったい彼は・・・ダレ
分からないけど(分からないからますます)ジワジワ~~コワイ
ぐるぐると・・・ゆらゆらと~~、頭の中、いろんなシーンが回ってマス。

あぁ・・・説明できない“怖さ”ってコワイ

トラックバックURL
http://teapleasebook.blog26.fc2.com/tb.php/806-50377bcf
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top