2014
05.19

「クロワッサンで朝食を」

クロワッサンで朝食を

エストニアで暮らすアンヌは、長い介護生活の末、母を看取った・・・。
夫とは別れ、子どもたちも独立して独りになった彼女のもとにあこがれの街パリでの仕事が舞い込む。

高級アパートで暮らすエストニア人の女性フリーダの家政婦として働くことになったアンヌだが、
孤独で気難しい老女から家政婦などいらないと追い返されそうになり・・・。




スープにハム、チーズ。アンヌの用意した朝食を「いらない」と言うフリーダ。
困ったアンヌが(フリーダの介護を頼んできた)ステファンに事情を話すと
「言ってなかったね。朝食はクロワッサンと紅茶なんだ」・・・。

おお~!!久々のお茶のシーンのある映画の匂いが~と期待高まる本作。

その後の展開は、アンヌがスーパーで買ってきたクロワッサンを「プラスチック」と言い切り、紅茶をわざとこぼしてみせるフリーダ。
気難しい老女を演じるのは、ジャンヌ・モロー。
もう、伝説の域に達した大女優~
その存在感ときたら!

モロー

優雅なインテリアに囲まれたアパート、
身に着けたシャネルは、すべて彼女の私物だそう。
毒舌家で人を寄せ付けない老女が、やがてアンヌに語るその愛の歴史が、まるでジャンヌ・モロー自身のものと重なっているかのように・・・華やかに鮮やかに浮かび上がってきて
いろいろな想像を掻き立てられました。

若き愛人だったという(そして今も彼女の傍にいる)ステファンとベッドに横たわれば、えっ・・、そんなトコ触っちゃうんだ・・とビックリ
「思い出に浸っているの」なんてさらりと言ってのける、あくまで、いつまでも「女」なフリーダ。

御年86歳(この映画の時は84歳かな)のジャンヌ・モローを観れて、それだけで大満足な1本だけど、
アンヌ役のライネ・マギも素晴らしいですネ。

エストニアって、フィンランドのお向かいの国でしたっけ?
雪深き土地で長く母を介護してきた・・・もう決して若くないアンヌ。子どもたちは独立し、孤独を感じるのは彼女もフリーダと同じ。
長年の憧れだったパリの地を(フリーダが寝た後)一人歩くその姿、
エッフェル塔、凱旋門、これぞ、パリ!という風景も、どこか観光客の目線とは違う、しみじみと味わい深く見えました。


物静かだけど芯が強いアンヌに・・・しだいに心を開いていくフリーダ。
二人して連れだって(ステファンの経営する)カフェへと出かけるシーン。

2人でカフェへ

髪を巻き、お洒落して、フリーダの貸してくれたバーバリーのコートがこんなに似合う(上京してきたときよりもぐんと美しくなった)アンヌの、素敵っぷり。そしてそれを認めるフリーダ。

しかし・・、カフェでのステファンの言葉にフリーダは、再び心を閉ざしてしまう。
そしてそんな彼女の為にとアンヌが取った行動も、よけいにフリーダの怒りを買ってしまい・・・・・。

荷物をまとめ、アパートを後にしたアンヌが、パリを彷徨い、エッフェル塔を見上げながらクロワッサンの端っこを齧る。
このシーンのクロワッサンの美味しそうなこと~♪ちょっと冷たそうなアンヌの息を暖かいクロワッサンが温めているかのように思えました。


デリシャス~

そうそう、スーパーで買ってきたクロワッサンはホンモノじゃないと言われたアンヌは、後日ちゃんとパン屋で買ってきてフリーダに出していましたね。
美味しそうに齧って笑顔を見せたフリーダはとても可愛らしく見えました。


ラストシーン、(アパートに)戻ってきたアンヌに、フリーダは一言、「ここはあなたの家よ」と言うのでした。
大袈裟な抱擁も優しい和解もない、そっけなくも思えるこのシーンが、なんともこの映画らしい。
ハリウッド映画ならありえないわ。

いつか二人は(まだ行っていないという)ルーブル美術館に行くかしら?

あぁ・・・今たまらなくクロワッサンが食べたいなぁ~~


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もう若くない方に・・・ 4つ★
「クロワッサンで朝食を」感想 dot ポコアポコヤ 映画倉庫dot 2014.05.20 12:20
コメント
こんにちはー瞳さん
まさに、この役は、ジャンヌ・モローの人生と重なって見えちゃいましたよねー。
現在80歳として、ステファン(40~50歳くらい?)とは、彼女が50~60代の頃に愛人関係だったのかな?
(逆算してどーする(^^ゞ)

ハリウッド映画には絶対無い、ミニシアターならではの良さのある映画でしたね。
結構面白く見せてもらいました。
latifadot 2014.05.20 12:17 | 編集
>latifaさん

こんばんは。
そうでしたね~、ファッションも私物だし、(彼女の愛の遍歴は知らないけれど)すっかり重なって見えちゃいました。

あはっ!実は私も計算したよ~(笑)
気になるよね、やっぱり。

アンヌ役の女優さんも良かったよね。もの静かで地味だけれど内に秘めているものを感じさせる演技でしたね。

お茶のシーンもあったし、大満足です~♪
dot 2014.05.22 19:30 | 編集
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