2008
05.14

「夜よ、こんにちは」

夜よ、こんにちは夜よ、こんにちは
(2007/01/12)
マヤ・サンサ

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1978年に起こった、イタリア極左武装集団「赤い旅団」による、アルド・モロ元首相誘拐事件。

イタリアのこの時期の情勢とか、「赤い旅団」についてはついこの前までは全く知りませんでした。
でも先日鑑賞した「輝ける青春」で少し知ることができたので、今回この作品を見ながらまた「輝ける青春」の(赤い旅団メンバー)ジュリアを思い出したり、彼女を愛したルイジ・ロ・カーショ演じるニコラを思い出したり・・。
こちらの作品にもルイジ・ロ・カーショは登場するのですが、いつものような、あの穏やかな微笑みも、優しい表情も見ることは出来ませんでした・・・。

公式サイトは、こちら



ルイジだけではなく、この作品には「輝ける青春」で生き生きとした魅力を見せてくれたミケッラ役のマヤ・サンサが登場します。

赤い旅団メンバーのひとり、キアラ。
誘拐したモロを世間から隠すためのアパートを守る、紅一点の存在である彼女の視点で映画は描かれてゆきます。
なので舞台も、ほとんど、カーテンを引いた暗いアパートの中なんですね。
メンバーの一員と夫婦を装って借りたアパートに、近所の主婦が子どもを預けにきたり、牧師が訪ねてきたり・・と。
キアラたちのぴりぴりした空気を感じて、なにげない訪問客に観ているこちらまでやたらドキドキしてしまうのです。

本棚に隠された部屋で幽閉されたモロの姿、メンバーとのやりとり。
声を荒げることもない、静かなやりとりなのに・・これがとても怖くて・・。
ルイジ・ロ・カーショ演じる誘拐実行犯のボス?の、頑なな主義思想・・、あぁ・・・今回のルイジって、本当に笑わない・・・(汗)

自分達の行動が、世間には指示されていないことを感じていらだつメンバーの姿や、
モロの姿を見たり、彼の書く手紙に心打たれたキアラが、だんだんと自分達の信念に対する自信が揺らいでくる様子・・。
何かが起こりそう・・・、静かに、静かに・・高まってくる緊迫感がひしひしと感じられて。見事でしたね。

あまり眠れないキアラの夢の中では、囚われているはずのモロが自由に動き回っていて・・。

こういうジャンルの作品に、こういう幻想的な不思議なシーンが登場するっていうのは、とても新鮮な驚きでした。
キアラの内面が現れたかのようなこれらのシーンが登場することにより、外側からだけではない、心理的な面から事件を描いて見せている・・・。
ラストシーンも、もしかしたらこういう風に出来たかもしれない、あの悲劇を止めることは出来たかもしれないのに・・と。
そういうメッセージが、静かに届いてきたような気がしました。


「輝ける青春」とは全く違う、マヤ・サンサの魅力。
頬に流れる涙が印象的でした。
舞台となったアパートも(特徴ある窓とか、ドアの前に広がる庭とか・・)とても雰囲気がありましたし、何より、この作品、音楽の使い方が素晴らしいんです!驚きます。


お目当てのルイジは今回シーンも少ない役でしたが、でも、きっと彼つながりでなければこれは出会えてなかった作品。
ルイジ・ロ・カーショに感謝したい、深く心に残る・・作品でした。

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