2013
08.22

「イノセント・ガーデン」

イノセントガーデン


鋭すぎる感覚を持つ少女、インディア・ストーカー。
彼女が18歳になったその日、謎めいた鍵が届き、ただ一人心を開いていた、最愛の父が急死する。
共に残された美しい母エヴィとは、何ひとつ分かり合えない。
葬儀の日、行方不明だった叔父チャーリーが突然現れる。その日から始まった、いくつもの不可思議な出来事。次々と姿を消していく、周囲の人々。すべてが完璧なチャーリーに、惹かれていくインディア。
果たして、あの鍵が開けてしまうものは、なに──?
                 
                                    (パンフレットより)
 




↓ネタバレしています。未見の方はご注意くださいね。



2館上映が再開した単館系映画館ソレイユに再び行くことが出来ました~♪嬉しい。

上映作品は『イノセント・ガーデン』
あのウェントワース・ミラーが(名を伏せて)書いた脚本をチャヌク監督はいったいどんな世界にしたのかしら。
おまけに主役も、最近どんどん気になってきたミア・ワシコウスカ


冒頭、風に揺れるインディアのスカートの膨らみ、甘く、満ち足りたその微笑み~。
このショットで早くも、心ドッキドキになってしまった私です。


さて、時間軸は少し戻ってインディアの18歳の誕生日。
毎年贈られるプレゼントの箱のありかはサプライズ。
庭じゅうをかけまわって見つけた箱の中身は、いつもの年とは違ったものが入っていました。

戸惑う彼女が次に知らされたのは、最愛の父親の事故死。
残されたのは分かり合えない母と娘、そして、そこに突然現れたのが父の弟だという・・チャーリー叔父。

怪しい、あぁ・・・怪しい叔父さん・・。
・・といえば、思い出すのはヒッチコックの『疑惑の影』。
かな~り昔に観た作品ですが、以来、怪しい叔父さんの代名詞と言えばチャーリー叔父。
そう!本作の叔父さんもチャーリーです。これは(パンフレットなどにも載っていましたが)やはりヒッチコックのこの作品を意識しているのかな。

上品なセーターとシャツ、スマートで洗練されたマシュー・グード演じる叔父さんの怪しさがたまらない~。
その、あまりにキラキラすぎるゾ~~な瞳はじっと見てはいけないような気がして心がぞわぞわする。


でも・・・『疑惑の影』ではチャーリー叔父さんだけを恐れていらた良かったのに、この映画は違う!
本当に怖れ、ゾクゾクさせられるのは、インディアの方なのだから!

靴いっぱい


彼女の耳は、人々のひそひそ声をしっかりととらえ、階下のメトロヌームの音までもが克明に響く。
繊細で鋭敏で、母親にさえ触れられることを嫌がる彼女を、いったいどう捉えたらいいのだろう。

茹で卵の殻をテーブルに擦り付ける・・その音が、不気味にさえ思え、
地下室の埃のたまったシェードを払いのける、そのしぐさまでもが、なぜか意味深に思えてしまう。

仏頂面だったり、寄せ付けなかったり、時には怯えているかのようなその表情の、
でも、内側にはしっかりと強いものが潜んでいるようで・・・こういう役、ミアちゃん、ドンピシャ



父親が狩りをさせることによって抑えようとしてきたインディアの内なる「悪」、その目覚めを目のあたりにして戦慄を覚えながらも、その美しさ、魅力から目が離せなくなってゆく~。


連弾


濃密で官能的な二人の連弾シーンに、声も出ず・・、
同級生の死を思い出しながらの・・・シャワーシーンも衝撃


しかし、チャーリー。
家政婦さんからいろいろ聞いていたとはいえ、病院に閉じこもっていたはずの彼がどうしてそこまで詳しいインディア情報を得ていたのかとか、免許は?とか、料理は?とか疑問もいろいろ・・・。
あの机の鍵を渡したのは、自分のことをインディアにもっと知って欲しかったから・・ってことなの?

そんな姪に夢中なチャーリーに若い時の夫の姿を見て惹かれてゆく母親イヴリン。
チャーリーの眼には、インディアしか見えていないのに・・まるで道化役のような位置に置かれたニコール・キッドマンが、美しければ美しいほど滑稽に見えてしまって・・なんともいえません。

夫も娘インディアが生まれてからは、(しだいに彼女の中の血に気づいて)イヴリンよりも娘を気にかけていたのでしょうね、2人でずっと狩りに出てた・・って。
お腹を痛めてできた子どもと全く価値観が合わず、夫は娘と狩り・・、彼女も気の毒に思えます。

母と娘

美しい母と娘、でもこのシーンも静かな怖さが漂っていて・・緊張したわ~。


予想はできましたが、インディアの父の死の真相は・・・あまりにも惨かったです
そして、幼いチャーリー少年の犯した罪、あぁ~~、ココ、夢に出そうに強烈でした。
土の上で手と足を大きく動かす、あの手足の動きが、前半のベッドの上でのインディアのしぐさにぴったりと重なって背中に冷たいものが流れました。

ストーカー家に流れる、「獲物を狩る」血に目覚めたインディアは、
パートナーを求めていたチャーリーの想いとは全く違う次元へと飛びたって行く。


そして・・再び冒頭のシーンへと。
「花が色を選べないように人は自分を選べない。」
そのことを知り自由になったインディアは、風にスカートを揺らし、甘い笑みを官能的に浮かべ、自分の道をひとり行くのだ。

母のブラウス(理解しあえなかったけれど、それでも母の存在はちゃんとあったのだと思う)
父のベルト、そして叔父の送った靴、旅立ちのこの服装はとても意味深だと思う。
彼女の中でストーカー家は生き続けているのだと思う、これからも・・・。


原題は「ストーカー」、これを「イノセント・ガーデン」とした邦題もイイですねぇ。
恐ろしい秘密は無垢なる少女であった彼女の庭に眠りつづける・・。


美しくも恐い映像といい、謎めいた登場人物たちといい、とにかく忘れがたい、強烈な印象を残す作品でした。


ガーデンにて


お庭の、この(クッション付き)バスケット型ハンモック(?)、いいなぁ~



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