2013
07.05

「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者」

ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者 [DVD]ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者 [DVD]
(2013/07/05)
ロマン・デュリス、マリナ・フォイス 他

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パリで大手の法律事務所を共同経営し、妻と2人の子どもにも恵まれ、一見何不自由ない裕福な暮らしを送るポール。

しかし、妻との仲が上手くいかなくなってきたのを感じていた折しも、彼女が隣に住む写真家のグレッグと浮気をしていたことを知ってしまう。
グレッグに開き直られたポールは、怒りにかられグレッグを殴り、2人がもみ合ったはずみで・・・。


↓ネタバレしています、未見の方はご注意くださいね。

ビッグ・ピクチャー (新潮文庫)ビッグ・ピクチャー (新潮文庫)
(1998/06)
ダグラス ケネディ

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原作は、アメリカの小説家ダグラス・ケネディの書いたこちら。
1998年の「このミステリーがすごい」8位ということと、
映画の主演がロマン・デュリスということで興味を惹かれてレンタルしてみました。


冒頭、夜泣きする息子を抱き上げ、一生懸命あやしふらふらしながら朝起きれば、おはようのキスを妻にすげなく拒否されてしまう・・・。
そりゃあないよーー

写真家としての夢よりも経済的な生活を選らんだからといって・・、真面目に働いてなにより子どもたちにはとってもいいパパであるポール。
よりによって奥さん、隣の家の男と浮気となーーーー
(浮気を疑う原因になったのが、ワインの銘柄っていうところがなんともフランスっぽい~)

奥さんのほうにも思うところはあるのかもしれないけれど、これはあまりにも分が悪すぎますよね、男に甘く、女性に厳しい私としてはすごく腹が立ってしまいましたヨ。


でもだからといって・・(半分事故のようなものだったとはいえ)殺人を隠し、自分が殺した男になりすまして生きて行こうとするポール。
逃げてしまってはダメと思いつつ、あぁ・・どうか見つからないでと思ってしまうのは、やはりロマン・デュラスの瞳の力かな
いい眼をするんですよぉ、これが。

息子たちを殺人者のこどもにしたくない、自分の死を装い、他人になりすます。
この中盤のシーンから一気に緊迫感が盛り上がります。
もう一生息子たちに会うことはできない、最後に長男にプレゼントを渡して去っていくシーン。
言葉はなくてもその表情、切ない眼がたまりません~~


海、ボート、殺した相手を装って生きる・・・このあたりは、名作『太陽がいっぱい』を思い出します。


お洒落なスーツに身を包んだ生活から、よれよれのコート、放浪者のようないでたちで見知らぬ土地に降り立ったポール。
人の目から逃れ、孤独に生きていく彼だけれど・・カメラを構え、ファインダーを覗く姿に生き生きとした力を感じました。

彼の撮った写真、これがすごく素敵

しかしなんて皮肉なんでしょう。
自分がやりたかったこと、夢だったことを叶えられたのが自身の人生ではなく、自分が殺した男として・・だなんて。

写真が撮りあげられたら自分の首をしめることになる、正体がばれてしまうと分かってはいたと思うんだけれど、やはり見てみたかったんでしょうね。個展に飾られた自分の写真を(とても迫力ありました!素敵!)

昔ならともかく、ささっと検索したら顔写真が出てくるような今の時代、他人になりすまして生きていくことって無理があるような気がします。

自分を認めてくれる、想ってくれる人と出会いながらも、また別れなくてはならない。

最期は南米の地に降り立ったポール。
乗船した船でのアクシデントにも驚きましたが、そこでもまたカメラマンとしての実力を発揮した彼は、こののち、どんな風に生きていくのでしょうか。

自分自身の名前は無くしてしまったけれど、生きているかぎりきっとこれからも写真を撮り続けていくんじゃないかしら。
ラストシーンの表情には、そんな逞しささえ感じました。


久々のロマン・デュリスがとっても良かったわ~、改めて惚れなおしましたヨ。
もっと作品見なくっちゃ

前半、彼の勤める会社のパートナーとして登場したカトリーヌ・ドヌーブも、少ないシーンでしたが存在感大
二人並んだシーンに大満足です。



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