2013
05.22

「チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~」

チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~ [DVD]チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~ [DVD]
(2013/05/02)
マチュー・アマルリック、マリア・デ・メディロス 他

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天才音楽家ナセル・アリは死ぬことにした、大切なヴァイオリンを壊されたから。

最期の8日間で、人生を振り返るナセル・アリ。空っぽな音だと叱られた修業時代。
絶大な人気を得た黄金時代。 誤った結婚、怖くて愛しい母の死。大好きなソフィア・ローレンとチキンのプラム煮。そして今も胸を引き裂くのは、 叶わなかった恋。やがて明かされる、聴く者すべてが涙する奇跡の音色の秘密とは─?
         (公式サイトより)
                     


死を決意して8日目、ナセル・アリは愛する人々に見守られて旅立つ・・・。
え、えっーー!!
本当に死んじゃったの・・とビックリ。


そう、主人公の死ありきのお話な上に、死ぬ前の8日間を遡るなんて・・とビクビクしてしまったのだけれど。

オープニングのおとぎ話のようなアニメーションに始まって、全編、不思議なユーモア、皮肉、可笑しなことに暖かさまで感じられちゃうようなそんな物語でした。



働いて家計を支える妻にねぎらいの言葉どころか、愛情ある声もかけず、子どもたちの世話もしたくないナセル・アリ(でも結局、バイオリンを買う旅に息子を連れて行かなくてはいけないことになるのが可笑しい)
あげくのはてには、家族の今後など全く気にすることなく、死を選ぶ。

なんて自己中、勝手すぎるやろーーー!!な男なのに・・、あぁ・・・私彼を嫌いになんてなれない。

芸術家ってそんなもんヨ、良き家庭人になることを期待しちゃダメ!と知りもしないのに肩を持ち、
命ともいえるヴァイオリンに手をかけるなんて・・奥さん、イケマセン。

ええ、ワタシ、つくづくスクリーンの中のダメ男に甘い。マチュー・アマルリックだもの、なおさらです
カッと目を見開いた彼のアップがなんともコミカルで漫画的・・と思ったら、原作はコミックなのですね。

オープニングもそうでしたが、映画の中でも立体絵本のようなシーンがあったり、
死の天使も怖くない(苦笑)
ポップだったり、ファンタジーだったり、なんていろんな感性溢れる映画だったことでしょう。



でも、ヴァイオリンに手をかけるなんて・・と思いつつも、奥さんの気持ちも分かるよね。
何年も何年もナセルを想い、結婚して・・、でも夫の心はいつもヴァイオリンとともにある。
 
思い直してもらおうと、好物のチキンのプラム煮を作るところなんてイジラシイ。
タイトルの「チキンとプラム~」ってこのお料理からきているんですね。
以前石井好子さんのエッセイにもチキンのプラム煮が載ってましたっけ・・。食いしん坊の私、いったいどんな味なのかとっても気になります。

でも食べてももらえない、愛したことなんてなかった・・と言われて。あぁ、酷い男。

ナセルの娘リリ、成長した彼女を演じるのは、キアラ・マストロヤンニ。
そして、堂々たる母親を演じたのはイザベラ・ロッセーニ。豪華です。


あぁ、でも誰より、何より煌めいていたのは、ゴルシフテ・ファラハニ
『彼女が消えた浜辺』のあの方ではないですか!!

初めての出会い、彼女の足、後ろ姿に惹きつけられたナセル。彼の前で振り返った彼女のあの美しさ、輝き。


イレーヌ


「失くしてしまったものは、すべて君の弾く音の中にある」
イラーヌとのあまりに辛い別れが、彼のヴァイオリンの音を完璧にする


彼女を想い、世界中を旅しながら奏でる彼のバイオリンに乗せて、描かれていくイラーヌのその後。


映画の冒頭で、ナセルがある婦人に声をかけるシーンがあるのですが、
最後の最後に巡り巡って・・再び、彼らの再会の場面が描かれるとそれはもう、全く違った重みと切なさと、愛しさが胸に溢れてきて・・切ない~~。

ナセルの生み出す音色、生涯かけた想いは、ただひとりの人にだけ向けられていたのね・・・。
あぁ・・勝手男にこんなエピソードが隠されていたなんて泣けてしまう

もしかしたら、映画史上、これほどまでに好感度が低い主人公はいないかも?そんなナセルは、奥さんにも子どもたちにも(息子ちゃん、祈ってた!)弟にも愛されていた。
忘れがたい愛しい人からも

そして・・・映画を観終わった私も彼を愛しちゃう


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コメント
ああ、もうね、ほんっとうにダメ男ですよ、彼!
わたしは彼の奥さんに感情移入しきりだったので、もう身勝手すぎる芸術家に激おこぷんぷん丸でした。

それを愛してしまえる瞳さん、心が広いわ~。
あ、念のため皮肉とかでなくですよ。
でもダメ男って何かくすぐるものはありますよね。
マチューさんという俳優さんの味わいもあるのかも……。

そしてイラーヌ役って『彼女が消えた浜辺』の彼女(変な日本語……)なんですね!びっくりです。きれいな人だな~と思っていたのですが、変わりますね~。

ではでは、こちらはブログ更新が殆どできていない状態ですが、また遊びに来ますね♪
リュカdot 2013.05.25 13:11 | 編集
>リュカさん

こんばんは。
おおっ、リュカさんもご覧になっていたんですね~。

あははは~(笑)激おこぷんぷん丸って可愛い♪メモメモ~(笑)

もちろん、ああいう男性が現実にそばにいたら私も激おこぷんぷん丸です!!
スクリーン限定なんだけど、ダメ男にくすぐられちゃうんですよね(笑)現実はノーサンキューよ。

ゴルシフテさん、『彼女が消えた浜辺』で、消えた彼女を心配するリーダー的な女性の方かな。
あの映画では結構大人っぽく見えたのに、こちらではとっても若く見えたので驚きました。

私も劇場とかほとんど行けていませんし、映画を観る本数も減っています。ボチボチ、マイペースでいきたいですよね、無理せず。
はい、また遊びにきてくださいね。私もお邪魔します♪
dot 2013.05.25 20:41 | 編集
瞳さん、こんばんは。
思いがけず、この自己中マチュ~に寛大な感想が聞けて嬉しいです。
とか思ったら、瞳さんはいつもダメ男に優しかった!のを思い出しました。(笑)
あ、現実ではNGですか?まあ、それはそうかもしれないですね・・私もそうかも。(オイオイ)
ただ、奥さんがバイオリンを壊したのがね・・どうにも私は理解出来ないし許せなくて・・
瞳さんは奥さんにも優しくたしなめてるけど、私にしたら、これは殺人に近い行為に見えたんですよね・・。
言うなれば、ゆづの愛用のスケート靴をズタズタにするようなもん!
・・あ、つい、シーズンオフのゆづ不足からたとえがマイナーに・・すみません。(^^;
他のたとえは・・映画ファンから映画館を取り上げる様なもん!
・・ですかね?・・それで「死ぬことにした」にはならないですかね?(^^;

>もしかしたら、映画史上、これほどまでに好感度が低い主人公はいないかも?

・・・・・もう大笑いです~(≧∇≦)
何にしても、自己中マチュ~、興味深いキャラでしたね。
他のキャラもそれぞれに一癖ある感じで・・俳優陣も見応えありました。
つるばらdot 2013.05.26 23:14 | 編集
>つるばらさん

こんばんは~。

>瞳さんはいつもダメ男に優しかった!のを思い出しました。(笑)
あはははは~(笑)なんででしょう、ダメ男に惹かれるわ。
ふふ、でも現実だとメンドクサイ(←ヒドイ)ですよねぇ(^^)!

ヴァイオリン!そうですよね。音楽家にとってそれは命ともいえるもの。
>言うなれば、ゆづの愛用のスケート靴をズタズタにするようなもん!
あぁーーっ!!それはもう、大変なコトですよ!!ぜ~~ったい許されませんよね。

>あ、つい、シーズンオフのゆづ不足からたとえがマイナーに
いえいえ、今やゆづクンはマイナーではありませんことよ!(*^_^*)

いや、でもねぇ、確かにそう考えると(代わりのバイオリンを探して見たけれどダメだったし)死に向かう気持ちも分かりますよね。

実はさきほどもう1本、マチューが出てる『キング&クイーン』という作品を観たんですけど(ご覧になってるかしら)
こちらではなんと!ヴィオラ奏者でした。そして精神病院に強制的に入れられちゃう役!!
変人と思われてる役なんだけど(確かに変わっているけど)ものすごく可愛くて純粋で、大好きーー(笑)
もう、マチューにむちゅうです(爆)
ブレイクダンスを踊っちゃうシーンがあるんですけど、これが最高に素敵でしたよ~!!


dot 2013.05.27 21:43 | 編集
瞳さんがダメ男に弱いとは、知らなかった~^^
オーリーがお好きっていう印象があったから、ちょっと意外ー。
マチュー愛に溢れた感想、微笑ましく読ませて頂きました♪

奥さんが怒るのは、もっともだけど、でもバイオリン壊しちゃイカンよねー。
絶対やってはいけない事だよー。
とはいえ、死ぬ覚悟をする主人公も、甘ちゃんだけど(^^ゞ

いずれにせよ、私もこの映画、すごく面白かったし、好きでした。
latifadot 2013.06.12 15:06 | 編集
>latifaさん

こんばんは。
お返事遅くなってごめんなさいね~、週末バタバタしてました。

えへへ・・・映画の中のダメ男に弱いの~(笑)
現実のダメ男はだめよん!(^^)!
ふふっ、なのでオーランドにもいつか救いようがないほどのダメなキャラをやって欲しいです(変なファン~)

奥さんも長年の悔しさが爆発してしまったんだろうけれど・・・やってはいけないことをやってしまいましたよねぇ。

映像的にもいろんな独創性があって、面白かったですよね!!
dot 2013.06.17 21:02 | 編集
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