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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「復讐はお好き?」 :: 2008/01/03(Thu)

カール・ハイアセン著 文春文庫

「このミステリーがすごい!」2008年度版 海外部門第2位。


とんでもない男と結婚してしまった。と思った瞬間、頭から海に突っ込んでいた。
いきなりの展開に驚きながらも

アンチクショー。
強気なヒロインのつぶやきが可笑しくて、冒頭からしっかりと引き込まれてしまう。

結婚記念旅行の途上、豪華客船から夜の海へ夫の手によって放り出せれたジョーイ。
九死に一生を得た彼女が協力者と一緒に、夫に仕掛ける復讐劇の痛快さ!
これは確かに面白い。

ハラハラしながらも、笑ってしまう。
サスペンスとユーモアの加減の上手さ。
ページをめくる手も、先へ先へと軽やかに動いてゆく。

ストーリー展開の面白さももちろんだけど、魅力的な登場人物たちからも目が離せない。

美人で勝気なヒロインジョーイの強さと清清しさ。
彼女を助ける元捜査官ミックの男気。
人生にいろんな風のあることを知っている、渋い男がひとり・・犬を飼ってる・・となると、これはもう(映画でだって)最強のキャラ(笑)

でもそんな主役ふたりに負けないのが、やられる側の男達。
ジョーイの夫のチャズのダメダメっぷり、最低っぷりときたら・・呆れるを通り越して可笑しいし。
なにより最高なのは、彼の護衛を勤めるトゥール!
毛むくじゃらの大男、どこかずれてる・・このおかしな悪人は、物語が進むにつれてどんどんと私の心を掴んでゆき・・泣かせるエピソードを披露してくれるのです。

他にも魅力的な脇役がいっぱいのミステリー。
風光明媚なフロリダの舞台、時々登場する映画についてのエピソードも楽しい。

だけど、そんなフィクションの世界の中で、それがまぎれもない事実だという環境破壊についての苦いメッセージもしっかりと受け止めたい。

様々な社会問題を取材、告発する硬派な記者として活動してきた筆者の静かな怒りは、ユーモアを持ちながらも痛快に、しっかりとミステリーの底辺に流れている。
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