2013
03.11

「闇を生きる男」

闇を生きる男 [DVD]闇を生きる男 [DVD]
(2013/02/22)
マティアス・スーナールツ、イェルーン・ペルスヴァール 他

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ジャッキーは家業を継ぎ、ベルギーのフランドル地方で畜産業を営んでいる。
ある日、彼のもとに、精肉業者から怪しい仕事話が舞い込んできた。商談に出かけると、相手の仲間のひとりに、彼の過去を知る男、ヂエーデリクがいた。

二人は幼なじみだったが、ある不幸な出来事をきっかけに二人の関係は絶たれてしまっていた。
その出来事こそがジャッキーの人生を狂わせ、彼の肉体を特異なものへと変えていったのだった。

                       (公式サイトより   ストーリー)




↓ラストのストーリー展開について触れている部分がありますので、未見の方はご注意くださいね。
2012年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品ベルギー映画です。
ベルギー映画といえば以前『ロフト』を観ましたが、そちらに出演していたマティアス・スーナールツさんが本作では主人公のジャッキー役
でもこの役のためになんと!27キロも体重を増やしたそうです!




この作品、実際にあったホルモンマフィアによる殺人事件にインスパイアされたものだそうなのですが、
牛に違法ホルモン剤を投与している・・と聞いてビックリ
そしてそういったホルモン剤を流すホルモン・マフィアなるものが存在するなんて!驚きです。


むきむきの筋肉、突き上げる拳
まるでキン肉マンのモデルにでもなりそうなほど、男臭い肉体を見せるジャッキー、ですが、彼が自分の肉体を見つめる瞳には誇らしさなど全く感じられません。
まるで自分の肉体を確認せずにはいられないかのような切羽詰ったかのようなその目、痛々しさを感じるほどでした。

実はジャッキーは少年の日に、あまりにも惨い目にあっているのです。
このシーン、女性の私でも(その痛さを想像して)「ひぇーーーー」と思ってしまうくらいですから、男性ならどれほど恐ろしく思うでしょう。

事件後、(成長のため)男性ホルモンを投与しなければならなかったジャッキー。
そんなジャッキーが、育てている牛たちにホルモン剤を投与する・・・なんだかジャッキーの姿が牛とかぶってしまうんですね

少年の頃から想いを寄せていたルシアを見つめるクラブでのシーンでも、その目つき、鼻息すらも荒く感じてしまう。このシーンのジャッキー、それはもう恐ろしいほどです。
凶暴さすらも感じてしまうかのようなその姿に、あれほど可愛らしかった少年が・・・と辛くなってしまいました。


女性と付き合うことも、家庭を持つこともできずに、ひたすらホルモン剤を自分に与え続け、肉体だけを膨らませてゆくジャッキー。
そんな彼が今度はホルモンマフィアの起こした殺人事件に巻き込まれていきます。

そしてそこには、少年の日にジャッキーの身に起きた忌まわしい出来事を知る幼なじみの姿が・・・。

警察の内通者として働くヂエーデリク、彼がゲイだということもなんとも皮肉めいていますよね。
少年の時にはジャッキーを救うことができなかったヂエーデリクが、今度はなんとしてもジャッキーを助けようとする姿に・・・なんとかなるんじゃないかしらと淡い期待を抱き、

ルシアとの関係が、ジャッキーを闇の世界から抜け出させてくれるのでは・・などと甘い私は思ってみたのですが。


あぁ・・・、重かった、辛かった、あまりにも

まるで屠殺場へと連れてゆかれる牛が、あらんかぎりの力を振り絞って最後の抵抗をするかのように・・。



少年の日、あんな事件が無ければ、ジャッキーは普通の男性として恋をし、結婚をして、子どもを持って過ごしていたのでしょうか。
あそこまでホルモン剤に依存しないようにどこかで・・ストップすることはできなかったのでしょうか。
失われたものを補わなければならない!そのことだけが彼を駆り立ててしまったのでしょうか。

またしても友達を救うことができなかったヂエーデリクも哀しすぎます。




明るい光の下、少年の日のジャッキーの顔が最後にアップになって
失われてしまったものの眩しさが、闇の深さをより感じさせるかのようなラストシーンでした。

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