2013
02.22

「六つの心」

六つの心 アラン・レネ [DVD]六つの心 アラン・レネ [DVD]
(2011/12/16)
サビーネ・アゼマ、イザベル・カッレ 他

商品詳細を見る


不動産会社を営むティエリーとその妹ガエル。

書斎が欲しいという恋人ダンのために3部屋あるアパートの物件を探しているニコール。
連日ダンが通うホテルのバーで働くリオネル。

そしてティエリーの同僚であり、仕事を終えた夜にはリオネルの父親の介護を引き受けるシャルロット。


パリで暮らす6人の男女が織りなす物語は、降り止むことのない雪に彩られて・・・。




雪は降る~~、あなたは来ない♪

雪は降る~~~♪

珍しく四国は我が香川にも積雪があった夜、こんなにも雪が印象的な映画を観ました。


映画の始まりから終わりまで・・・どこまでも降り続き、止むことのない雪。
街に道路に、屋根に、登場人物たちの肩も帽子も白く濡らす
それは風景的に使われているだけじゃなくって、たとえば、シーンとシーンのつなぎ目に雪がオーバーラップ。
まるで部屋の中、人々に降り注ぐかのように柔らかに、美しく雪が舞う。


登場人物はパリで暮らす6人の男女。
群像劇のようにそれぞれがどこかで繋がっている。

かといって、取り立ててものすごく大きな出来事が起こるわけでもない、長年付き合ってきたカップルの気持ちがすれ違ってきたり、
同僚の女性から借りたビデオに思わせぶりなシーンを見つけ、困惑する男の姿を描いたり、
寝たきりになった父親への気持ちを打ち明ける人がいたり・・。

そんな日常の姿を描いているのだけれど・・・、でもまあ、それが驚くほど不思議で、ちょっとおかしくて、寂しくて。
これまで観たどんな映画ともまた違う
映画ってこんな風にも撮れるんだ、こんな魅せ方が出来るんだ・・っていう驚きに満ちた作品でした。


6人の男女、恋人ダンにしだいに愛想が尽きてきたニコールの美しさには初めから目を引かれてしまうのだけれど、
不動産会社の事務員、全然地味だよねぇ・・とそれほど気にしていなかったシャルロット

まあーーー!!ビックリ、驚き!
彼女の真意はどこに~~~?いまだ掴みきれない、これほど謎めいた女性だったなんて。

ティエリーに貸したTV番組のビデオのことも、リオネルの父親の前での過激なファッション(スタイルいい~!!)も目が点になってしまったわ~

あれもこれも、彼女の言う試練・・っていうことなのかしら

ティエリーやリオネルと彼女の会話からいろんな風に想像してみるのだけれど、掴ませきれないところがニクイと言うか、上手いというか(最後、彼女がリオネルに貸すビデオにはあの映像、入ってるのかしら、気になる~)



登場人物たちの、ちょっと離れた距離感も印象的。
恋人同士(だった)はずのニコールとダンも、兄妹であるティエリーとガエルも、毎日一緒に働いているシャルロットとティエリーも。
ダンの愚痴を聞くリオネルも。

みな、どこか、少~し「離れている」
たとえ、家族であっても恋人であっても、全部分かり合えるわけじゃない・・、言えない部分も、隠しておくことも。
そんな孤独感、隔たりが・・たとえば、ティエリーとシャルロットのデスクを隔てるお洒落なガラス戸だったり、
ホテルのバーの、キラキラビーズののれんだったり、ティエリーの自宅の丸窓だったり・・で現されているのかな?と面白く感じました。


ティエリーがニコールを案内する物件の見せ方や、ホテルのバーの色彩豊かでいて、洗練されたインテリア・・・映像もとても印象的!・・・と思ったら、監督あの忘れられない『去年マリエンバードで』の方だったんですね、納得~!!


結局人は孤独なもの・・・シャルロットの台詞だけれど、そんな孤独感を柔らかに降る雪が包む・・・、ハッピーエンドを迎えた者も、笑顔を見せた人もいないのに
冷たいはずの雪がなぜか暖かく、優しく感じられたラストシーンでした。





トラックバックURL
http://teapleasebook.blog26.fc2.com/tb.php/584-c9cf8630
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top