
パラグライダーの事故で首から下が麻痺した大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)の介護者選びの面接にやってきた黒人青年ドリス(オマール・シー)。
スラム街出身で無職のドリスは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当て。
だが、意外にもフィリップはドリスに介護者としての雇用期間を与える。
豪華な個室と専用の浴槽に驚くドリス。
前科を持つ青年をそばに置くことに反対する親戚をよそに、フィリップが障害を持っていることを時に全く忘れているようなドリスの行動やあけっぴろげな笑顔に、フィリップの表情はしだいに明るさを取り戻していくのだった・・・。
香川でもシネコンで上映があって嬉しい!なんと昨日のレイトでは一番スクリーン

本国フランスを始め各国での大ヒット、加えて第24回東京国際映画祭グランプリと大評判ですね。(ハリウッドリメイクも決まったとか)
障害を負ったフィリップが、次の介護人に選んだのは介護など全く経験のない黒人青年ドリス。
実は、この介護者の面接シーン、本当に真面目に介護をなさってる方々が見たらどうなんだろう(ほかの面接者さんたちの描き方がデフォルメしすぎ

)なんて思ってしまった私は頭が固い?
冒頭の車をぶっとばすシーンも「セプテンバー」の曲にはノッてしまったけど、危なすぎるゾ、この二人・・って(後半にここに繋がるシーンが出てきて・・なるほどとは思いましたが)。
正直、笑うところ?なのに戸惑うシーンも結構あって・・巷の大絶賛ほどは感激できなかった私でした。
でも本来なら絶対出会うことがない二人が出会い、それぞれ違う世界や好みを主張しつつ・・・、
不思議なことに互いの人生が生き生きしてくる姿は観ていてとても嬉しかった♪
介護など未経験のドリスが、血行促進用のストッキングに戸惑い、足用と頭用のシャンプーを取り違えちゃう(笑)感覚の無いフィリップの足にポットのお湯をかけて実験しちゃったりしてました!!
好き放題やってるように見えるドリスだけど、
夜中に(感じるはずがないのに)痛みと苦しみを訴えるフィリップを慌てることなく(普通は絶対慌てちゃうけど!)優しくなだめるんですね、ここ、ビックリ。
もしや、すごく大きな器を持ってる?
ドリスの「だれの前でも(たとえ障害を持っている主人の前でも)そのままの自分でいられること」
自分の感じたままの感想を言い、主人の障害さえもジョークのネタにしちゃうその自由っぷり。
下ネタ多いし、時々「ええっ・・・そこまで言っちゃうの?やっちゃうの?」とちょっぴり引きそうになった場面もあるけれど
そんなドリスの本音の言動がフィリップにはとっても新鮮で、刺激的で。思わず一緒に笑っちゃうんですね。
「妻を亡くしたこと」がなにより一番大きな障害なんだ・・と語ったフィリップ(この言葉にはハッとしました)
からだよりももっと心が何かを探していた・・・そんなフィリップだからこそ。
自分を腫れ物のように触らない、そのままの自分でいられて笑いを共有しあうドリスとの時間に癒されていったんでしょうね。
フィリップの誕生日、サプライズ(じゃない)サプライズパーティー。
クラッシックVSダンスミュージックのシーンは、とっても楽しかった~♪
次々に演奏されるクラッシックの名曲に対してのドリスの感想ったら(笑)
「バッハはやばい!」(これってなんだか分かる)
「熊蜂の飛行」が「トムとジェリー」ですって

今度は俺がお薦めを・・・と言ってアース・ウィンド&ファイアー♪
見ていてこちらも思わずノリノリになっちゃった。
踊れない人の前でバッチリ踊りを決めちゃうなんて・・本当だったらタブーなのに、そんなの関係ない!あんたの誕生日、おれも楽しむんだ、楽しいんだ!・・・なんて声が聞こえてきそうなドリスの踊りっぷりでした。
そして、そんなドリスに誘われて踊り始める人々の姿を見てフィリップが浮かべる笑顔がいいですね。
このドリスの踊りのお返し?
フィリップも「スリル満点!ハングライダー」に招待してましたもんね(いや、しかし・・事故で障害を負ったのにすごいなぁ)
住む世界が違う二人が出会い、何もかも全く正反対の感性がぶつかり合う。
どちらも譲り合うことも曲げることもないけれど、少~しこれまでとは違う引き出しが自分の中にしまわれていく。
そして、人生が楽しくなってゆく。
そういう人に出会うってなんて幸せなことでしょう。
フィリップだけでなく、ドリスも彼との出会いによって感性のまま絵を描くことに挑戦したり、
次の就職面接ではさらりとダリやゴヤについて話していましたね。
そういうシーンもちゃんと見せてくれるところが良かったです。
微笑ましかったのは、フィリップの娘のくるくる頭のBF。
ドリスに脅され、毎朝ちゃんとクロワッサンを届けにくるなんて、しかも髪ちゃんとバレッタで止めてるし。
かわいいーー

あぁ、それにしても・・音楽の使い方、凝ってましたね、絶妙でした。
サントラって出てるのかしら。欲しいです。
ところで邦題の「最強のふたり」
私は・・・すぐにこの二人が浮かびましたヨ(笑)

「指輪物語」のレゴラスとギムリ。
互いによく思っていないエルフとドワーフの二人が共に旅をし、危機を乗り越え・・友情をはぐぐんだ時
これ以上ないほどの「最強っぷり」を披露していましたから。
ほら、ぴったり、フィリップとドリスと同じでしょ
- 映画タイトル(さ行)
-
| trackback:2
-
| comment:4
瞳さん、こんにちは!
実は私も、、、他の世間のみなさん達ほどには、感動とか出来なかったくち・・・。
期待し過ぎちゃったせいかな・・・って思ったんだけど・・
でも、フランス流のジョークも、半分くらい、笑えないというか、それほど面白いか?って思っちゃった処があってね・・・。
とはいえ、面白くて良い映画だし、好きな映画ではあるんだけどね。。。
手放しでブラボーとは言えなかったんだよな・・・
- 2012/10/21(Sun) 15:26:27 |
- URL |
- latifa #SFo5/nok
- [ 編集 ]
>latifaさん
こんばんは。
おお~、友よ~(笑)
私もね、嬉しい気持ちになったし、良かった~♪とは思ったんだけど、
ところどころ、なんか自分の心にひっかかるところがあったの。
もしかしたら実際、今義母の介護をしてる自分の立場と比べてみたりしてたのかもしれないかも。
軽やかな気持ちで捕えられなかったのかなあ。
うんうん、ジョークもね、時にしつこい~(苦笑)って思ったり。
latifaさんも・・って聞いてホッとしたわ。
コメント入れてくれてありがとう。
- 2012/10/21(Sun) 21:04:02 |
- URL |
- 瞳 #-
- [ 編集 ]
>みみこさん
こんばんは。
ふふ、ジョークって何度も繰り返されるとちょっとね・・って思っちゃうよね。
髭を剃るシーンもね、もういいよ~(苦笑)って思っちゃった。
そうそう、傷つきやすいもの、私たち
フィリップが大きな気持ちで受け止めて笑顔を見せるから・・・良かった~ってホッとしてみたり(笑)
それがね、レイトだけなぜか1番スクリーンだったの、こちらでは。
なので、おうちでご飯を食べてそれから向かいました。倹約しちゃった(笑)
最強の2人、そうそう、映画のコンビだといろいろ浮かぶよねぇ。
特に刑事ものだと多いかも。懐かしい・・なぜか今スタハチが浮かんだ私(古すぎたかしら~)
- 2012/10/26(Fri) 18:45:12 |
- URL |
- 瞳 #-
- [ 編集 ]
面白かったし、良い映画だった。
でも、期待し過ぎちゃったかも・・・4つ★
実際のご本人達、お二人の写真です
- 2012/10/21(Sun) 15:23:23 |
- ポコアポコヤ 映画倉庫
最強のふたり (2011 フランス)
INTOUCHABLES
UNTOUCHABLE
監督: エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
製作: ニコラ・デュヴァル=アダソフスキ
ヤン・ゼヌ...
- 2012/10/26(Fri) 17:44:34 |
- ちょっとお話