2012
10.11

「第九軍団のワシ」

第九軍団のワシ スペシャル・エディション [DVD]第九軍団のワシ スペシャル・エディション [DVD]
(2012/09/14)
チャニング・テイタム、ジェイミー・ベル 他

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西暦120年、ブリタニアへの侵略を進めるローマ帝国は、北の地に住む部族たちの抵抗に手を焼き、
ローマ軍最強といわれる第九軍団の兵士5000名をフラビウス・アクイラ指揮の下カレドニアにと送り込んだ。
だが、軍団は霧の中で忽然と姿を消し一人も戻ってくることはなかった・・、掲げられたローマ帝国の象徴である、黄金の“ワシ”とともに・・・。

20年後、誇り高きローマ帝国の軍人として成長したアクイラの息子マーカス(チャニング・テイタム)は、ブリテン島の南西部に位置する小さな砦に指揮官として赴任する。
ある日、先住民族に砦を襲われたマーカスは、勇猛果敢な戦いを見せ見事に砦を死守するのだが、足に重傷を負い、軍人生命を絶たれてしまう。

叔父の屋敷に身を置き失意の日々を送るマーカスだったが、失われた黄金のワシを北端の地で見たという噂を耳にし、ブリタニア人の奴隷エスカ(ジェイミー・ベル)とともに、北をめざし旅立つ。

父の汚名を晴らし、自らの生きる道を求めて・・・。


男の映画だったーー!!というお友達の感想を読んで、これは!とチェックしていた作品でした

はい、その通りでしたよ
女性の影も形も、甘い恋愛も一切無し!

鎧と剣と馬と荒涼とした寂しげな北の大地、
帝国や部族、それぞれの熱い誇りをかけて戦う男たち、硬派ですナー。

チャニング・テイタム、初見でしたがしっかりとした体形に軍人役がとても似合う、
まっすぐな心根を感じる力強い瞳も印象的でした。
砦に赴任してきたマーカスが、若いながらも見事な指揮官ぶりを発揮して砦を死守する戦い。
亀甲隊形を取りながら敵を押す!押す!押されても押し返す・・ここ力入りました。

映画が始まったばかりなのにこの熱い戦い、すごい~と驚いたのですが、なんとこの戦いでマーカスは重傷を負い、名誉除隊となってしまいます。
叔父の屋敷で心身を癒すマーカス叔父さん、ドナルド・サザーランドです
わ、久々ですがなんとも味がありますねぇ。

そこで出会ったのが、奴隷戦士エスカ。
ジェイミー・ベルの鍛えられた肉体にうっとり
マーカスが大きいので、一緒にいると小さく見えますが、細くてもしっかりと筋肉ついてます。

マーカスに命を救われ主人として仕えることになりますが、実はエスカの家族たちはローマ帝国によって殺されているんですね。
ジェイミー・ベルの眼がいいわ!親の仇が命の恩人・・、この複雑な胸中をちゃんと想像させちゃう。

消えた軍団の謎を追い、ワシの奪回を目指す2人の道中には、まだどこか信頼しきってしまえないような、信頼感や不安感がせめぎ合って、ドキドキ。

そんな思いは、アザラシ族に出会ってますます大きくなります。
いやぁ・・しかし、アザラシ族の風貌、服装、強烈ーー。

アザラシ族が第九軍団から奪い取ったワシを取り返し、逃げるシーンでも、馬に乗るマーカスたちに対して、アザラシ族、なんと走りですよ!!これがもう、驚くほど速い。どんな体力!?
これは、第九軍団がやられちゃっても仕方ないよね・・・と思わせるような怖さ、迫力がありました。

痛めた足が限界となり・・顔も蒼白になってきたマーカスに、もはやここまで!?と思いましたが、
(覚悟を決めたマーカスが、奴隷の身からエスカを解放し、自由だ!と告げるシーンがいいですね)
まさに危機一髪!!ホッとしましたよ。

ただ、アザラシ族もそうだけど、帝国の領地を広げるために犠牲になっていく原住民や部族を思うと・・・、複雑ですよねぇ。
彼らはただ、自分たちの住んでいる場所を守りたいだけ・・。


帝国と部族としての対立も、主人と奴隷と言う関係も超えて、友情と信頼で結ばれていくマーカスとエスカ、
複雑なエスカの想いを考えると旅の途中、もう少し二人の心情を思わせるようなシーンが欲しかったなと思いましたが、
互いに誇り高い男たちの友情に胸は熱くなりますね。

荒涼とした北の大地、霧深いその風景、映像も印象的な作品でした。


最後の台詞は、ちょっと軽かったゾ・・・
骨太な映画だったから、もう一工夫欲しかったです。




第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579)第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579)
(2007/04/17)
ローズマリ サトクリフ

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映画鑑賞後、原作も読んでみました。
実はタイトルに聞き覚えがあるなあと思っていたら、これって児童文学だったんですね。
岩波文庫で昔、見た覚えが・・・。

女性、ちゃんといましたーー(笑)

そして原作では、マーカスとエスカは旅に出る以前から友情を培っていたのですね。
原作先に読んでから映画を観たら、結構違和感あったかもしれません。

でも、映画のあの「もしかしたらエスカは裏切るのかも・・」ていうハラハラ感、これはこれで良かったと思います。

映画では全く描かれませんでしたが、マーカスはギリシャ人の眼医者に化けて旅をするんですね。
なるほど~!これなら北の部族たちの中にも混じっていけるわ~と無理なく感じましたよ。
旅の間もマーカス主導でしたね(映画では、ちょっと立場無し・・って感じでしたもんね、マーカス)

アザラシ族との族長とのやりとりにも味がありました。指輪も無理に奪いとったのではなく、アザラシ族からマーカスに返されるシーンが感動的です。

ワシを奪い取った後の、物語の締めくくりは、ぜひ原作を使って欲しかったな。

功績を人々に称えられることもなく、軍団の再編成もされないほろ苦さ、でもマーカスとエスカには自分たちで切り開く自由な未来が開かれている。
自分の未来と同時に、エスカの行く道も案じるマーカスの姿が印象的でしたし、なにより、エスカの口笛!
これが好き♪
(あ、でも映画のエスカのキャラには使えないかな・・)


本作以降のサトクリフのローマン・ブリテン物語も読んでみようと思います。
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