2012
10.01

「マドモアゼル」

マドモアゼル [DVD]マドモアゼル [DVD]
(2012/05/11)
ジャンヌ・モロー、エットレ・マンニ 他

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TUTAYAの発掘良品棚に、ジャンヌ・モローの作品を発見

1966年の作品だそうですが、
↓の『トラウマ映画館』(映画評論家町山智浩サンが10代のころに観て、「トラウマ」を刻みこまれた25本の映画を紹介しています)でも取り上げられて話題になっているとか。




トラウマ映画館トラウマ映画館
(2011/03/25)
町山 智浩

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ぴっちりと正装したかのような黒衣を着込み、黒の手袋にストッキング、ピンヒール。

緑豊かな田舎の風景に・・・およそ似つかわしくない格好の女が一人。
水門を開けようとしている。

やっとのことで門は開かれ、やがて水は村へとなだれ込んでゆく・・・。

ことを終えた女は満足げな表情で靴の汚れを拭い取り、花嫁の頭を飾るという白い花を折り頭上に抱く。
帰り道、ウズラが大切に巣に抱く卵を取りだし、こなごなにつぶして恍惚とした笑みを浮かべる。


こ・・・怖い~~なんて不穏な始まりでしょう。

この冒頭のシーンからすでに十分怖さを感じた本作、
いやはやもう・・・、観終わってぐったり~~、今の気持ちをどう表していいのか分からず持て余しています。

町山サン、この作品を10代でご覧になったんですねぇ・・・そりゃあさぞかし、強烈だったでしょう。トラウマになってしまったのも無理ないと思います。


ワタクシ、もういい年ですが・・それでもこのマドモアゼルと呼ばれる教師の内にとぐろ巻く(あえてそう書きたい)肉欲、情念、鬱積したものが邪悪な形となってあらわれた・・その怖さ、受け止められるような器を持っていません~。

受け止めたくない・・、そう、いっそ観たことを忘れたいとまでちょっぴり思ってしまったほどの衝撃でした。
でも絶対忘れられないだろうなぁ・・それほどすごかった


村の家々に放火し、水門を開いて村を水浸しにし、果てには家畜の水飲み場に毒まで入れてしまう女教師マドモアゼルの狂気。
燃えさかる炎を見つめるその瞳、
裸になり人々を助けに向かうイタリア男マヌー、その逞しい体をまるでなめるかのように見つめるその視線・・。

ジャンヌ・モローすごい。

いえ、もっとすごいのは、髪を振り乱し、洋服が乱れるのも意にしない、マヌーに一晩中身を投げ出すマドモアゼルのまるで獣のような欲望でした。
もちろんね、はっきりと映るわけではありませんヨ、画面も暗いですし・・、でも。
普段は「自分は村の女たちとは違う」と言ったようなお高いその姿からはとても想像できない、タガが外れたかのような姿が強烈でした。

友人も理解してくれる人も、愛する者も、心の内を打ち明ける人も誰もいない・・。
そのあまりにも孤独な毎日が、湧き上がってくる衝動を抑えきれなくしてしまったってこと?

いや、だとしたって・・彼女のやったことはあまりにも非道だわ
マヌーの迎えた最期がいまだに目にやきついて・・夢にまで出てきそうでした


マヌーの息子ブルーノの気持ちを思うといっそうです。
教室であんな態度を取られながら・・それでも犯人がだれか(知っていたのに)最後まで口にしなかった少年が

最後の最後にマドモアゼルに向けた決別は、少年が出来る精一杯にして最大の侮辱だったのだと思います。


しかし・・マドモアゼルも恐いけど、小さな村のよそ者に対する偏見の恐ろしさ。
彼らにとっては犯人は、絶対に村人以外の者でなかればならなかったのでしょう、村の輪を守るために・・。

村人に尊敬されながらも決して彼らと交わろうとはしなかった、パリからやってきた教師マドモアゼル、
その輪の中に入ろうとし、身を挺して村の災害時には手を貸してくれた出稼ぎのイタリア男マヌー。

村人にとっては、どちらもよそ者だった二人なのに・・・



これは、当分引きずってしまいそうです。
夜中に目が覚めて思い出したら、眠れないかもしれません。

まさに「トラウマ映画」に相応しい作品です。
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コメント
瞳さん、こんばんは☆
プチ、ご無沙汰してしまいました。
って、毎回こんなコメントしているような気がします、すみません^^;

この映画のDVDリリースを教えて下さって、本当にありがとうございました。
モローとデュラスのコンビの映画が大好きで、この作品も日本ではVHSも出ていないなどという話も聴きました。
だから、全然知らなくて・・。
そして町山さん、大ファンです!!(*^^)v
彼の独特のこだわりや感性って、とても面白いし興味深いですよね。
ただ、時々脱線が大きかったり、私の苦手の分野を暑苦しく語り出すと止まらないところがあって・・。(笑)
でも、型にはまらない映画評は素敵だと思います。

で、この作品は睡魔に襲われる事も無く、一気に観てしまいました。
「怖い・・」の一言ですね~~。
ジャンヌ・モローが演じるから余計に怖いのかもしれないし、彼女にしか出せないアンニュイな狂気(真逆?)みたいな空気が映画全体を覆っている感じでした。

この作品、何かで観た映画と似ているんだけど、それが思い出せなくて・・苦しいです(笑)
ま、この手の内容は、最近の映画では結構多いですよね。
でも、クラシックの中で観た気がするの。
あ、「密告」(フランス映画)かな?? 確か瞳さんもご覧になっていたような??
村中の人が魔女狩りに取り憑かれてしまう感じなど似ていたかも!?(記憶が定かでなくてすみません)

この映画では、あの男の子の視線が一番普通だったように感じました。
真実を見て、彼なりに判断し行動し、そして最後の例の行動ね。
周囲の大人の騒ぎの中で、彼の冷静さもまた、ある意味怖かったわ~~

本当に久しぶりに、奇跡の遭遇とも言うべき鑑賞が出来ました。
瞳さん、ありがとうございました♪
また、よろしくお願いしますね~(^^)/
みぬぅdot 2012.11.11 00:32 | 編集
> みぬぅさん

こんばんは。
わ~~!!「マドモアゼル」ご覧になったのね~♪
嬉しい、嬉しいーー。
この映画観てすぐに、みぬぅさん、ご覧になってるかなあって思ったの。

町山さん、感性も独特の方ですよね。
> ただ、時々脱線が大きかったり、私の苦手の分野を暑苦しく語り出すと止まらないところがあって・・。(笑)
うんうん!!分かる~(笑)
そうそう、みぬぅさんの苦手分野!!


> ジャンヌ・モローが演じるから余計に怖いのかもしれないし、彼女にしか出せないアンニュイな狂気(真逆?)みたいな空気が映画全体を覆っている感じでした。

アンニュイな狂気~!!わーー、みぬぅさん、まさにそんな感じだったわ。

これまで観たことのないような女性の怖さを感じた作品でしたよ。
観終わったあとも、火事を見つめるあの表情とか、男の裸体を見つめるあの眼とか・・、彼女の数々の表情を思い出してはゾクゾクしました。


> あ、「密告」(フランス映画)かな?? 確か瞳さんもご覧になっていたような??
> 村中の人が魔女狩りに取り憑かれてしまう感じなど似ていたかも!?(記憶が定かでなくてすみません)

あ、ほんとだ!!
あの作品も村人から犯人と思われたものがリンチにあったりしていましたよね。怖かったわ。
ちょっと後で感想を観て思い出してみよう~っと。


> この映画では、あの男の子の視線が一番普通だったように感じました。
そうでしたね~。
そして、あのウサギのシーンね、
あの子の哀しさが残酷なシーンになった、あのシーンもとても印象的でした。


私もみぬぅさんとこの作品のお話できて嬉しかったです。
観た後、かなり悶々としちゃって。実は夢に出てきたりしたんですよ~。

そういう意味でも今年、これは忘れられない映画になりました・
dot 2012.11.12 21:20 | 編集
瞳さん、みぬぅさん、こんにちは。
私も[トラウマ映画館]買いましたよ。久々に映画書籍の面白いのを発見できたので、即サイトにも特集でUPしました。
あれに掲載された映画でDVDで観れる作品は全て観ました。『マドモアゼル』も良かったけど、私的には『ある戦慄』です!あまりにも衝撃的だったのでAmazonのレヴューにも書き込んだぐらいです。ここ最近観た映画で一番ですね。観た後、しばらく立ち上がれない程でした。未見でしたら是非!ぜったいハズしませんから(笑)

あの映画を一言でいい表すなら「正義はどこにあるのか・・・」
NARCYdot 2012.11.19 00:29 | 編集
>NARCYさん

こんばんは。
わーー、NARCYさんも混ざってくださって嬉しいわ。

「トラウマ映画館」買われたんですね!!
サイトにアップ!あとで早速見に伺います。
おおーー!すごーい。載っていたDVD(観れるもの)すべてご覧になったんですね。

『ある戦慄』
NARCYさんの書き込み読んで俄然気になります。
さっき少し検索したら・・・確かにトラウマになりそうなストーリーでしたよ。

ネットレンタルで予約入れなきゃ。
dot 2012.11.21 19:40 | 編集
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