2012
08.11

「人生はビギナーズ」

人生はビギナーズ [DVD]人生はビギナーズ [DVD]
(2012/08/03)
ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー 他

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38歳独身のアートディレクター、オリヴァー(ユアン・マクレガー)は、
母の死後、44年間連れ添った父・ハル(クリストファー・プラマー)から「私はゲイだ」とカミングアウトされる。

カミングアウトをきっかけにパーティーに出かけ、若い恋人を作って新しい人生を謳歌し始めたハル。
戸惑いを隠せないオリヴァーだったが、そんな父の身体は癌に冒されてしまい・・・・。


マイク・ミルズ監督の『サム・サッカー』好きな作品です。
『サム・サッカー』の主人公は繊細で情緒不安定、指しゃぶりの止められない少年でした。
監督さんって、繊細な主人公が好きみたい。
・・・と思ったら、本作は監督の実体験に基づくものだとか。

となると主人公オリヴァーのモデルは監督!?
監督さん自身もとてもナイーブな方なのですね


母親亡きあと75歳にしてカミングアウトした父親と息子の物語・・ですが、
冒頭の部分ですでに父親が(カミングアウト後に)癌に犯され亡くなっていることが明らかにされます。

ですので、物語は父亡きあと(父親の残した)愛犬アーサーと孤独に生きるオリヴァーの姿を追う形で進められていくのですが、
不思議な魅力を持つ女性アナとの恋が現在進行形で進むのと並行しながら、
父親の影が薄い家庭で、母と2人の時間を過ごす少年オリヴァーの姿や
新しい恋に生きる父親とさまざまなことを語った4年間が魅力的に混じり合って・・・やはりこの監督さんの作りだす雰囲気、好きです。


繊細で内気なオリヴァー、ユアンは、こういう役もとっても似合う

若き日の父親と母親の、どこか距離を置いたような雰囲気を感じ取りながら育ったオリヴァー、
母亡きあと、父親のカミングアウトによって、いったい自分というものの存在は父母にとってどういうものだったのか・・、これは考えちゃうところありますよね。

とても印象的だったのが、アナに「キャミソールを取って」って言われてキャミを知らないオリヴァー、でも彼女にキャミって?なんて聞いたりしないんですね。
全く違うものを渡して彼女に笑われちゃう。

ここは冗談のシーンなの?と思ったら、「人に聞かないで自分の中で解釈してしまうところがあるんだ」(うろ覚え)ってオリヴァーが答えるんですね。

父親の姿がほとんど見えない少年の頃の家庭。
少年オリヴァーは気丈にふるまう母の姿を見ながら「聞いてはいけないことがあるんだ」という思いをずっと秘めていたのかしらと思いました。そんな想いが積み重なって今のオリヴァーを作っているんでしょうね。


上手くいきそうだったアナとの関係も、一緒に暮らし始めるというオリヴァーにしたらすごい発展を見せたものの、しだいに自分の心に自信が無くなって揺らぎ始めちゃう。

アナ自身もまた、ちょっと変わった雰囲気の女性で人との距離の取り方が分からない・・だからこそオリヴァーと惹かれあう部分があるんでしょうね。
2人がパーティで出会うシーンもとても面白いし、メラニー・ロランは相変わらずとっても魅力的で・・、すごく応援しながら見てしまいましたヨ。

だからこそ、もうちょっとアナのキャラクターや悩みも掘り下げて見せて欲しかったです。



クリストファー・プラマー、75歳にしてカミングアウトした男性をそれはもう、生き生きと魅力的に演じていましたね。
父親を複雑な思いで見つめながらも、一緒に本を選び、人生の多くのことを語り合うオリヴァーとのシーン
(少年の時の母親とのシーンを思うとちょっぴりハルを非難してしまいそうになるけれど)
まるで、それまでの距離を埋めるかのような晩年の父と息子の姿も微笑ましくて、憎めませんね、これが。


悩みに悩むオリヴァーを・・・最後に後押ししたのは、こうした父親の最後まで人生を楽しむ姿だったのかなあと思いました。



最後に!これは書いておかなきゃ!

愛犬アーサーの可愛さがたまりません~


「150もの言葉を知っているけど話せないんだ」
話せないアーサーの言葉は、字幕で表されるんだけれど、これいいですねぇ

オリヴァーに置いて行かれると、きゃんきゃん!泣く甘えん坊ぶりと
そうかと思うと(得意の字幕で)時にはまるで人生の師のようにオリヴァーに問いかける・・あぁ、この愛らしさ、必見です!

『アーティスト』といい『木洩れ日の家で』といい、今年は映画の中で愛らしい、演技派ワンちゃんに出会える年ですね。

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