2012
06.23

「ドリアン・グレイ」

ドリアン・グレイ [DVD]ドリアン・グレイ [DVD]
(2012/06/02)
ベン・バーンズ、コリン・ファース 他

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原作はもちろん、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』。
学生時代に買った我が家の文庫は、何度も読み返してかなりボロボロです

ナルニアのカスピアン王子ことベン・バーンズ君と、『英国王のスピーチ』でのアカデミー賞受賞もまだまだ記憶に新しいコリン・ファース共演
制作が決定して以来、楽しみにしていたのですが。

あれっ!?劇場公開・・・無かったとは・・・意外!残念


祖父亡きあと屋敷を相続し、ロンドンへとやってきた若き青年、ドリアン・グレイ。
たぐいまれなる美貌と、純粋な心・・・、友人である画家バジルは魂を注ぎ込み、ドリアンの肖像画に打ち込んでいた。

だが、退廃的で享楽を愛するヘンリー卿との出会いがドリアンを変えてゆく。

やがて仕上がった肖像画はドリアンに生き写しの素晴らしさで話題となる。
これから老いていくであろう自分とは違い、失われることのない若さと美貌に輝き続ける肖像画にドリアンは複雑な思いを持ち・・・・。



ベン・バーンズ君、ノーブルな美しさが映えますねぇ。
これは私の個人的な好みですが、実は顎が割れてる方ってちょっぴり苦手なのデス
でも・・本作のドリアンを演じる彼、良かったです
上京してきたばかりの時の、純情そうな垢抜けない若者から・・しだいに悪の道へとのめり込んでいく・・。ゾクッとさせる表情がいいですねぇ。
着こなしもね、どんどんと洗練されて・・・時代物のお召し物(って思わず言いたくなる 笑)似合います。

似合うといえば、コリン・ファース。こちらももちろんバッチリ
ドリアンを変えてしまうアブナイ大人の魅力が溢れていましたねぇ。

ただ・・・もっと喋らせて~~(苦笑)
「ドリアン・グレイの肖像」においてはヘンリー卿の語る退廃的、享楽的な美学、自己を束縛すること自体が悪である・・云々というあの語り(原作では彼の語りって2ページとかに渡るものとか多かったです)の存在ってすごく大きいと思うのですが

本作ではそういったヘンリー節(なんて言ったら怒られちゃうよね)が、とっても少ないんです。
結婚を約束したシヴィルの自殺を知りショックを受けるドリアンを説得する時の言葉も・・・ええっ、それだけ!?ここもっともっと語るところでは・・?って。



ストーリーや設定もずいぶん変えてありましたし、
語りよりも登場人物の表情や刺激的な映像(裸のシーンも多し)アクションで魅せるドリアン・グレイかな。


涙を浮かべたり、不安そうな表情を見せたり・・・冷酷そうでありながら、時にドリアンが見せる表情がとても人間的。
映画オリジナルのキャラとしてヘンリー卿の娘、魅力的なエミリーが登場するのですが(娘を持ってごく普通の父親の気持ちになるヘンリー卿の変貌ぶりも印象的!)
彼女と恋に落ちるドリアンの最後の表情、切ない~~。



数多くの女性、男性とも繰り広げられる快楽の世界
これは結構危ないデス、血も流れたりしてショッキングです。


原作のドリアンには、(彼が何をやっているのかはわからないけれど)彼にかかわった人々が没落したり死んでゆく・・という隠された暗さ、危なさ、影響力を感じたのですが、
本作ではそういう部分はあまり感じませんでした。
直接的で分かりやすく、視覚的にもドキドキしますが、逆に神秘性や深さを感じることが少ないのが残念です。

あ、でも。
あのお茶のシーン、強烈でした!

DSC09919.jpg

DSC09916.jpg

DSC09915.jpg

危ないシーンの血の色が・・スコーンに乗せる真っ赤なジャムに重なってドリアンがそれを口にする・・。



ベン・バーンズとコリン・ファース、バジルを演じたベン・チャップリンも地味な顔立ちが逆にいい味です。
表情豊かなドリアンの葛藤や、映画の前半と後半で変化した内面を持つヘンリー卿の設定など・・・新鮮なドリアン・グレイだったと思います。

でもこのキャスティングだったら、原作通りの設定でも十分良かったんじゃないかなあ・・と古いタイプの私は思っちゃう
なにより、恋人シヴィルとの別れの原因、ここはぜひ原作を使って欲しかったし!!
シニカルな表情で長々と語り攻めるコリン・ファースも見たいよねぇ(笑)




ドリアン・グレイ 美しき肖像 [DVD]ドリアン・グレイ 美しき肖像 [DVD]
(2011/12/22)
ヘルムート・バーガー、リチャード・トッド 他

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ヘルムート・バーガーが演じたドリアン・グレイ。
私が持ってる文庫本は、この映画のカバーがついてます(古さが分かる 


忘れかけているので見返したいんですけど・・・レンタルは無いようです、残念。

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ドリアン・グレイ [DVD]2009年 イギリス 監督:オリバー・パーカー 出演:ベン・バーンズ    コリン・ファース    ベン・チャップリン    レベッカ・ホール    ダグラ ...
ドリアン・グレイ dot 菫色映画dot 2012.06.26 22:31
コメント
お邪魔します~
私もこれ観ました。きっと瞳さんならチェックするだろうし、
まっていよう~って思っていました。
なにせ私、原作も読んでいないし、過去作品も観ていなし、
バーンズも初見だし・・・と三重苦・・・、
薄っぺらの感想しか書けないもん・・・笑
原作との比較もあってすっごく参考になりました。
恋人との別れ、原作知らないものとしてはちょっと違和感あったわ。
本当は少し違うんですよね?
浮気したぐらいで死んじゃうのか・・・という唐突さがありました。
でもベン・チャップリンとラブシーンもあったり、あんなこともこんなこともしていたバーンズが私には刺激的だったな・・・。
ヘンリーってもっと語るんですね!!
原作も読みたいけど、難しい・・・(表現が・・)という声もあるので
ためらっています・・
最後の肖像が・・怖かったですよね・・・あの声も…笑
みみこdot 2012.06.24 14:00 | 編集
>みみこさん

こんにちは♪

>きっと瞳さんならチェックするだろうし、
まっていよう~って思っていました。

きゃーー(笑)みみこさん、よくわかってるぅ(爆)
待っててくれたのね、嬉しい。
みみこさんもご覧になっててなお嬉しいですよん。

>なにせ私、原作も読んでいないし、過去作品も観ていなし、
バーンズも初見だし・・・と三重苦・・・、
薄っぺらの感想しか書けないもん・・・笑

そんなことないですよぉ~!
かえっていろいろ観てると映画自体の面白さに気づかずに比較ばかりしちゃうところがあるから!
みみこさんの感想、楽しみにしています♪


過去作品ね、ヘルムート@ドリアンはレンタル無かったので、もっと古いのを見返して見たの。
こちらはほとんど原作どおりでした。
白黒なんだけどね、醜悪になっていく肖像画のシーンだけが色がついてて面白いなあって思いました。
ただ・・こちらのドリアン、綺麗なお顔立ちなんだけどぴったりと髪を分けててすごくお堅い感じなの。
どんな悪いことをやってるんだろう・・っていう想像は掻き立てられたけど(苦笑)

恋人との別れ・・・うんうん、ここは原作ではとても大きなシーンなんだけど本作では全く触れられずにいたので残念。

バーンズ君、あんなに刺激的なシーンにも挑戦して、頑張っていたよねぇ。

ヘンリーは原作ではものすごーーーく語ります。ワイルドはドリアンよりも彼の語りを書きたかったんじゃないかなって思うくらい。

後半あたりも映画はオリジナル要素が強かったので、こちらはこちらで新鮮な感じがして良かったんだけど、語るコリンも観たかったなって思いました。
原作、良かったら読んでみてくださいね~♪
dot 2012.06.24 16:44 | 編集
瞳さん、こんにちは。

原作に言及されていて、とても興味深かったです。
わたしも昔読んだことはあるのですが、ほぼ内容忘れてしまったので……。

ヘンリー卿の語りってそんなにあるんですか!
あ~、彼の享楽の美学、聞いてみたい……コリン・ファースにぜひともそれを喋ってほしかったですね。
シヴィルとの別れも映画とは違うんですね。
なんか、原作のことは、ほぼ、というより全く忘れているに等しいかもしれません。全然思い出せない(笑)。

ベン・バーンズはとにかく美しくて目の保養でした。
ベン・チャップリンとのキスシーンの他に、もう一人モブキャラの男との絡みもあって、個人的においしかったです。

まあでもやっぱり原作を読み直したくなりました。
ヘルムート・バーガー編も見たいな~。
レンタルなくて残念!
リュカdot 2012.06.26 22:30 | 編集
>リュカさん

こんばんは。
リュカさんも原作、読まれてるんですね。

ハンリー卿の語り・・・長いです。
それもね、熱く語りすぎるのではなくって・・強弱つけてというか、一歩引いた感じでクールに語るんですよねぇ。
読んでいて「なにやら、よくわからないけれど 苦笑 不思議な説得力がある!」っていつも思います。

シヴィルとの別れ、ここがね、映画ではとっても普通?な男女の別れになってましたね。
原作では、ドリアンとの愛に目覚めて、女優としての輝きを失ってしまった彼女にドリアンが幻滅してしまう・・・、ここのドリアンの落胆ぶり、勝手さ、冷たさはすごく印象に残ったので、使って欲しかったなあと思いました。

>ベン・チャップリンとのキスシーンの他に、もう一人モブキャラの男との絡みもあって、個人的においしかったです。
うんうん、そうでしたねぇ♪

ヘルムート・バーガー編、あまり思い出せないのですが、肖像画がとてもラフな服装(裸っぽい?)だったのだけ、よく覚えています(笑)
dot 2012.06.27 20:08 | 編集
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