2012
04.13

「ウィンターズ・ボーン」

ウィンターズ・ボーン スペシャル・エディション [Blu-ray]ウィンターズ・ボーン スペシャル・エディション [Blu-ray]
(2012/04/03)
ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス 他

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ミズーリ州南部のオザーク高原に住む17歳の少女リー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母、幼い弟と妹を抱え、その日暮らしの生活を切り盛りしてきた。

そんなある日、リーは保安官から、警察に逮捕され懲役刑を宣告された父、ジェサップが、自宅と土地を保釈金の担保にしていたことを知らされる。
その上、今現在行方が分からなくなっている父親が翌週の裁判に出廷しない場合、家も森も取り上げられてしまう。

家族を守るため、父親を探し出すと決心したリーだが・・。



第83回アカデミー賞主要4部門([作品賞][主演女優賞][助演男優賞][脚色賞])にノミネートされ、
サンダンス映画祭では、グランプリと脚本賞2冠に輝いた本作



舞台となる山間の村のなんとも荒涼とした土地、鉛色の空。
いったいいつの時代の話だろう?とまで思ってしまうような閉鎖的な村人たち。
日々の暮らしに困る生活も・・・雰囲気は、どことなくあの『フローズン・リバー』を思い出させますよね。


あちらは母が頑張る作品でしたが、こちらで驚くほどの強さを見せるのはまだ17歳の少女。
「無いよりはまし」な食べ物で日々をなんとかやり過ごし、洗濯をし、弟や妹に綴りを教え、一家の支えとなっている少女リーに突きつけられたさらなる過酷な現実。

保釈中の身で失踪してしまった父親が裁判に出頭しなければ、担保となっている家も森もすべて奪われてしまう。
そうなったら、幼い弟や妹は?心の病を抱える母親は?

「私が父を探すわ」
ジェニファー・ローレンスの強いまなざしが心を打つ。


でも、叔父を頼っても逆に捜索することを禁じられ、親類を訪ねれば追い返される。
少女が探し出そうとしている父親の消息が、大人たちのタブーとなっている。

冒頭から感じていたこの村の、どこか閉じられた独特の雰囲気、親類であるはずの大人たちの冷たさ。
ドラッグや掟、制裁・・なんていう言葉に、謎めいた雰囲気なんて言ってはいられない・・、少女が踏み入れるにはあまりにも危険な状況だということがひしひしと伝わってきました。


それでも、大人たちの冷たく重い壁にぶち当たっても、女たちのリンチにあっても
諦めようとしないリー。

あぁ・・まだ行くのね、頑張るのね・・
思わずスクリーンに向かって呟いてしまう。



それにしても、リーもだけれど、この映画の女たちの強さときたら
もちろん、背後には男たちがいるのだけれど、表面切って動いてくるのは女たちでしたね。

ちょっと顔が怖いけれど食べ物をわけてくれたりする隣家の女主人、
初めは夫に従っていたけれど、反旗をひるがえして(?)リーのために車を出す女友達。

こちらもかなり強面顔、親類の中の女ボスの迫力!



物語の中盤を過ぎるころから(いや、もっと前からかな)リーの父親が実はもう死んでいるのではないか・・っていう予感がすごく漂ってくるのですが、
リー自身もまた・・・すでに死んでいたとしてもそれは自分で招いたものと覚悟を決めていて、
それでも家を失わないために彼女は行動しなくてはならない!っていう部分、なんともいえませんね。
そこがまた、ただの父親捜しの物語ではない、この映画の核ともいえる部分じゃないのかしらって感じました。

彼女の周りの人々も、全くの善人とも言えないけれど・・悪人ともいえない。
リーの壁となる人が、また彼女の味方ともなるという。


一度はリーを脅してでもやめさせようとしたディアドロップがリンチされたリーを救出にくるシーンに驚き、
リーをリンチした女ボスが、しかし最後にはリーのために秘密を明かす。 

こういう部分がねぇ・・・、誰しも自分たちの身が大事なんだけど、それでもまたこの少女の強さに動かされているものがあるのかなあという、矛盾しているようだけれど・・分かるような。
不思議な感動を覚えました。


あぁ・・しかし、父親の死を覚悟しているとは言うものの、時には声を出すことのなくなった母親に答えを求め、
あの湖のシーンではやはり衝撃を受けるリーの姿



確かなハッピーエンドなんて言えない・・これからもどうやっていくんだろう?そしてティアドロップは?と気になるラストシーンでしたが、
弟と妹の手の中におさめられた小さな命のぬくもりに暖かさを感じ、
ドリー一族として生きていくといったリーの瞳に、彼女はきっとやり抜いていくに違いない!そんな確信を抱いたのでした。


「X-MEN」のミスティーク役の時は、ちょっぴりぽっちゃりさんだなあ、でも瞳は印象的!と思ったジェニファー・ローレンス
さらに目力UPしてぐいぐい惹きつけて離しませんでしたね。


そう、あの薪割りの上手さって!?練習のたまものなの?
思わず見とれてしまってDVDを戻して再見してしまった私ですヨ、必見です(笑)




ウィンターズ・ボーンウィンターズ・ボーン
(2011/10/22)
ダニエル・ウッドレル

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原作も気になります、読みたいですね。
図書館にあるかしら~。

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コメント
瞳さん、おはようございます。
この作品見ると、人生ってずっと曇り空?さんさんと輝くお日様の光を浴びたいよ~。
・・みたいな感覚にもなりましたが・・(^^;
リーの強さには驚かされましたね。ティーンエイジャーの底力・・なのかなあ?
今、自分はこのトシで見た感想を書いているけど、これをリーと同じ年代の時に見たら、
どんな感想を持ったかなあ?とも思います。
箸がころげても可笑しい年頃だと、リーの行動はただ恐ろしいだけであまり理解出来なかったかも?・・とか。

ところで、話は映画からそれますが・・ちょっと、ゆづ情報を。
昨日、彼がコーチをオーサーに変えたと言うニュースが流れまして~。
今、ショックを引きずってます。
海外でのスキルアップはとってもいいコトだと思うけど、よりによってなんでオーサー?!
どんな理由があるのか知らないけど、これで、国内での、ゆづバッシングは必至・・。
ファンとして(おかんとして?笑)複雑な心境です。
が、ティーンの素直な未来への夢を信じてあげるしかないんでしょうかね?
・・と、ここでも、ティーンエイジャーについて色々思う・・のでした。
無理やり、映画と結び付けてしまいましたね。すみません~~(^^;
tsurubaradot 2012.04.26 08:33 | 編集
>tsurubaraさん

こんにちは。

> この作品見ると、人生ってずっと曇り空?さんさんと輝くお日様の光を浴びたいよ~。
そうでしたね~、終始どんよりと曇り空でしたもんね。

あ、でもそんな中逞しさを見せるリー自身がきっとお日様?(笑)
うんうん、分かります。母の頑張りやもっと大人の女性の頑張りとはまた違う、ティーンの底力みましたね。

そっか~、同じような年齢の子たちが見たらどんな風に思うかしらね。
絶対ムリ~~とか思うのかも。

>話は映画からそれますが・・ちょっと、ゆづ情報を。
> 昨日、彼がコーチをオーサーに変えたと言うニュースが流れまして~。

はい~!!私もそのニュース見ました!ビックリしちゃった。
奈々美先生ととってもいい感じでしたよね。

> よりによってなんでオーサー?!
あぁ・・大丈夫なの?ゆづ君~(とってもいろ~~んな意味での不安 i-237
カナダと日本を行き来するのかしら。
それもとても負担にならないのかしら・・と私もすっかりおかん目線で思いましたよ。

複雑な思いですよねぇ・・。

tsurubaraさんちのBBSでの楽しいレス、ありがとうございました。
ふふ~、ジョニーで思い出してくださってんですね。
ジョニーはね、きっとそういうことになるだろうなあ・・と思っていましたがi-236
彼という人らしくて、それを貫いて笑顔でいる彼がとっても嬉しかったです。



dot 2012.04.27 17:02 | 編集
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