2012
03.09

「悪の華」

悪の華 (クロード・シャブロル コレクション) [DVD]悪の華 (クロード・シャブロル コレクション) [DVD]
(2011/11/26)
ナタリー・バイ、ブノワ・マジメル 他

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クロード・シャブリル監督2003年の作品。

先日観た『甘い罠』と本作、密かにチェックしていました
しかもこちらには、ブノア・マジメルが出てる~


フランス・ボルドー。
ヴァスール家の長男フランソワが4年ぶりにアメリカから帰ってきた。
彼の帰国を喜ぶ義妹のミシェル。
義母アンナは市長選に出馬し多忙な日々だが、父ジェラールはそのことを苦々しく思っていた。

そんな時、アンナの元に第二次大戦下でのヴァスール家に起きたある事件について、家族を中傷する悪意あるビラが送られてくる・・・。




映画の始まり。
優雅なお屋敷の中にカメラが入っていく・・・。やがて階段を上がり、ある部屋が映されるとそこには男の死体が・・・。

でも一転、そこから場面は変わって・・飛行場でアメリカから帰国するフランソワの姿が映され、彼を迎えての家族の物語が始まっていく。

え?あの死体は?
あれは現在?過去?いや、これから起こること?
気を持たせつつ・・・やがて徐々に徐々に・・・聞こえてくる不協和音。

飛行場から戻るフランソワと父の会話が4年ぶりとはいえ、どこか・・ぎくしゃく。
帰国を喜ぶミシェルと彼女を見つめるフランソワの戸惑い。

選挙活動に飛びまわるアンナとその姿を苦々しく思うジェラール。

そこに投げ込まれたのが、一枚の中傷ビラ。そこから・・・一見優雅そうなこの家族の中に、暗い歴史が流れていることが見えてくるんです。
第二次大戦中に、ヴァスール家に何が起こったのか、
いつもにこやか、誰からも愛される叔母リーヌは何故父親殺しの疑いをかけられたのか・・。



ナタリー・バイ(アンナ)の美しさ、メラニー・ドゥーテー(ミシェル)のコケティッシュさ。

でも。
シュザンヌ・フロン演じる、上品でお料理上手、いつも家族に笑顔を向け、コーヒーを勧め、若い二人とボードゲームに興じる、こんな叔母さんがいればなぁっていう、愛すべきリーヌ叔母さんこそが、本作のヒロインだったんですね。

笑顔の下には許されない愛も、憎しみもあるのに・・・なんて魅力的だったのでしょう。


2つの家族の間にある複雑な関係、退廃的なモラル、隠された悪意、
時に皮肉っぽく、時に辛辣に捉えた監督、これはもうお得意の分野だったのではないかしら?


歴史は繰り返す、まるでギリシャ悲劇のような物語でもありました。


お目当てのブノア・マジメルは、こういう上流階級の、どこか退廃的な・・・満たされない思いを抱いた、そんな青年の表情がドンピシャですヨ。



そうそう、印象的なシーンと言えば、ウナギを食べるシーンがありました。
フランソワの帰宅を祝い、リーヌ叔母さんが腕を振るった・・、

フランスでもウナギって食べるのねぇ、もちろんかば焼きではありません~(笑)
こんなウナギはアメリカでは食べられない・・と絶賛されるウナギ料理ですが、見た目はちょぴりグロテスクというか、美味しそうに見えませんでした~。

そういえば、生牡蠣のシーンもありましたっけ。
こちらも美味だけど・・・姿はね。


こんなお料理のシーンにもちょっぴり悪意を感じたりしたのは考え過ぎかしら。



あ!あの事件の後の階段のシーン、あれも強烈でした。
死体が階段から落ちてしまいそうになって・・慌てて引き上げて。思わず笑い声をあげてしまうあのシーン。

つられてこちらも笑ってしまいそうになって、思わずヒヤリ



ラストは、アンヌの市長当選を喜ぶ祝杯のパーティーが行われる1階から、カメラがまた階段を捉えてゆく。
そう、その階段の先には・・・。

ニクイラストシーンです。




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