2012
02.29

「ゴーストライター」

ゴーストライター [Blu-ray]ゴーストライター [Blu-ray]
(2012/02/02)
ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン 他

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元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター(ユアン・マクレガー)。
ラングが滞在するアメリカ東海岸の島に赴き、1ヶ月以内に原稿を仕上げるという厳しい条件のもと執筆を開始したゴーストだが、
常に不安定なラングの妻ルース(オリヴィア・ウィリアムズ)、専属秘書のアメリア(キム・キャトラル)らの存在に加え、
ラングがイスラム過激派のテロ容疑者に対する不当な拷問に加担した疑いがあるとして糾弾されることになったことから別荘の周りには多くのマスコミ、デモ隊があらわれ不穏な空気が流れ始める。

やがてラングの語る過去に違和感を覚えたゴーストライターは、フェリーから転落死したという前任者の部屋から隠された写真を見つけ・・・。



雲に覆われた鉛色の空、
雨と風が吹きつける寂しい孤島の風景、

そしてフェリーに残された一台の車、


アダム・ラングの自叙伝を手掛けたゴーストライターにいったい何が起こったのか、後任としてやってきた2代目ゴーストライターがしだいにその謎に迫っていく・・というミステリーなのですが

いいですねぇこの舞台となる島や別荘のムード、
ミステリー的雰囲気満点です~!!!

じっくり、ゆっくり不安感や、怖さが熟成されていくっていうのでしょうか、この雰囲気がたまりません~。
いったい誰が嘘を言ってるのか?
怪しいのは誰?

みんなだよねえ・・


でも決して暗いだけじゃない、重苦しくない。
イギリス的?ユーモアや軽妙な軽口の面白さに時にふふっと笑ってしまう。

ルースに(静かに)迫られたゴーストが洗面所の鏡に写る自分に向かって「やめとけ!」と呟いたり
(やっぱりあるよね、ユアンの裸~~
翌朝、ルースのボディーガードに「夜もご苦労様」なんて言われると「ほっとけ!」と言い返したり

追手から逃れてやってきたモーテルの受付での「執事が・・」「乳母が・・・」なんていう会話のやりとりが可笑しい。
ミステリーとユーモアの加減の心地よさっていうのかしら。


加えて、今回ユアンが演じるゴーストライター、彼がそれほど飛びぬけて優秀とか、能力があるっていう風ではないところがとっても普通っぽくって(ルースに言われてましたよね)
見ているこちらも同じ目線というか、素人探偵捜査を共有して見てしまう。
ええ、ずいぶんともう素人探偵さんでしたよねぇ

前任者の残したメモを見てそこに書かれた電話番号に(自分の携帯から)電話しちゃったり
周りはとっても怪しい人たちばかりだというのに、手の内である写真や調べて分かったことを結構素直に話しちゃったり。
おいおい~~!!そんなにすらすら喋っちゃって大丈夫??って思ってしまいましたヨ。

前任者の車に残ったナビの案内もね、消去してないのね・・とちょっぴり突っ込みつつも、いったいどこに連れて行かれるのか・・ここは謎に近づいていくドキドキ感が高まるシーンです。


全編通して、派手なシーンがあるわけでもなく、激しいカーチェイスが繰り広げられるわけでもないけれど
追われてフェリーから脱出するシーンにはしっかりハラハラ、ドキドキしたし、怖かったーー!
登場人物たちの表情や言葉、そのやりとりにも真意を探ってしまう。
こういうミステリー、好きです。


ラスト近くのあのシーンも・・ゴーストが書いたメモが前へ前へと回されていくシーン、固唾を飲んでしまいました。
それを読んだ人物の驚きの表情と
それを見てワインをかざしてみせるゴースト、粋なシーンですよねぇ。

そして、そこで胸をすーーとさせておいて
最後は・・・・・。
舞い散る原稿が・・怖かった。
はっきりと見せないところがまた上手いというか、よけい気になる・・あと引くラストです。

主人公になぜ名前がないのか・・・。
なるほど~!!と唸ってしまうわけです。


でも、思えば・・・彼だけがゴーストだったわけではないという、
登場人物の多くがそれぞれ何かに操られていた・・・という皮肉さがまたピリリと効いた、なんとも苦くて深い怖さを持つミステリー。
ポランスキー監督作品、久々ですが堪能しました。



ゴーストライター (講談社文庫)ゴーストライター (講談社文庫)
(2009/09/15)
ロバート・ハリス

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ロバート・ハリスの原作、読みたいですね~♪
映画とはまた違ったラストだとか。



そういえば、ハリスの原作&ポランスキー監督といえば・・「ポンペイの4日間」の映画化。
実現されなかったことが残念でなりません、見たかったです。
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コメント
瞳さん、こんばんは~☆
また、いろんな映画の感想がサクサクとあって、目移りしちゃいますが・・、って、殆ど未見の作品ばかりなので、またメモって帰りますね(*^^)v

この映画は、一昨日観たばかりなので、感想アップされていて嬉しいわ~~
前評判が凄くよかったので、DVDリリースされるのを首を長くして待っていました。
ただね、旅の疲れが歳のせいね、本当に中々取れなくて(-_-;)
気がつくと、うたたねしてたり、キーボードに突っ伏して寝てたり^^;
この映画、前半は淡々と進んで行くでしょう?
何度も何度も戻って観直しの連続でした(苦笑)
瞳さんも書いていらっしゃるけど、ユアン、緩る過ぎですよね。
危機感が全くないというか・・。
そこにイギリス人のジョークが重なって、私も緩~く観てしまったから、最後で心臓がキュっとなりました。

>>でも決して暗いだけじゃない、重苦しくない。
>>イギリス的?ユーモアや軽妙な軽口の面白さに時にふふっと笑ってしまう。
本当、おっしゃる通りです~。
途中まで、ポランスキーも丸くなったなぁ~なんて思いながら観ていましたが、最後で持ち直した感じでしょうか!?

でも、なかなか楽しめましたよ。
そして、あの人が!?という展開も、私は全く予想していなかったから、ヤられた!と思ったし・・。
そして、観終わって思ったのは、この映画の結論付けみたいなものは、日本にも当てはまるということ。
逆にイギリスでも、そんな事があるの?という驚きでした。
ん~~、そういう意味じゃ、ちっとも緩くない映画なのかな??^^;
みぬぅdot 2012.03.18 23:36 | 編集
> みぬぅさん

こんばんは~♪
感想見てくださってありがとう。
劇場はほとんど行ってないの~、ネットレンタルが多いかな。

みぬぅさんもご覧になったのね~!!
おお、そうですよね、時差の疲れとかってなかなか取れないのでは?海外旅行したことないんですけど、ぼーーーとしちゃうのかしら。

> この映画、前半は淡々と進んで行くでしょう?
> 何度も何度も戻って観直しの連続でした(苦笑)
うんうん、意外に静かにというか、淡々としてましたものね。特に大きなことが起こるわけでもなくって。

> 瞳さんも書いていらっしゃるけど、ユアン、緩る過ぎですよね。
> 危機感が全くないというか・・。

でしょう、でしょう~~思いっきりいろんなことペラペラ喋ってるし、娘と一緒に見たんですけど二人して「喋り過ぎだよねぇ」って突っ込んでましたヨ。
そしてお約束の裸?もちゃんとありましたね(笑)

> 途中まで、ポランスキーも丸くなったなぁ~なんて思いながら観ていましたが、最後で持ち直した感じでしょうか!?
監督のこれまでの作品って、こんな風なユーモアってなかったような気がしました。
でもあの最後は・・・やられましたよねぇ!!

はっきり映さないところがまたニクイ!!

> そして、観終わって思ったのは、この映画の結論付けみたいなものは、日本にも当てはまるということ。
> 逆にイギリスでも、そんな事があるの?という驚きでした。
> ん~~、そういう意味じゃ、ちっとも緩くない映画なのかな??^^;

そうですよね、日本でもありそう。
緩さと静かな怖さがうま~~く混ぜ合わって・・・面白かったですね♪
dot 2012.03.20 17:52 | 編集
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