2011
12.02

「モールス」

モールス

1983年の冬。
雪に閉ざされた田舎町に住む12歳のオーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は学校でいじめにあっていたが、宗教に依存し精神的に不安定な母親には相談できずにいた。

ある夜、いつものように少年が部屋から望遠鏡で外を覗き見していると隣の部屋に少女と男性が引っ越してくる。雪の中なぜか裸足で歩く少女・・・。


少女とオーウェンは中庭で話すようになるのだが、アビー(クロエ・グレース・モレッツ)という名の少女は自分の誕生日も知らず・・12歳くらいだと答えるのだった。
ルービックキューブも知らない・・不思議な少女に惹かれていくオーウェン。
2人はモールス信号を使って壁越しに話すようになるのだが・・・その頃、町では残酷な猟奇殺人が起こり始めたのだった。


劇場公開、香川では無いのねと諦めかけていたのですが・・・ソレイユさんありがとう(パンフは売切れでした、残念)

北欧発のオリジナル作品があれほど評判を取りましたから、リメイク難しいですよね。
ほとんど同じストーリーなので、展開もわかっているし・・・その分驚きや切なさも少なくなってしまうのは仕方ないかな。

でも演じる二人のピュアの雰囲気はとても良かったし、少年の孤独感、いじめられる恐怖感、痛々しさ・・・。
強く感じました。


冒頭のシーンの緊迫感。
大きな音を立てながら猛スピードで走ってくる救急車。
運ばれている男性が自ら硫酸を被ったと聞いて・・・原作やオリジナル版を観ていたらあぁ、あの後のシーンだ・・と想像できるし、もし初めての鑑賞ならいったい何が起こったのか!!と気になる幕開けとなっています。


学校でいじめにあう少年オーウェン。
線が細くて色白、繊細な雰囲気が(『ザ・ロード』でも好演していた)コディ君、ぴったりでした。
でもちょっと驚いたのが部屋に望遠鏡があって毎夜、(集合住宅の)ほかの部屋を覗き見していること。

孤独さゆえの好奇心?色っぽい人妻の視線に慌てて隠れちゃったりするところは、少~し少年から大人への興味?みたいなものも感じたりして。
(でも後で思えば、この望遠鏡のシーン、住宅に住むほかの人々の紹介だったのかもしれませんね、被害者となる人々の)

そう少年の孤独・・といえば、こちらの作品、少年の家族、父親、母親の存在の薄さをとても感じました。
父親は姿を見せず少年と電話で話すシーンのみ、そして母親は姿はあるのだけれど・・・はっきりと見えない顔、その表情。
少年の孤独感をより強く感じました。


永遠に12歳の少女アビー。
クロエちゃんは、悲しみと決意を秘めた瞳がいいですねぇ。
でも、裸足じゃなかったら、普通にとっても可愛い少女デートのシーンなんて本当に可愛い。

だから、敢えてあの変身後の姿や怖い声をいれたのかしら。
ここは・・やっぱりハリウッドリメイクだなって思っちゃう。ただあまりにも動きがモンスターっぽくって・・・



『扉をたたく人』がとっても良かったリチャード・ジェンキンス。
アビーのために血を集めるその姿はとても残酷な行為をしているんだけれど・・・同時にとても切なさ、辛さが伝わってきました。
黒いごみ袋をかぶって車の中で待ち構えているその姿、あの踏切でのシーン。ああいうシーンの撮り方はとってもスリリングでしたね。


若き日の彼らしい少年と(今と変わらぬ12歳の)アビーが寄り添っている写真をオーウェンが見てしまうシーンがあるのですが・・これ、ショックですよねぇ。

男性もオーウェンと同じように少年の頃、アビーと出会い・・恋をして・・・。
二人がこれまで過ごしてきた長い年月とその想いを突きつけられるようで、このシーンのあと、しばらくオーウェンとアビーの恋に集中できずに・・男性とアビーの長き日々について頭を巡らせてしまった私でした


アビーの被害者となってしまった周囲の人々、ほとんど何も語らないままでした。
オリジナルの方では、彼らには彼らの人生があって・・・だからこそ、それを奪ってでも生き延びていかなくてはならない・・少女もまた生きていくのが難しく厳しいという思いを感じたのですが、

こちらのアビーにはそこまでの生きていく難しさを感じることが出来ませんでした。
やはりあのモンスターっぽい造形のせい?強そうでしたもん。


そしてなんだかやたら強調されていた80年代(音楽も)という時代・・これは何故?



ラストの汽車のシーン。
あの(見てしまった)写真のせいで二人の旅立ちにオリジナルよりも厳しさを感じてしまうのは私だけかしら。

邦題の『モールス』
う~ん、これは絶対原題の『Let Me In』の方が良かったと思います。
モールス信号のシーンはあまり印象的でなかったんですもん。
それよりも部屋に入っていい?
そこにいたいから・・・。

許しを乞うかのように・・・必死の思いを込めて見詰めるアビーの瞳の方が印象的でした。



北欧のしんしんと身を切るような空気感や、町の閉鎖された雰囲気に思わず身震い
エリというキャラクターが持つあのなんともいえない異世界感にも心が飛んでしまう。
どちらが好き?と聞かれたらやっぱりオリジナルなんだけど

オリジナルもリメイク作も(合わせて原作も)両方観れて満足♪っていうのが一番の感想デス。

トラックバックURL
http://teapleasebook.blog26.fc2.com/tb.php/463-0e7573cc
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top