2011
11.27

「引き裂かれた女」

引き裂かれた女 [DVD]引き裂かれた女 [DVD]
(2011/09/24)
リュディヴィーヌ・サニエ、ブノワ・マジメル 他

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フランスの巨匠、クロード・シャブロル監督
私が鑑賞しているのは『いとこ同士』『パリところどころ』(オムニバス映画)『石の微笑』の3作品のみですが、中でも『石の微笑』はあと引く映画でした

本作は監督の遺作となった作品
『石の微笑』で強烈~な印象を残したブノワ・マジメルが出演しているということで、楽しみにしていました。




高名な作家シャルル・サン・ドニは、献身的な妻を愛し大切にしていたが、浮気心も絶えない人物。
新作のプロモーションで訪れた書店で若い娘ガブリエルに目をつけたシャルル。
若く、フレッシュな魅力でテレビ局のお天気おねえさんとしても人気のあるガブリエルもまた、
シャルルの大人の魅力に夢中になってしまう。

すっかり身も心もシャルルに捧げるガブリエルだが、あまりに懸命な彼女の姿を重荷に感じたのか、シャルルは出張と偽って逃げるように去ってしまう。

傷心のガブリエルは、以前から彼女に夢中な大富豪の御曹司ポールの求婚を受け入れることに。
ところが、結婚式のドレスを試着する彼女の元に再び現れたシャルル・・・。



・・・・しかし、物騒なタイトルではありませんか


若きヒロインが女たらしの作家の手にかかり恋の苦しみを知り、アブナイ世界も体験し、果てには捨てられ
傷心のあまり、今度は別の(こちらも)危ない男と結婚を決意する。

ところが、再び現れた作家の姿に再び翻弄され・・・そしてついには!!


2人の男たちに愛され、心が引き裂かれるヒロインの物語なのですが、ラストには本当に(・・って言っていいのかなぁ?)引き裂かれてしまうシーンが用意されているという驚きの展開なのでしたハイ、正直ビックリしました。




無垢で怖いもの知らず?
リュディヴィーヌ・サニエの魅力が光る前半
可愛いお天気お姉さんにシャルルもポールも、いや、プロデューサーだってぞっこんでしたね。

う~ん、しかし、彼女がこれほどシャルルに夢中になってしまうとは。
インテリでウィットもあるし、大人の魅力だけれど・・・。

父親ほどの年齢差ですよねぇ・・、ガブリエルのお父さんって出てこなかったけれど、それとシャルルに惹かれたのとは何か関係があったのかしら・・なんて想像してみたり。


シャルルも彼女の可憐さ、可愛らしさに惹かれるけれども、そこはやはり大人のしたたかさ。
非の打ちどころのない妻と離婚するつもりなど全くなし。
妻を聖女と呼び、ガブリエルを天使と呼ぶ狡さ。
若い彼女への想いもその体も・・・したたかに自分の作家人生の充実に変えちゃってるような気がして。



それに比べたら、彼女に一目ぼれ御曹司ポール、こちらの方が可愛らしい気がするのだけれど・・・こちらもまた油断のならない危なさなんですよねぇ。

爪を咬んだり、まるでおねだりするかのように「ちょっとでいいから好きになって」なんてあのポーズ入り
実際あのポーズに少々くらりとしてしまった私ですが(可愛いーーー)いやいや、でも絶対彼を選んでも幸せにはなれないゾ



そんな危ない三角関係、でもこれが実際全くドロドロ描かれてはいないところが本作の不思議なところでもありました。

↑でアブナイ世界を体験し・・なんて書きましたが、シャルルに連れて行かれた訳ありげな社交場、あぁ・・・そういう世界が広がっているわけね・・と想像はさせながらもその様子は、映像では一切描かれていませんでした。

3人のラブシーンすら、めくるめく様子でもドキドキさせるものでもなく、どちらかというと不思議な滑稽さを感じてしまったのは私だけでしょうか。


どこかちょっと引いた目線で登場人物たちを見せているかのような気がして・・、だからでしょうか、捨てられたヒロインを描いても、ショッキングな事件が起こっても、ものすごーーく悲惨な感じや陰惨な雰囲気を感じませんでした。


シャルルの妻、やり手編集者、御曹司ポールの家族、脇の人々の不思議な雰囲気もそうさせる一因なのかも。
ポールのママ・・・ってある意味凄い


名前で呼ばれず「ゴダンスのせがれ」と呼ばれ続けてきたポール。
楽しみにしていたマジメル、今回もまたすごいハマりっぷり。

表情、しぐさ、時には甘え、時には暴力的に!!危ないお坊ちゃまそのもの~

ファッションも強烈でしたヨ!!
御曹司ならではの、この濃い衣装の数々(もっとすごいシャツも着てたと思うけど 笑)

引き裂かれた女4

引き裂かれた女3

引き裂かれた女2

引き裂かれた女


実際、彼の衣装に目を奪われてヒロインの衣装の記憶が・・あまりないというサニエちゃんごめんなさい。
あ、あのクジャクのシーンは強烈でしたっけ。



ガブリエルが告白したシャルルとの過去を忘れることが出来ず・・・ついには事件を起こしてしまうポール。
予想できたこととはいえ、結構ショッキングなシーンでした。
でもこの映画、このショッキングなシーンやその後の裁判のシーンで終わってしまわないんですね。

もっと不思議で一種おとぎ話?とも思えるラストシーンが待っている。
そうヒロインが引き裂かれるシーンが
いったいどんなシーンだったのか、ここは気を持たせてネタバレしないでおきましょう



苦しみ、もがいたけれども、涙はもうこれでおしまい。
新たに生まれ変わったかのような清々しい笑顔を浮かべたガブリエルの姿が最後に登場。


救われた思いがしながらも・・・う~ん、こんな再生?優しさの表現って?
普通では考えられないケド(痛優しい?)

シャブロル監督ですから!!
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引き裂かれた女 [DVD]2007年 フランス 監督:クロード・シャブロル 出演:リュディヴィーヌ・サニエ    ブノワ・マジメル    フランソワ・ベルレアン    マチルダ・メ ...
引き裂かれた女 dot 菫色映画dot 2011.12.01 21:15
コメント
なんか不思議な作品でしたよね。
濡れ場をほぼカットして、生々しいドロドロ感もなく。
ちょっと引いた目線、というのに納得です。
どこか突き放している感じですよね。
必要以上に登場人物に感情移入させないというか。

最後のあの引き裂かれっぷりは……
邦題通りでちょっと笑っちゃいました。
でもヒロインの再生を暗示させたあの笑顔はなんだか救われました。

マジメルの放蕩息子っぷり、ハマってましたねえ。
どこか悲哀を感じさせるドラ息子で時々キュンとさせられちゃいました~。
リュカdot 2011.12.01 21:15 | 編集
>リュカさん

そうでしたね、そうしようと思ったらもっとどろどろした愛憎関係にも出来るのに・・・不思議な雰囲気でしたよね。
うんうん、少し離れたところから見ているような感じでしたね。

はい、本当に邦題どおりでした!
ああいうシーンがあるところも不思議だわぁ。監督の作品、私はあまり観てないのですが、(最近)レンタルが開始された作品もありますよね。
これから観ていこうと思ってます。

マジメルったら~(笑)
あの衣装にあのしぐさ・・キュンとしちゃいますよね、リュカさんも?一緒だわ(笑)
絶対幸せにはなれないぞ・・って思うけど、ほっとけないタイプですよね。
dot 2011.12.02 20:39 | 編集
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