2011
10.07

「ブルーバレンタイン」

ブルーバレンタイン [Blu-ray]ブルーバレンタイン [Blu-ray]
(2011/09/28)
ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ 他

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結婚して7年を迎えるディーンとシンディ。
娘のフランキーの前では見せることはないけれども・・・互いの心は不満を抱える毎日・・。

出会ったころの二人は若く、そして毎日が輝いていた。
医者になる夢を持つシンディ、そんな彼女を愛し、お腹に宿った命を引き受けて家族になろう!とプロポーズしたディーン。

交錯して描かれる二人の過去と現在・・・。
人を想い、愛するという感情も月日とともに消えてしまうものなのか・・。


※結末に触れていますので、未見の方はご注意くださいね。


大丈夫?心は折れてない?今日観ても大丈夫?

・・・そんな自問を繰り返しながら、覚悟を決めて観た本作。


あぁ・・しかし。覚悟を決めていたとはいえ、これほどリアルで痛々しくてズシーンときちゃう作品だとは。



その日の朝、いなくなった愛犬を探す娘のシーンから映画は始まるのですがそこにはすでに・・
ソファーで眠る夫、かたやベッドで眠る妻。
朝食の席でも娘と一緒にふざける夫に向ける妻の視線や表情などなど・・。

ひとつひとつの細かなシーンの二人の言葉、表情、会話から漂ってくるんですねぇ、傾きかけた家族の姿が


事故に遇って道に倒れていた犬を見つけて悲しむシンディに、ディーンが最初にかけた言葉が
「だから、鍵をかけておけといっただろう」
あぁ・・そんなこと言っちゃ絶対ダメだって


元気を出してもらおうと、たまには・・とラブホテルを予約するディーンだけれど、シンディは「そんなこと望んでない」

もしこれがラブラブの時なら「キューピッドの入り江?なにそれ~」なんて笑ったりしたんだろう・・、
愛の時間も今やシンディにとっては苦痛でしかなくて。


途中で寄った酒屋で昔のBFに会った(これがただのBFでないことが後々、過去のシーンで分かるのだけれど)という話をするシーンでも、その間といい、互いの言葉がどうしてそんな風な方向に向かっちゃうのか。
これねぇ、こういう会話、経験してなくちゃ書けないんじゃないかなあ・・っていうくらい生々しいんですよねぇ。



「出会ったころはこんな日が来るとは思わずにいた~♪」
杏里の「オリヴィアを聞きながら」が頭を舞うわ・・・


あの日のときめき、互いの瞳の中に見つめた未来、愛情は・・いまどこに。
決してすべてが消滅してしまったわけではないのに、今はただ一人になりたい妻。
やり直したいと望みながらも・・・心のどこかではもうダメなのかもしれないと分かりかけてきている夫。


ラブホテルでディーンがかけたあの曲は、二人にとってとても大切な、愛情あふれる思い出の曲だったんですね。
そのことも後の過去のシーンから「そうだったんだーー」って明かされて、でももうその曲を聴いても、心ときめくことのない、妻の表情を思い出すとまた悲しくて。

上手い、上手すぎる~~でも辛すぎる。



確かに朝からビールを飲んで、タバコもすぱすぱ吸って・・いくらペンキ塗の仕事はしているからといってもっと向上心のある生活をしてほしいと思うシンディの気持ちもわかるし

ましてや最後の引き金になってしまった酔って勤務先に押しかけてくる、あれで限界を迎えてしまったのも分かるんだけれど。


でも、決してどちらか一方だけが悪いわけじゃない、いえ、イイとかワルイとかそういうことではない。
お互いが思う家族、夫婦というものが違ってきてしまった

ディーンはディーンで、なにより、妻と娘を愛している、家庭を大事にしたい・・これ以上何を望むことがある!とそう思っているんですもんね。



あのキラキラ輝いていた、愛の誓いをした日から、別れを決意した日までいったいどんな月日が流れたのか。
描かれはしなかったけれども、きっと少しづつ思いがずれてきて、それがしだいに埋めきれなくなってしまった。
そんなことまで想像させてしまう作品でした。


そんな夫婦を演じきったライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズには、ただもう、すごいわーーと脱帽です。

ライアン・ゴズリングは、どの作品でもとても繊細な演技をしますよね目の表情がいい。

でもでも(年を取った姿を出すための)あの髪の後退ぶり・・あんなに抜いちゃって大丈夫なのかしら。


ミシェルは、ひとつひとつの表情、言葉から我慢している日々の疲れが滲み出ていて、それがまたとても自然でした。
若い日のシンディ
ショーウインドウの前で赤いセーター、黒いブーツ、へたっぴいなタップダンスを踊る彼女があまりに可愛らしくて涙が出そう。



あぁ、それにしても切ないデス。

あの日、結婚の誓いをし、喜びの涙を浮かべながら抱擁をかわした二人、映画は次の瞬間、抱きしめるディーンの手を振りほどくシンディの姿を映しだす・・。

パパ!行かないで!と追いかける小さなフランキーの姿が辛い。
もうどうにもならないの?

打ち上げ花火とともに映し出される二人の笑顔、過ごした日々、今までの雰囲気と全く違うこのラストシーンに驚きながら
まだまだ・・どうにかならないのか・・と未練がましく思ってしまった私でした。



それにしても「わたしを離さないで」「ブルーバレンタイン」と素晴らしい作品だけれども、あまりにも心に痛い作品が続いてしまったので

次回はぱあ~っと明るく、元気の出る、そんな作品をチョイスしたいな♪

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Blue Valentine [DVD]2010年 アメリカ 監督:デレク・シアンフランス 出演:ライアン・ゴズリング    ミシェル・ウィリアムズ    フェイス・ワディッカ    マイク・ヴォーゲル ...
ブルーバレンタイン dot 菫色映画dot 2011.10.09 09:50
コメント
瞳さん、こんにちは。
あ~、『わたしを離さないで』と続けてご覧になったんですね。

どちらも凄く心に突き刺さってそれが抜けない、ずっと忘れられない映画ですね。でもたしかにブルーになるかも……。なまじよく出来た作品なだけに。
傑作でも、二度と見られないと思った映画が数々あります(最近だと『グラン・トリノ』)。
この二作品はそこまでいかなくても、再見するには時間がかかりそうです。

すっごくリアルな恋の始まりと結婚の終わりの映画でしたね。
会話のはしばしに「ああ、こういうことってある……」と頷いていました。
あの思い出の曲のくだりはせつなすぎます。
もうどうにもならないラストシーンの花火と幸せだったころの思い出画面が痛烈でした。
これは今年のマイベストに入ります。
リュカdot 2011.10.09 09:50 | 編集
>リュカさん

こんばんは。
そうなの、「わたしを離さないで」のあとに観たので、大丈夫かな・・と思いながらの鑑賞でしたけど・・やっぱり心が痛かったです。

抜けませんねぇ、どちらも。
鑑賞してから日が経っても、この映画のことを考えちゃったりしてます。

『グラン・トリノ』もリュカさんの心に突き刺さったのですね。
あの、イーストウッドの最後の姿(倒れるシーン)今も思い出します。

会話の数々・・間の取り方とか、二人の表情とか、リアルでしたねぇ。
この映画、未婚か既婚か、既婚でも何年くらいか・・、観る人によってかなり印象も変わる映画ですよね。
まさか、未婚でしかもカップルで見に行く勇気のある方はいませんよね・・(危険です!!)

ラストシーンの花火の演出には驚きました。うんうん、痛烈ですね。

あ、あとでお邪魔しますね~♪
この映画のあと、楽しいのを・・って言いながら意外な作品を観たんですよ。確かリュカさんご覧になってたと思うので・・感想読みに伺います。
dot 2011.10.11 19:55 | 編集
復活そうそうに、こちらの映画にコメントで申し訳ないのですが・・
観ました☆
つらかった・・・。瞳さん、立て続けに2本とは・・・
きついですよね。結婚している人にとってはわかるな…っていう部分多かったですよね。もちろん、別れるまでの亀裂はないにしろ、
若いころと同じ気持ちではいられないってところは誰でもあるからね~~~。我慢もみんないろいろしていると思うしね・・・・・笑
とにかく子供がパパになついている分、観ていてつらい部分が
多かったわ。ライアン・ゴズリングって髪、抜いちゃのね?
最初誰だかわからなかったよ。
リアルな夫婦像を演じてくれた2人にアッパレ・・な思いだけど、
それにしても、何とかならないかと思っちゃうのは
やっぱり、ライアンが可哀そうに思えたからかな。
みみこdot 2011.11.01 14:40 | 編集
> みみこさん

こんばんは。
コメントありがとうございます。

みみこさん、ご覧になったのね~。うんうん、辛いでしょう。
本当にリアルでね・・


> 若いころと同じ気持ちではいられないってところは誰でもあるからね~~~。我慢もみんないろいろしていると思うしね・・・・・笑

そうなの~!!結婚してもずーーと同じ気持ちではなかなかいられませんよね。
空気のようになっちゃう・とか、あるいは、嫌な部分ばっかり見えちゃうとか(苦笑)いろいろあるよねぇ。

あの子どもがね「パパ~」って言ってるのを見るとね、とっても辛くて。
私もどうにかならないのかしら・・ってずっと思っていました。
映画が終わってもその想いは変わらなかったなぁ。

ライアンがね「家族になろう」って言う台詞がありましたよね。そこに彼女も打たれたんだと思うんだけど
しだいに・・・二人の間の家族・・とか、夫婦とかの想いがずれて行ってしまったのかしらね。

今でもこの映画のこと思い出して、いろいろ考えてしまいますよ。
みみこさんの感想、また読みに伺いますね~。
dot 2011.11.02 22:19 | 編集
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