2011
09.08

「キラー・インサイド・ミー」

キラー・インサイド・ミー [Blu-ray]キラー・インサイド・ミー [Blu-ray]
(2011/09/02)
ケイシー・アフレック、ケイト・ハドソン 他

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1950年代の西テキサス。
町の誰もがみな顔見知り・・そんな田舎町セントラルシティの保安官助手ルー・フォード(ケイシー・アフレック)は、ハンサムで柔らかな物腰で評判の青年。

ある日、上司から町外れに住む娼婦ジョイス(ジェシカ・アルバ)に対する苦情処理を任されたルーは、彼女の家へ出向く。

穏やかに説得しようとするルーだが、思いがけずジョイスから何度も平手打ちをくらい・・・・その表情が一変する。

内に眠っていた暴力性に目覚めたルーは、自らも暴力で彼女を押さえつけベルトを手にジョイスを痛めつける。
だが、力で押さえつけられたジョイスは燃え上がり、二人は激しく愛し合う。

その日から彼女の元へ通うようになったルーだが、その心の中には、静かに殺人の決意が芽生えつつ・・あった。

1952年に出版されたアメリカの作家ジム・トンプスンの「おれの中の殺し屋」を映画化したものだそうです。

誰もが顔見知りの田舎町、愛想が良くて上司からも信頼されている若い保安官助手が、ひとりの娼婦との出会いから暴力性を目覚めさせていく・・・。

1人殺し、2人殺し・・・やがては幼なじみであり恋人でもある女性エミリー(ケイト・ハドソン)まで手にかけ、さらなる殺人を重ねてゆくという、ゾ~~~とするようなお話


確かにゾ~~としますよねぇ。
普通に悪党ヅラしたワルが、殺人を重ねていくよりも、家柄もいい、父親は町で唯一の医者だった・・立派な家も相続している、恋人は教師。
絵に描いたような好青年のはず、それが実は・・っていうのが一番怖いものです。

演じるケイシー・アフレックがまた上手いから。

好青年といえども、隙のない好青年じゃないのね、どこか匂うぞ~な好青年(苦笑)
爽やかな笑顔を浮かべているんだけれど、ちょっとねぇ・・・不気味なんだよねぇ。口元?

おっとりとした口調や喋り方も本当だったら安心感を感じるはずなのに、よけい神経が逆なでされるようで。



その殺し方がまた酷かった・・・

あぁ・・・それはもう惨すぎて書くことができないくらい。
先日の(「ダブリン上等!」)チンピラレイフの女の子の顔に顔面1発パンチがすごく可愛く思えてしまったくらい(それだって酷いと思ったのに)

「すまない、すぐに終わるから。僕だって辛いんだ・・愛してる」こんな台詞を吐きながら、ジョイスをめった打ち見ていられない~~。



恋人エミリーに対する暴力も・・寒気がしました。
駆け落ちのために彼女が用意した(だろう)特別な青いドレスが、殴られて動くことも出来ない彼女の顔を覆い隠す・・・。

愛されていると信じていた女性たちの驚きを思うとそして、それがやがて絶望に変わるのがあまりにも辛い。


なぜこんなことをするのか、その動機は?わけは?

映画はルーのナレーションをいれながら進んでいく・・にも関わらず、彼の声、言葉から、その動機や心の動き、変化など・・汲み取ることは全くできませんでした。


ジョイスらを手にかけた後、エミリーとそれはもう、普通の恋人たちのように仲良く一緒に過ごしたルー。
「久しぶりにゆったりとした時間だった」
そう振り返りながら、しかし、彼は次の瞬間こう心で言い放つのです。


「エミリーは死ななけければならない」と。



女性に対する愛情と、暴力、それが彼の中でまるで混然一体となっているかのように。
幼い時のあの出来事が、彼の中に相当な衝撃を与えたのかしら。

ただ想像するしかないのだけれど・・・それにしても理解するなど決して出来ないから。


そして、そんな彼を見守ってきた上司。
信頼している・・と言いながらも、老人は気づいていたのでは?彼の中にあるものを。

意味深な二人の会話も気になってしまいました。



それにしても、ルーのまわりで人々が死んでいき、周囲が自分を疑っている・・・それをも分かっていながらどうしてあんな風に余裕でいられるのか、あの自信はいったいどこからくるのか。

彼の殺人の動機と同じように、この点も最後まで理解不能でした。
臆病者の私は、彼の代わりにスクリーンの前でハラハラ、ドキドキしていましたヨ。



恋人と、自分を脅迫する男を殺した後で、口笛を吹きながらコーヒーを淹れるシーン

「死んだ者は傷つかない」・・と爽やかな笑顔で言い切る怖さ。

ケイシー・アフレックの演じっぷりがとにかくすごいけれど、恋人を演じたケイト・ハドソンも印象に残りました。


最初登場した時、あれっなんだかすごーーいオバサンっぽくなってる、太った?とがっかりしてしまったのですが、

長く付き合っていながらも煮え切らない、待たされている女性の立場、彼女も同じくらいの年なら30歳前なのかな・・焦りもあったと思う。
結婚しようという彼の言葉を嬉しく思いながらも、彼が何かを抱えていることも感じ取っている。

はっきりした顔立ちをより際立たせる濃いお化粧も、そういう女性の哀しさを滲み出しているようでした。



対するジェシカ・アルバ。相変わらず可愛い、ただ・・・この役はどうかなぁ。

売春婦役なのに、ブラとシーツで鉄壁の守り
見えるのは(結構色白)ケイシーの胸ばかり


10代の少年時にも少女にいけないことをしようとしていたルーの姿が回想されていましたので、決してジョイスの存在だけがルーの道を誤らせた・・とは思いませんが、それでも彼女との出会い、逢瀬が殺人までへの暴力性を高めてしまった。

そこまでの何か、ルーを覚醒?させたオーラのようなものは、彼女から感じることは出来なかったんですよねぇ。

う~ん、キュートなんですけどねぇ、全く普通の可愛い女の子にしか見えないヨ・・・、ここは、もっと思い切ってすっごいクセのある女優さんを使ってみてはどうだったのかな。



そうでした、これは書いておきたい。
50年代ののどかなカントリーミュージック。この音楽の使い方がなんともいえません。


上司と歌っていた「なんてことしてくれたんだ♪」


まさか、このすっとぼけた?のどかな歌が、ラストのあの惨劇のあとに流れるとは思いませんでした。


しかしまぁ・・・本当に「なんてことしてくれたんでしょう」

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コメント
わたしも最近レンタルで見ました。

>しかしまぁ・・・本当に「なんてことしてくれたんでしょう」

あっはっは。最後のこの一文に吹きだしてしまいました。
よく判ります~。あの歌詞はぴったりでしたね(笑)。

ジョイスへの暴力シーン、わたしも仰天しました。
あそこまで執拗に殴りますかね?!それをずっと撮り続けるウィンターボトム監督……さすがです。
でもわたしも瞳さんと同様、ジェシカ・アルバが可愛らしすぎてミスキャストに感じました。せめてトップレスオーケーの女優さんを持ってくればよかったのになあ。ケイト・ハドソンよりも清純な感じなのはアウトでしょう。

でもケイシー・アフレックの不気味な穏やかさと狂気にゾクゾクしちゃいました。彼は大成しつつありますね♪
リュカdot 2011.09.22 02:37 | 編集
> リュカさん

こんにちは。
おお、リュカさんもご覧になったんですね。

> あっはっは。最後のこの一文に吹きだしてしまいました。
> よく判ります~。あの歌詞はぴったりでしたね(笑)。
そうですよねぇ・・・本当になんてことするんだーー!と思いながら見てました。
主人公の心理が・・よくつかめないだけにね、よけいそう思ってしまいますよね。


> ジョイスへの暴力シーン、わたしも仰天しました。
> あそこまで執拗に殴りますかね?!それをずっと撮り続けるウィンターボトム監督……さすがです。
見ていられなくなりましたよ~(涙)早くやめて~って思いながら。

> でもわたしも瞳さんと同様、ジェシカ・アルバが可愛らしすぎてミスキャストに感じました。せめてトップレスオーケーの女優さんを持ってくればよかったのになあ。ケイト・ハドソンよりも清純な感じなのはアウトでしょう。
でしょう!!リュカさんもそう思いましたか。
宗教上の理由で脱がないと以前聞いたことがありますが、初めはこの役で無かったジェシカが希望して(娼婦役を)やることになった・・と聞いたので、それならばなおさら!思い切りも欲しいのでは?って思っちゃうのですが。

ケイシー・アフレックは凄かったですねぇ・・。次にどんな役をやるのか楽しみになりました。
dot 2011.09.23 16:41 | 編集
お邪魔します~~
今日は↑観ました。
わ~気分悪・・。女性を殴るってもうそれだけで嫌悪感。
あのもにゃもにゃ・・・とした話し方も行動が行動だけに
余計イライラさせられました。呑気に生活しているんじゃあ
ないよ!!ってね。
ジェシカ・アルバって↑脱がない方針なんですね。
なるほど~~。でも体で生活している役なんだしさ~~~あ。
<見えるのは(結構色白)ケイシーの胸ばかり>
ウフフ・・そうよね。女の私でもケイシーもう結構・・って
思ったわ。嫌な奴だから裸も観たくないしさ・・・・。
おばさん化したケイトも可哀そうだったよね。
お腹に最後にボッコとされてぴくぴくしている姿が悲惨で悲惨で・・・。
すぐ死ねないのって残酷。
人って見かけじゃあ、わからないことってあるんだな・・・って・・・。
男も女もだけど。まあ、この主人公は特別だよね・・・笑
みみこdot 2012.02.10 17:05 | 編集
> みみこさん、
こんにちは。子どもさん、大丈夫かしら。
早く良くなるといいですね。みみこさんも風邪ひかれませんように。

おお、これ見たのね、みみこさん。
凄かったでしょうーー。あのシーンね、え?まだ・・まだ終わらないのーーーって悲鳴をあげたくなるくらいの長さでずっと見てるなんてとてもできなかったわ。

そうそう、あの話しかたがね・・よけいにね。


> ジェシカ・アルバって↑脱がない方針なんですね。

そうなの、宗教上の理由とか・・。
でもそういう役を引き受けている以上、あんなにシーツを巻き付けなくても・・なんて思っちゃう(苦笑)
かえって不自然に見えちゃう。
「ダークエンジェル」の時から応援してるし、可愛いから好きなんだけど(笑)


> お腹に最後にボッコとされてぴくぴくしている姿が悲惨で悲惨で・・・。
> すぐ死ねないのって残酷。
あのシーンもヒドイよねぇ。あぁ・・・残酷すぎるわ。

>まあ、この主人公は特別だよね・・
そうだよねぇ、普通の感覚、感情では計り知れないものがあったよねぇ。
大人しそうな外見に隠された・・・、あぁ・・怖いわ。
dot 2012.02.12 15:45 | 編集
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