2011
05.11

「ブラックスワン」

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2月に「英国王のスピーチ」3月初めに「ツーリスト」
とうとう4月は劇場に行くことなく、今年に入ってようやく、3本目の劇場鑑賞が「ブラックスワン」

少ないわぁ~~。
でも、これは絶対劇場で観たいと思っていた1本。

はい、スクリーンで観れて満足です
噂通り、ナタリー・ポートマンのギリギリの淵をさまようかのような・・迫真の演技に、こちらも魅入ってしまいました。



ニューヨーク・シティ・バレエ団の新シーズンのオープニングを飾る演目が決定した。
芸術監督ルロウが新しい振り付けで挑む「白鳥の湖」・・・、ルロウは、これまでバレエ団のスターとして長年輝いてきた名プリマ、ベスを引退させ、若く才能あふれる新しいプリマを選び出そうとしていた。

プリマ候補の一人であるニナ・セイヤーズ。
真面目で人一番努力家。
「白鳥の役なら間違いなく君を選ぶ」とルロウに言われたニナだったが・・・、「白鳥の湖」では同時に奔放で邪悪な黒鳥をもプリマは演じ分けなければならない。

主役を諦めかけたニナだったが、発表された主役の名は、意外にもニナであった・・。
喜びに高揚するニナ、だが、あまりにも大きなプレッシャー、ルロウの望むブラックスワンを演じることが出来ない焦り、黒鳥さながらの魅力を振りまくライバルリリーの存在。

そして、これまでニナをサポートしてきた母親の存在までもが、ニナの精神を追い詰めてゆく・・・。




あぁ・・・ギリギリ~~~胃が・・痛い~~
主役に抜擢されたニナの感じる焦燥感、孤独感見ているこちらまで打ちのめされてしまいそうでした・・・。

気品があって優等生で、ナタリー自身のキャラクターを思わせるかのようなニナ役。
監督はミッキー・ロークの「レスラー」でもそうでしたが、俳優自身の持つものを役に投影して(だけど重ねるだけじゃない)そこからとんでもなく輝くものを引き出して魅せるのが・・・上手いですよねぇ。

少女時代にダンスを習っていた経験があるとはいえ、これだけのパフォーマンスを見せるのって、やっぱり並大抵ではできないこと。
もちろん、ダブルさんの協力もあってだと思うけれど、踊りのシーンをここまで見せてくれるなんて


完璧さを求めた芸術家の悲劇を描く本作は、バレエの世界を舞台にしているけれど、決して純粋なバレエ映画ではないと思う。
もっと人間味があって、もっと生々しい。

追い詰められた心の痛みや、知らぬうちに増えてゆく体の傷の怖さ、痛さ。
背中の傷や、爪、あの足の恐怖
かなりホラーっぽいシーンもありましたね。

血と、そして官能すら・・。

実際、こんなに性的なシーンがあるとは思ってもみませんでしたヨ。

母親の干渉の下でぬいぐるみとオルゴールに囲まれて育ってきたニナにとって、黒鳥という存在は、大人への一歩と言う意味合いもあったのだろうと思うんだけれど・・・

自己を解放することや、感じない・・っていうこと=性的なもの・・っていう風に見えてしまったのが少し残念なようにも思えてしまって。



でも、とってもスマートで芸術家っぽくなってたヴァンサンとのシーンや、それ以上にミラ・クニスとの大胆なシーンには、確かにドキドキしちゃったんですけどね~
ここまでやっちゃうんだ!って。




踊る前にトウシューズに傷をつけたりする一種儀式的なシーン、
電車の窓や、控室、トイレ・・さまざまな場所の鏡、鏡・・・鏡を使った魔法的なシーン。
どこまでが現実で、どれが妄想なのか・・わからなくなってしまうような、心理的怖さ。


そう、こんなにもいろいろな魅力を詰め込んだ作品だから、ただ純粋にバレエ映画とは呼べないと思う本作。
だからといって、バレエの部分をおろそかにしたら、とんでもなく中途半端なものになってしまったと思うけれど・・・見事でしたね、だからこそ、ここまで入り込んで観ちゃうんでしょう。


クライマックスの初日の舞台。
息を飲みました、瞬きも忘れてしまうくらい。緊張感に胸が痛くなるくらい。


挑戦的、圧倒的な魅力を誇るかのような黒鳥にもゾクゾクしましたが、
最後の踊りで白鳥(ニナ)が見せたあの、すべてを悟ったかのような表情の素晴らしさ!!


客席から舞台の上の娘を見つめる母の想いはどうだったのでしょう。
成長し、才能を開花させてゆく娘を自慢に思いながらも、どこか心の中で嫉妬も感じていた。
妊娠でキャリアを無くしてしまった人生に満足だと言いながらも、悔しい想いも捨てきれていなかった母親の日々。
自分を超えて欲しいという思いを持ちながらも、心のどこか、隅っこでは、自分と同じくらいの群舞で終わっても構わないんだ・・と。そんな思いもあったのではないかしら。


プリマに選ばれる前からすでに、駅とかで自分にそっくりな女性の姿を見ていたニナが描かれていたので、彼女の内面には徐々に、徐々に、抑制されたものから解放されたい!という思いがあったんじゃないかしら・・って思いました。
それが「白鳥の湖」のプリマ役と重なり・・追い詰められ、苦しむようになってゆく。


そういう意味でも、この複雑な母と娘の関係をもっと深く見せて欲しかった・・・、これがただひとつ物足りないところかなぁ。


それにしても、やはりナタリー・ポートマン素晴らしかった~

あまりにも痛々しくて、凡人にはねぇ・・・辛すぎるヨ・・哀しいヨ・・、繰り返してはとても見れないなあと思う作品ですが、ナタリーはじめ、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、そしてウィノナ・ライダー(あぁ・・なんていう役!)
それぞれに強烈でした。


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ナタリーポートマン、美しい! かなり面白かったけれど、痛いシーンも結構あります。
「ブラック・スワン」5つ★です dot ポコアポコヤ 映画倉庫dot 2011.05.13 09:56
コメント
瞳さん、こんにちは^^
かなりTVの宣伝で、重要なシーンが見えちゃってる・・って感じがしませんでしたか?(^^ゞ
私が見た時は、殆どあまりよくそういった映像とかを知らない状態で見たので、かなり面白く見れたのかもしれません。

>自己を解放することや、感じない・・っていうこと=性的なもの・・っていう風に見えてしまったのが少し残念なように
 そうそう。私も同じ事思いました。
性的な事って、人にもよるけど、男性が思うより女性は、そんなにまでは重要じゃない気もするんだよな・・・(あくまでも人それぞれだけど・・)
あと、母と娘の部分も、もっと見たかったですよね。
latifadot 2011.05.13 10:02 | 編集
こんにちは。
私も劇場これ、3本目よ♪
面白かったよね・・・この映画。
ただ、胃が痛く・・なるよね、これ。
どんどん追いつめられていくナタリーを思うと
つらくてね。解放させてあげたくなったわ。
<複雑な母と娘の関係をもっと深く見せて
欲しかった・>そうよね。
もっといろいろエピソードがありそうな感じ。
確かに性的な部分が強調されすぎ・・ってところは
あったよね。ナタリー・・ヴァンサン監督のこと何でも素直に
聞いちゃってね。悪い人だったらどうするのよ・・・って
心配しちゃったよ。
でもいくら指導監督っていっても、
セクハラまがいで・・・・笑。オイオイ…←それ
許せることかい?って突っ込みたかったですよ。
みみこdot 2011.05.13 15:28 | 編集
> latifaさん
こんばんは~。

そっか、TVでは結構重要なシーンの予告が出てるのね。
主人がいるとき以外は、我が家ってほとんどTVがついていないので、見たことなかったの。
そういうのって、観ない方が良かったりしますよね。

>自己を解放することや、感じない・・っていうこと=性的なもの・・っていう風に見えてしまったのが少し残念なように
>  そうそう。私も同じ事思いました。
あ、良かった~。
私だけかな、そう感じたのって思っちゃって。
確かに母親にオルゴールを聞かされながら眠ったりするシーンなんかを見ていたら・・どれだけ幼い子どものように扱われているのか・・って思って、そういう部分からの解放!っていうことなのかな・・って思ったけど・・・、ちょっと多すぎないかしら?セクシャルなシーンって思っちゃいました。
黒鳥って、それだけじゃないよね?例えば、自分の魅力に対する圧倒的な自信とか・・そういう部分の方が大きいような気がして。

> 性的な事って、人にもよるけど、男性が思うより女性は、そんなにまでは重要じゃない気もするんだよな・・・(あくまでも人それぞれだけど・・)
うんうん!!そうだよねぇ~!!(すごく頷く私 i-236
dot 2011.05.13 20:18 | 編集
> みみこさん
こんばんは~。

おお、みみこさんも今年3本目!うわ、おんなじペースだ~♪

そうそう、ナタリーの息遣いっていうか、踊っているときもすごーーくかなしそうな顔が多くって。
どうなっちゃうんだろうって思いましたね。

私バレエは、漫画の世界でしか知らないけれど(笑)
(漫画の主人公たちも)プレッシャーからいろんな事故を起こしたり、悲劇が起こったりするけれど・・・こんなに追い込まれたヒロインってなかなかいませんよね。

<複雑な母と娘の関係をもっと深く見せて
> 欲しかった
ケーキを買ってくるシーンとかありましたよね。あそこもちょっとね・・・食べられない娘にあんなに大きなケーキって思っちゃって。しかも捨てようとするし。
お母さんも情緒不安定な部分があって、それがニナにも影響してるんですよね、きっと。
母親がもっとどーんとしていたら、ニナも救われたような気がして。

ナタリー・・ヴァンサン監督のこと何でも素直に
> 聞いちゃってね。悪い人だったらどうするのよ・・・って
> 心配しちゃったよ。
そうそう、そうだよねぇ~(笑)

芸術のためとはいえ、そして監督に惹かれているとはいえね・・・。

でも、観ていて確かにドキドキした~(笑)ミラ・クニスちゃんとのシーンもね・・、あぁ・・ナタリーここまでやっちゃうんだ!!って。そういう思い、ありましたよね。
もしや、これも監督の狙い?かしら。
dot 2011.05.13 20:27 | 編集
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