2011
03.30

「わたしの可愛い人 シェリ」

わたしの可愛い人 シェリ



わたしの可愛い人-シェリ [DVD]わたしの可愛い人-シェリ [DVD]
(2011/03/25)
ミシェル・ファイファー、ルパート・フレンド 他

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舞台はベルエポックのパリ、1906年。
ココット(高級娼婦)たちが、パリの社会の中で最も輝くセレブだった時代。
そんな元ココット、レアに同業のマダム・プルーが一人息子シェリとの仲を取り持ってきた。シェリは19歳で既に女遊びにも飽きているほどの“問題児”だが、 子供の頃からレアを慕っていた。
すぐに別れるつもりだったが、“不覚にも”6年も暮らしてしまう。
やがて、シェリの挙式を突然告げられた時、 レアは一生に一度の愛だったことにはじめて気づくのだったが・・・ (公式サイトより)


予告編を観て、これは気になる~♪とチェックしていた作品。


原作はフランスの女流作家、コレットの「シェリ」。

シェリ (岩波文庫)シェリ (岩波文庫)
(1994/03/16)
コレット

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コレットと言えば、中学生の時ドキドキしながら読んだ「青い麦」を今でも思い出します。
この映画のもとになった「シェリ」「シェリの最後」は未読なのですが、コレット自身(映画のヒロイン以上にドラマチックな人生を送った人!)の自伝的要素もあるということ、
かのアンドレ・ジッドが「一か所として軟弱なところ,冗漫な文章,陳腐な表現もない」と賛嘆したコレットの最高傑作と聞けば・・・それはもう読む気も満々です。



さて、映画にお話を戻すと。


見どころはやはり、ベルエポック時代、美貌と教養をもち、文化人や有名人、王族までをお客に持つ、いわゆるセレブ的な立場にあったココットという存在でしょうか。

レアも友人のマダム・プルーも、今はすでに引退したココットですが、築き上げた富を上手く運用するという事業手腕まで持ち、アールヌーボー調の屋敷に悠々と住んでいるということですから、


舞台となるお屋敷や調度品(マダム・プルーのお屋敷の方は・・ちょっと飾りすぎでしたが
それはもう豪華なこと。

シェリ3


シェリ2

薔薇のお庭の美しさ~



40も後半、引退したココットといえども、今でも衰えない美貌を誇るレアを演じるのが、ミシェル・ファイファー。


シェリ5

シェリ4


相変わらず綺麗です
ドレスの着こなしも素敵~♪



シェリ6

シェリ8

レアにシェリ(愛しい人という意味ですって)と呼ばれる19歳の青年フレッドを演じるのは、ルパート・フレンド。
ハンサムそしてやっぱり、オーランドにちょっと似てる



親子ほど年が離れた二人が・・・恋に落ちる。
映画のタイトルやストーリー、そして予告を観て予想していたのは、もっともっと甘くて切ないラブストーリーでした。

でも・・・なんていうのでしょう。
映画の2人からは、もっと別のものを強く感じたように思います。


年上であること、恋のスキャンダルを免れてきたという自信、ココットとしてのプライド、そうしたレアの誇り高さや
その反面、息子ともいえる若者に恋してしまった驚き、戸惑い。


19歳にして早くも遊び疲れ、退廃的なムードを漂わせる青年シェリのとらえどころの無さ。そう、はっきり言えば、何をどう考えているのかわからない~っていう。


ラブストーリーとしての甘さよりも、2人の持つ、そういう雰囲気の方を強く感じたかなぁ。

それは・・・もしかしたら、彼らが互いの気持ちに気づいたときには、すでに「恋の終わり」が待っていたからなのかもしれませんけど。



映画の後半、とても印象的なシーンがありました。

パリへと戻ってきたレアの姿を満面の笑みを浮かべて確認するシェリ。
馬車にたくさんのプレゼントを積み込んだシェリの向かう先は、てっきりレアの元だとばかり思ったのですが。


あぁ・・・私ってば、まだまだ未熟者でした


彼が向かったのは若妻の待つ家、そうして、激しく彼女を抱き寄せるシェリ。
レアが旅に出ている間、不安で不安でたまらない、自分は忘れられたのではないか、レアには新しい想い人がができたのではないか・・・、
でも彼女が帰ってきたのを確信して・・・シェリの心にはしばらくぶりの余裕が戻ってくる。
自分を慕う若い妻の瑞々しいからだを思い出せるくらい!


この後、再会したレアとシェリを待っていた気持ちのズレ・・・その見事な伏線とも取れるシーンではないかしら。



心の中で思い続けていたレアの中に、自分の嫌う母親と同じ姿を感じてしまったシェリと、そう感じさせてしまったことに気づいても、彼への想いを止めることができなかったレア。


それまであんなに美しく輝いていたレアの表情が、一気に老け込んで哀しく見えて・・・・なんとも辛いショットでした。


でも、最後までレアはレアらしく、シェリはシェリらしい。
自ら線を引いたレアと、自分からは決して何かを起こしたりはしない・・・シェリ。





ちょっと寓話風な語りが印象的なナレーションから始まったこの映画、最後もまたナレーションで締められるのですが


ただ・・・最後に語られた結末は、あまりにも唐突でしたね。
原作「シェリの最後」をすくいとった結末だと思うのですがそれからの2人を想像させて幕を引く・・・そうあって欲しいような気がします。


原作を読みたい気持ちは高まりましたけどね、よけい


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