2011
03.19

「終着駅 トルストイ最後の旅」

終着駅 トルストイ最後の旅 [DVD]終着駅 トルストイ最後の旅 [DVD]
(2011/02/23)
ヘレン・ミレン、クリストファー・プラマー 他

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「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」など多くの作品で著名なロシアの文豪・トルストイ。

晩年、人道主義、戦争反対・非暴力や自然主義を唱えたトルストイは、自らの著作権も放棄し、農民たちの生活を助けようとする。

そんなトルストイを神格化し、崇める主義者たちと対立するのが、自分や子どもたちの生活、財産を守ろうとする妻ソフィア。
妻を愛しながらも理想との間で苦悩するトルストイは、ついに家を捨て、年老いた身で旅に出ることを決意するのだった・・・。


「戦争と平和」長い小説ですよねぇ
映画の中で、(トルストイの新しい秘書となった)ワレンチンがこの小説を何度も読んだ・・と言ったあとで

「実は2回・・・です」って言いなおすシーンがありましたっけ。


他にも「アンナ・カレーニナ」や「イワンのばか」
トルストイの作品を読んではいるのだけれど、著者自身についてはそれほどの知識もなかったので、
晩年のこうした理想主義や彼を信奉する人々が集まってコミューンが作られていた・・ということも全く知りませんでした。


そして奥さんソフィアについては、世界3大悪妻!なんていうありがたくない異名をいただいていることくらい。
いったい、どんなに酷い奥さんだったのかしら・・・なんて思っていたら。


冒頭ベッドで眠るトルストイに寄り添い「愛しいひと・・・」と呼びかける彼女の姿に思わず「ええっ!!こんなに可愛らしい女性のどこが悪妻?」って驚いてしまいました。


50年近く寄り添って、子どもも13人もうけ、しかも今も互いに相手のことを愛しく思っている。
寄り添う姿も愛らしくて、なんだか微笑ましくなってしまうほど。


文豪の妻ではもちろんありませんが同じ「妻」という立場からすると、断然ソフィア寄りで観てしまいます。

トルストイ主義者の中心人物チェルトコフが、ポール・ジアマッティ・・・なんですもん。
よけい、怪しく思えてしまいました(苦笑)ソフィアの言った言葉の端々をノートに記録する・・なんていうやるかたもね!気に入りません


もちろん、ソフィアがすぐに感情的になってしまったり、言動を抑えることが出来ない・・ということもトルストイを苦しめる原因になってしまったのでしょう。
飢えてしまうことなど決してない生活にも関わらず、文豪の著作権に固執するあたりも悪妻と言われる所以なのかもしれません。

でも、若き日の奔放な夫を知っていて、あの「戦争と平和」もともに書き記したそんな彼女からしたら・・・今の神格化された夫の姿は我慢できない・・という思い、よく分かるような気がするのです。


この作品、こうしたトルストイ夫婦の葛藤を若きトルストイ主義者ワレンチンの目線を通して描いていくのですが

同時に、ワレンチン自身がそこで初めて愛を知り、情熱を持ち、悩む・・・そうした姿が描かれることで、愛というものの不確かさや難しさ、逆に強さも。
より深く、強く感じることができたような気がします。


役者さんたちも素晴らしい。
クリストファー・プラマーのトルストイ。ゆったりとした仙人のような服もお似合い(笑)
信奉者と妻との板挟み・・・ほんのちょっとしたしぐさや表情で、でもちゃんと文豪の心情が伝わってくる。

ソフィア役のヘレン・ミレンにも感服。
あまりにもまっすぐで自分を抑えることが出来なくて・・・遺言書を書き換えているのではないのか・・と疑って窓の外から乗り込もうとしたりして!
でもトルストイを愛する気持ちがなんともチャーミングで愛らしくて。


夫の心を取り戻そうと、ベッドで一生懸命鳥の鳴きまねをしてみせて。
そんな夫人の可愛らしさに、トルストイも同じように鳴きまねで返して笑いあう。

そう、丁度このジャケットの写真のシーンです。
こんな二人の間に何が入ってこれるというのか・・・そう感じさせる素晴らしいシーンなのです。


ワレンチン役を演じるのは、ジェームズ・マカヴォイ。
この作品に出てること、全く知らなかったのですが・・・時代物、やはり似合います。そしていい表情を見せてくれました。

トルストイに声をかけられて感激するシーンの純粋さ、コミューンで若きマーシャに誘いをかけられて戸惑う様子、
初めての恋に情熱的になる姿も・・・。


でもトルストイ夫婦、どちらの立場も、気持ちも分かる・・といった役柄だけに、「ええい!どっちの味方?」と歯がゆくなる部分もありましたっけ(苦笑)






舞台や衣装も、満足、満足の作品♪
おまけに、もっと満足なのは、紅茶のシーンがたくさんあったこと


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ワレンチンが初めてコミューンで朝を迎えると、枕元に若き女性マーシャがお茶を持ってくるシーン。
(紅茶のお供の)ジャムを舐めながらじっと見つめられてドギマギしちゃうんですね。




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こちらは戸外の優雅なティータイム。
でもいつものように言い争いが始まって・・・ちょっと険悪なムードに。

かの有名なサモワールもちゃ~~んと見えますよね。



DSC09138.jpg


紅茶のカップには、こんな風に必ずスプーンがお供(笑)
「ジャムを入れる?」「いただきます」


お茶の中に混ぜて飲んだり、ジャムをスプーンで先に舐めてお茶を飲んだり。




紅茶とジャムがたまらなく~~欲しくなる1本でもありました

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コメント
お邪魔します~~♪
私、これ観たかったの。もうDVD出ているのね。
もちろん、ジェームズ・マカヴォイ目当てで・・★
確かこの映画では奥さんも出ているのよね
トルストイの娘だったかな。
↑の紅茶のシーンも素敵。まさに瞳さん好みですよね。
早く観たいけれどなかなかお店にはいけなくって。
今日はお家で子供と共に「ナルニア1」を観たの。
出演しているジェームズ・マカヴォイって素敵なんだよって説明したんだけれど、あの役では・・・泣。素敵さをわかってもらえなかったです。
ではでは。
また落ち着いたら映画話いっぱいもってきますね。
みみこdot 2011.03.24 15:26 | 編集
> みみこさん、こんにちは。

いろいろと大変な中、覗いてくださってありがとう♪

> もちろん、ジェームズ・マカヴォイ目当てで・・★
ふふっ、みみこさんご存じだったのね(笑)私出てるの知らなかったから、ビックリしちゃった。

そうそう、奥さんも出てるんですよね、この戸外のお茶のシーンに映っている方だわ、きっと。

紅茶のシーンがたくさんあって嬉しかった~(笑)とにかくみんなジャムを舐めたり、入れたりするのね、だから観終わったら、絶対ロシアンティーが飲みたくなります。


> 今日はお家で子供と共に「ナルニア1」を観たの。
> 出演しているジェームズ・マカヴォイって素敵なんだよって説明したんだけれど、あの役では・・・泣。素敵さをわかってもらえなかったです。
あぁ~~、そっかぁ。
あの姿ではわかってもらえなかったのね・・。懐かしいな「ナルニア1」。
このシリーズ、ずっと劇場で観ていたから「3」も見に行きたいと思ってたんだけど、行けずにいます。

> また落ち着いたら映画話いっぱいもってきますね。
はい、またゆっくりとお話できるのを楽しみにしていますね。
落ち着いた生活ができるのを、こちらも祈ってます。
dot 2011.03.24 18:10 | 編集
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