2011
02.24

「ボローニャの夕暮れ」

ボローニャの夕暮れ [DVD]ボローニャの夕暮れ [DVD]
(2011/01/28)
シルヴィオ・オルランド、フランチェスカ・ネリ 他

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第二次大戦前のイタリア、ボローニャ。
高校で美術教師をするミケーレは美しい妻デリアと、内向的で情緒不安定な娘ジョヴァンナとともに暮らしていた。

娘を溺愛するミケーレは、学校で人気者の男子学生に彼の進級は自分にかかっていることを告げた上で・・・娘に優しくしてやって欲しいと頼んでしまう。

しかし、娘可愛さのあまりの・・・その行為は、思いもかけなかった事件を引き起こしてしまう。

地味映画推進委員会のメンバーさんからご紹介いただきました。

タイトルにぴったりのセピアがかった画像が、なんともいえない雰囲気を醸し出す作品。
でも・・・内容は思ってもみなかった!ほど衝撃的で重いものでした。




※ ネタバレしていますので未見の方はご注意くださいね。




娘を愛するあまり、つい自分の立場を利用したおせっかいな行為をしてしまったミケーレ。

新しいドレスを着てパーティーへと向かうジョヴァンナの様子は、高ぶった様子がちょっぴり不安に思えたものの、嬉しそうな姿が微笑ましくて。
単に世話を焼きすぎる父親っていうことだよねっていうくらいにしか思ってなかったのですが。


夫の行為を冷たく非難するデリアの姿に不安が少し膨らんでゆき、
やがて、ヒステリーを起こしパーティで倒れてしまうジョヴァンナの様子を見ていくうちに・・なんだか・・・これはもしや?と。

平穏に見えた家族の中に潜んでいた影は、どんどんと大きくなって一家を飲み込んでしまうのでした。


やがて起こった殺人事件。


そこに至ってもいまだその残酷な事件の犯人がジョヴァンナだとは思えなかった私には、自白後の彼女の姿があまりにもショックで・・・。

その後の娘に対する、父と母のかけはなれた対応にも正直、どちらにも共感することが出来きませんでした。
私自身が気持ちの整理がつかないほど驚いてしまった(ジョヴァンナ役のアルバ・ロルヴァケル、迫真の演技がすごい!)からでしょうか。


精神障害が認められ罪は問われなかったものの、精神病院に入院させられたジョヴァンナ。
そんな彼女にどこまでも愛情を注ぎ、足しげく面会に向かうミケーレ。

冷たい目で見られても自分の娘であることを隠そうとしないその姿には打たれるものの・・・
ますます悪くなっているとしか見えないジョヴァンナの様子にミケーレはいったいどんな風に思っているのかしら?
時にはものすごく落ち込んでいたり、悩んでいる姿が映し出されていたら・・もっとミケーレの心に近づけたと思うのだけれど



一方、デリアは一度は面会に向かったものの、会うことが出来ずに帰ってきてしまいます。

どんな言葉をかけたらいいのかわからない・・その戸惑いはよく分かります。
だけど、かける言葉がなくても・・黙っているだけでも母をひたすら待っている娘に向かい合って欲しいなあとたまらない気持ちになってしまいます。


母親の黒い手袋を嵌めて嬉しそうにするジョヴァンナの姿を見ると・・よけい。


登場した時から、ミケーレの奥さんにしては不釣り合いな美人!と思ってしまったデリア。
眼差しから、彼女が想いを寄せるのはミケーレの友人の警察官セルジュなのだと(そしてセルジュもまた同じ想いだと)感づいてしまいますよね。

でも二人の気持ちをミケーレも気づいていたとは・・・意外でした。
娘に対する盲目的な愛情から・・てっきりそういうことには疎いのだとばかり思っていたミケーレ。
やはり・・・読めない人物でした。


美しい母への憧れとその母がほかの人に想いを寄せているという不信感、コンプレックス、さまざまに揺れ動く気持ちがジョヴァンナを不安定にしてしまったのでしょうか。

そこに輪をかけてしまったミケーレの行為。


盲目的だったり、娘に距離を置いてしまったり・・・愚かだ・・と言えばそうかもしれませんが、
ミケーレもデリアも決して悪い父、悪い母ではありません。

それだけに、少しづつズレてしまった心の歯車から起こってしまった家族の崩壊の哀しさ。
被害者の家族の悲しみも痛いほど分かるだけに・・・なんとも言えません。




しかし・・・読めない人物ミケーレと言いましたが、ラストシーンも私には読めなかった


終戦後7年ぶりに偶然立ち寄った映画館で、ミケーレとジョヴァンナ親子は、デリアと再会します。

ジョヴァンナのかけた言葉に・・再び一緒に暮らし始めるであろうことを予感させるラストシーン。
正直、良かった・・・とか、ほっとしたというよりも、驚きの方が大きかったような気がします。


観ているうちも、観終わっても・・まだまだ気持ちの整理などできそうにない、感想もうまくまとめられそうにない作品でした。
そのぶん、とっても心に残っちゃいますねぇ・・・これは。



色合いといい、雰囲気と言い、イタリア映画にしては珍しいムードの作品でしたが、
やはり食事のシーンはパスタ!!登場多し

ボローニャといえば・・・ボロネーゼでしょうか。


「パスタとオムレツどっちがいい?」と聞かれてセルジュが「早くできる方を」を答えるシーンがありました。

出されたのはオムレツ。
事件が起こったあとで、緊迫した雰囲気だったはずなのに・・・食いしん坊だからこういうシーンにしっかり目が行ってしまいました



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コメント
瞳さん、おはようございますケイタイからです(^^ゞ
なんだかどんよりしちゃうのオススメしちゃってすみません(^^;
確かに両親はそれぞれに一種独特な感覚‥なかなか簡単には理解出来ない部分ありましたね。
イタリア映画でも異色な感じで‥

ところで、オススメ地味映画のメール受け取りました!
ありがとうございました。
またUPしましたらお知らせに参りますね
tsurubaradot 2011.02.26 08:58 | 編集
>tsurubaraさん
こんばんは~、携帯から書き込みしてくださったのね!
ありがとう♪

いえいえ、どんよりはしなかったの、大丈夫!!(笑)
tsurubaraさんが賛否両論あるだろうから・・って書いていらしたの、分かるような気がしましたよ、いろいろ考えちゃいますよね。

でも、こういう作品ってじわじわ~~~っとあと引きますよね。
観終わっても、まだいろいろ思い出してます(笑)
観てよかったです♪
dot 2011.02.26 21:19 | 編集
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