2011
02.10

「ぼくのエリ 200歳の少女」

ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]
(2011/02/04)
カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション 他

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昨年の映画鑑賞で一番の心残り
それはこの映画を劇場で観れなかったこと

やっとDVDで鑑賞することが出来ましたが、
冒頭、そしてラストと・・・空から音もなく舞い落ちてくる白い雪を見上げながら、あぁ、やっぱり劇場で観たかったなぁ・・と改めてしみじみと思った作品でした。


学校でいじめにあう12歳の少年オスカー。
ひとりで抱え込み誰にも打ち明けようとしない彼は、夜、アパートの前の中庭で木にナイフを打ち立て・・うっぷんを晴らすのが精いっぱいだった・・・。


そんな彼に声をかけたのは、隣に引っ越してきたエリ。
中庭の小さなジャングルジムの上に腰かけた・・・エキソジックな黒髪に不思議な雰囲気を持つエリに、オスカーは恋をする。


そんな時、街では男が血を抜かれて殺される・・という残忍な事件が起こる。

やがて、オスカーは、エリの秘密を知ることになるのだが・・・・。







少年と吸血鬼の『少女』との恋物語。
相変わらず世間様の情報に疎い私は、この映画をしっかり・・純愛ものという風に捉えていたんですね。

もちろん、二人の間の気持ちはとってもピュアで、切なくなるほどの想いを感じてその点では間違いではなかったのですが、ただ単にそれだけのお話では・・・無かった~。


ホラー的な部分もたっぷり、壮絶なシーンに驚いたり。
でも正直一番ビックリしたのは、ヴァンパイヤの映画でこんなにも「生きること」「生き延びること」のむずかしさ、生々しさを感じるとは・・・思いませんでした。


吸血鬼=耽美・・なんて思い込んでいたり(こどもの姿をした・・って聞いて、頭の中には「ポーの一族が浮かんでいたり)
超人的なんて感じていたけれど
考えてみれば普通の人間よりも、ずっと「生きにくい」

エリと同居する男がエリのために生き血を調達に行くのですが、なかなかうまくいかない。
残酷なシーンのはずなのに・・・男の狼狽えぶりに思わず同情してしまいそうになってしまったり。

「ほかの者の命を奪ってでも生きたい」と望むエリの、口のまわりに溢れる、あまりにも生々しく赤い血。

衝撃でした。
口のまわりにほんのちょっぴり・・残酷だけどあくまで美しく・・なんて言うものではないのですから。

ただ、やはり襲われて殺されてしまった人々も気の毒でだからこそ、よけい生々しくて苦しくて。




吸血鬼の常(?)として
「部屋に入ってもいい」と言ってもらえないと入ることができないエリが、オスカーにいじわるされて全身から血の涙を流す・・あのシーンも壮絶!

だって、そもそも、初対面でオスカーは「君、なんか匂う・・」なんて言っているんですもんね。
薔薇の匂いなんてものでは決してなさそう・・・。



動物的な「生きること」への本能のようなもの、そんな生々しさと
それとは全く逆の、孤独な魂が誰かに受け入れてもらえることを待っている・・繊細でピュアな部分と。



北欧の凍えるような冬の風景、白い雪の上に流れる真っ赤な血。
白皙の美少年オスカーの金髪に異国風(ルーマニアっぽい?)黒髪のエリの容貌・・・、


とにかく、印象的で・・なんともいえない心震える雰囲気をもった作品です。




いじめを受けてただ一人、自分の中に籠ってゆく少年と
決して人に受け入れられることがないそんな定めに孤独に震えるエリ。


そんな魂が出会って、互いにそっと手を伸ばそうとする。

「入ってもいい?」
「私を受け入れて」
切実なエリの想いと、純粋にエリを想うオスカーの恋心。


オスカー少年が習ってきたモールス信号でエリと壁越しに話す、ツー・トン・トン・・・、
モールス信号っていうところが、クラシックな雰囲気を感じていいですよね。



生きていくために反撃することをエリに諭され、体を鍛え、ついにはいじめっ子にやりかえすオスカー。
でもこのことがまた報復を呼んで、あのラストのプールへと・・。

水に沈められたオスカーの背後に動く影~~
このシーンは、衝撃!スクリーンの前で思わずからだが固まってしまいました。


そして・・・吸い込まれそうなエリのあの美しい瞳



「ここを去って生き延びるか、とどまって死を迎えるか、あなたのエリ」



トランクに入ったエリとともに、汽車に乗り、新たな場所へと旅立つオスカー。

トランクに指を当てツー・トン・トン・・・あれは何て打ったのでしょう♪

同居していた男の哀しい最期が頭をよぎり、いつかはオスカーも同じ道をたどるのではないか・・と辛い気持ちがこみ上げてきたり

それともエリとともにヴァンパイヤとなり、12歳の少年のまま永遠にさすらうのだろうか。


受け入れあい、ともに「生きる」ことを選んだ二人の行く末に、どうか少しでも平穏な時間がありますようにと願わずにはいられない・・・・。


笑顔のオスカー少年を映しながら・・・見ているこちらにこんなにもいろんな複雑な思いを抱かせるなんて・・なんて罪なラストシーンでしょう。





鑑賞後、原作にはまだまだいろいろ秘められた部分があると聞いて、こちらもぜひ読んでみたいと思っています。

そうそう、ハリウッドリメイクの予告編を見たら、オスカー少年が黒髪&ショート!( コディ・スミット=マクフィー君、似合いますね~♪)エリが金髪逆なんですね、面白い~♪



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ぼくのエリ 200歳の少女 (2008  スウェーデン) LAT DEN RATTE KOMMA IN LET THE RIGHT ONE IN 監督: トーマス・アルフレッドソン 原作: ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト ...
ぼくのエリ 200歳の少女 dot ちょっとお話dot 2011.02.20 21:50
コメント
エリはU S S 、オスカーはP U S S と打っている様です。
PUSSは「小さなキス」という意味らしいです。
英語辞書で調べると「ねこ」としか載ってませんでしたけど、そういう意味らしいです。

エリもPUSSと打っていると受け止めました、でないと エリ「アメリカ合衆国艦」 オスカー「ねこ」で、へんてこりんな会話になるからです。
これはこの映画のミスかも?
curry raicedot 2011.02.10 22:48 | 編集
> curry raiceさん
こんばんは、初めまして♪

>エリはU S S 、オスカーはP U S S と打っている様です。
> PUSSは「小さなキス」という意味らしいです。
教えてくださってありがとう~i-175
小さなキスi-178可愛いですね!!

お互いにキスを送りあう・・・・二人。
ますます、この恋人たちのこれからが・・・気になってしまいますi-237

dot 2011.02.11 21:30 | 編集
この映画の感想の多くに、「オスカーの未来はホーカンと同じ」、とよく耳にしますけど。
私は違って、この先二人がどうするか、何が起こるか解りませんが、エリはオスカーが死を迎えたら、一緒に添い遂げる様に感じます。

原作も読みましたが、だからでなく私個人の印象ですけど・・・
オープニングの夜に対し、明るいエンディングのせいかも。

それと、you tubeでこの映画「Let the right one in」のサントラがupされてます、let the right one in ostでyou tubeで検索が早いです。
お勧めは、血まみれのキスシーンに流れた「エリのテーマ」と、オスカーと父親のシーンで流れる「Father」。
どちらも短い曲ですけど、名曲に違い在りません。


curry raicedot 2011.02.12 11:54 | 編集
瞳さん、こんにちは。
わたしもヴァンパイアものといったらすぐに「ポーの一族」を思い浮かべます。そしてそれから波及したとしか思えない『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』を。
どちらも耽美ですね。
でもこちらの作品はたしかに生々しかったです……。

プールのシーンは名場面だと思います。
水中のあの濁った音声が凄惨な殺人を緩和しているような強調しているような……
ついつい「エリ、かっこいい!」と思っちゃいました。

ラストは色々想像できますね。
わたしはハッピーエンド(何を持ってハッピーとするかが問題ですが)であってほしいと願っています。
それほどまでにあの血なまぐさいドラマのしめくくりがあんなに穏やかで幸せそうなシーンだったので。
リュカdot 2011.02.14 07:50 | 編集
> curry raiceさん

> 私は違って、この先二人がどうするか、何が起こるか解りませんが、エリはオスカーが死を迎えたら、一緒に添い遂げる様に感じます。
ホーカンとエリの関係は深い部分は分かりませんでしたが、エリとオスカーにはホーカンとの間にはない・・繋がりを感じますよね。

> オープニングの夜に対し、明るいエンディングのせいかも。
確かに始まりを思い起こすと、あのエンディングは予想できませんよね。

実は娘がやってきて見たいと言うので、また一緒に鑑賞したのですが、2度目は音楽もじっくりと鑑賞することができました♪
サントラUPされてるんですね、ご紹介ありがとうございます。

おお、「エリのテーマ」はあのシーンの曲でしたか。
オスカーのパパ、アルコールが離婚の原因だったのでしょうか。友達が訪ねてきたときの、オスカーの哀しそうな顔も印象的でしたね。

dot 2011.02.14 16:55 | 編集
>リュカさん
こんにちは~。
> わたしもヴァンパイアものといったらすぐに「ポーの一族」を思い浮かべます。そしてそれから波及したとしか思えない『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』を。

わーーい、リュカさんも!?「ポーの一族」リュカさん、好きなんじゃないかしら?って勝手に思ってたんですよ。


> プールのシーンは名場面だと思います。
> 水中のあの濁った音声が凄惨な殺人を緩和しているような強調しているような……
そういえば、くぐもった声?が聞こえましたね。
直接描かないことで、より一層印象的になったというか!!ああいう風に描くとはビックリでした。
エリのあの瞳は、本当に綺麗でしたね。

> それほどまでにあの血なまぐさいドラマのしめくくりがあんなに穏やかで幸せそうなシーンだったので。
そうでしたね、まさかああいうラストで終わるとは思ってみなかったので驚きながらも、二人の行く末が幸せであって欲しいと願わずにはいられない・・そんな思いが胸に溢れるシーンでした。
オスカーの笑顔がいいですね~♪

dot 2011.02.14 17:02 | 編集
こんばんは。
ホラーと純愛・・・想像できない組み合わせですよね。ホラーも容赦なく、描かれていてビックリするところも多々ありましたけれど、綺麗に美しく
撮られていて見入ってしまいますよね。
<「生きること」「生き延びること」のむずかしさ、生々しさを感じるとは・・・>
そうでしたよね。何百年も生き続ける中には
エリちゃん・・いろいろなドラマ見てきたんじゃない?人間たちは期限ある生だものね。
オスカーとの交流、今までにない出会いだったと思いたいわ。あのおじさんとは違うよね・・絶対。
ハリウッドリメイクでは、髪の色、逆なんですね。
オリジナルのような雰囲気はなかなか難しいとは思うけれど、子役たちの魅力は・・・・・・
リメイクもありそうなので期待したいです☆
あ・・・瞳さん~~今日アイアンマン、テレビでやっているのに録画し損ねたわ。残念。
みみこdot 2011.02.20 21:47 | 編集
> みみこさん

こんばんは。
そうなの、こんなに容赦なくホラー的な部分もあるとは思わなくて・・エリの口のまわりの血の量にビックリ~~、ひぇーーーって。

でもピュアな純愛部分もしっかりと描かれていて良かったですね。

> オスカーとの交流、今までにない出会いだったと思いたいわ。あのおじさんとは違うよね・・絶対。
互いに孤独な魂が出会った二人ですもんね・・・違うと思います。

> オリジナルのような雰囲気はなかなか難しいとは思うけれど、子役たちの魅力は・・・・・・
うんうん、「ザ・ロード」も良かったので、コディ君期待しています。

> あ・・・瞳さん~~今日アイアンマン、テレビでやっているのに録画し損ねたわ。残念。
やってましたね~♪
あ・・残念、みみこさん。また機会があったら見てみてね♪

そうそう「モーリス」今日買いました。これから読むことにしまーーす。
地味映画もおすすめしたいものがあるので、あとでみみこさんちのBBSに書き込みさせていただきますね。
ではでは・・またあとで~♪
dot 2011.02.21 21:44 | 編集
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