2011
02.03

「オーケストラ」

オーケストラ! [Blu-ray]オーケストラ! [Blu-ray]
(2010/11/04)
アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン 他

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かってロシア・ボリショイ交響楽団で天才指揮者として名を馳せたアンドレイ・フィリポフ。
だが、共産主義に逆らいユダヤ系演奏家たちの排斥を拒絶した彼は、解雇され、今は劇場の清掃員として働いている。

彼をアルコール依存症にした30年もの失意の日々の長さ・・・しかし、今もなお音楽への情熱は失われることは無かった・・・。
あの日究極のハーモニーの高みへ向かう前に打ち切られたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲への熱い思いも。




解雇され清掃員として働く元天才指揮者。
そんな彼が、ある日楽団に届いたパリの劇場からの出演依頼のFAXを盗み見、とんでもないことを思いつく

かっての仲間たちを集めて偽のオーケストラを結成、ボリショイ交響楽団の名を語ってパリへ乗り込もうというのだ!!




予告を観ただけで、その感動的な演奏シーンに心が震え・・うるうるしてしまった本作。

でも、意外や意外!
全編通して見たら、ええっと驚くようなドタバタシーンや、結構不思議なシーンもあったりして。

美しいハーモニーだけじゃない、個性豊か(過ぎるゾ 苦笑)な人々から飛び出す音の数々に戸惑う場面も正直多いんですよ~

だって、ほら、名前を語ってパリのホールで演奏しちゃおう!!なんて・・思いつきからしてなんとも大胆!というか、無茶をやるなぁですもんね。


仲間を集めに行くのにも、元チェロ奏者でありアンドレイの親友サーシャ(癒されるキャラですね)の乗る救急車で、しかもサイレン鳴らして行ったりして。

この、30年ぶりに仲間を集めに行くシーンは、なかなか感動的。
それぞれ今は別の仕事についていながらも・・・楽器を持たせればその腕は!・・・というシーンに、期待はどんどん高まっていきます。



途中でさまざまなハプニングや障害も起こるのですが(マネージャーからして不安要素の最大ですから!)
いざパリへ。

さあ、みんなどれだけ素晴らしい音楽を披露してくれるんだろうと思っていたら。

これが、これがビックリなんですね。
しっかりとお金だけ先にもらっちゃって・・・パリの街へ出て行ったきり戻ってこない仲間たち。
そりゃあ個性溢れる人ばかりでしたが、いやいや、君たち何しにパリに来たんですかって言いたくなりますよねぇ。ユダヤ人親子さんも

ついにはリハーサルにもやってこない。
アンドレイ同様こちらも胃が痛くなってきそうになるのですが・・・
そんなパリで登場するのが、若手ソリスト、アンヌ=マリー・ジャケ。メラニー・ロランって本当に綺麗~登場しただけで輝きを放ってる。


彼女とアンドレイの関係、そしてチャイコフスキーの協奏曲に秘められたかってのソリスト、レアへの想い・・・このあたり、見どころです!

ジャケのマネージャー、ギレーヌを演じるのが、ミュウ=ミュウだけにますます気になります。

マネージャーの不穏な動きにも目が離せないし。


でもこの映画、こうしたさまざまな見どころ、謎の答えをラストのチャイコフスキーの演奏15分に盛り込んでくるところがすごい。


それまでに、いろんなかみあわない・・・さまざまな音符をちりばめておいて、それが最後に美しいハーモニーとなって響き渡る。




演奏の始まる、本番ギリギリになってもまだやってこない演奏者もいて・・それはそれは、最後まで気を持たせるし、
演奏も散々な出だしで、お客さんも失望した顔を隠せない。


ところが、ジャケのヴァイオリンが加わった・・・その時!
まるでレアの音を受けついだかのような、ジャケのヴァイオリンの音色に楽団のハーモニーが高みへと登ってゆく~。

ギレーヌが彼女に手渡した譜面のおかげでしょうか?それとも?
いやいや、もう説明や理由などいらないでしょう。
共産主義者のマネージやーが、神様に祈ったりしてしまうのですから、どんな奇跡が起こっても不思議はありません。



クラシックにそれほど詳しくない私でも、聞き覚えのあるこの協奏曲♪
感動的な演奏に乗せて、レアがたどったその後の人生を壮絶に見せたかと思うと、この演奏会を終えての嬉しい後日談まで見せてしまう!!


感極まり涙を浮かべるジャケの表情や、誇らしげなアンドレイの顔、そして何より(遠く離れたロシアで聞いている)アンドレイの奥さんの嬉しそうな顔にも、胸がいっぱいになりました。


失意の彼を支え、こんな突拍子もない計画を応援し、それはそれは力強く後押しして。
そのキップの良さと包容力に惚れちゃいそうでした(笑)
この奥さんも、きっとこのハーモニーのひとつ。



何度も何度も聞き返し、見返しました。
いい15分でしたねぇ。




ハーモニーの余韻以外に付け加えるシーンはいらない。
演奏を終えたアンドレイとジャケの、素晴らしい笑顔で幕が下りる・・、きっぱりと清々しいラストシーンでした。




「音符のひとつひとつに命がある
それぞれが人生を探している、幸せを探している」

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コメント
こんばんは~。
本当に本当に、心憎いというか、何というか、凄い展開でしたね。
ラストの15分で、それ以前のドタバタコメディーが、全部集約されたというより、吹っ飛んだ感じ?(笑)
やっぱり、フランスで観客数が凄いことになっていたというのも、頷けますね。
フランス人の好きそうな映画ですものね^^;
喜劇のパートも悲劇のパートも、瞳さんの感想の通りに・・
『さまざまな音符をちりばめておいて、それが最後に美しいハーモニーとなって響き渡る。』
まさしく、全ての集約がそこにあったんですね。

私は、幸い劇場で観ることが出来たのですが、ラスト15分の演奏シーンでは、あちらこちらですすり泣きの声が聞こえました。
もちろん私も、鼻すすっていましたよ(笑)
というか、もうボロボロでした^^;

メラニー・ロラン、本当にいいですね!!
若いころのドヌーブのような印象も受けるし、今の若い女優さんらしいファッショナブルな印象もあるし、注目の女優さんです。

そしてそして、アンドレイの奥さんたら、本当に粋ですよね。
あのセリフにはグっと来ちゃいました(アンドレイの背中を押すシーンね)
見習いたいものです~~(^^ゞ

こちらですみません・・、「月に囚われた男」の感想も拝見しました。
私も昨日観たのですが、「最高~~!!」
どこか懐かしいような、切ないような、ちょっと胸キュンのSF映画でした。
みぬぅdot 2011.02.07 19:35 | 編集
>みぬぅさん
こんばんは。
こちらのブログにもコメントありがとうございます♪

「オーケストラ」みぬぅさんは劇場でご覧になったんですね、いいな、いいな~。
私も予定に入れてたのですが、結局観にいけなくって残念。
あの最後の演奏、劇場で見たらなおさら・・・だろうなあ・・って思います。
きっと私もボロボロになっちゃうだろうなぁ。

>喜劇のパートも悲劇のパート
そうでしたね!!
なんて不真面目なんだ~と苦笑したり、かと思うと悲しい運命をたどったソリストの姿に涙したり・・と・・・、そういうものすべてが、あの最後に集約されましたね。

メラニー・ロラン、素敵でしたねぇ。
彼女が登場すると画面に輝きが!!
演奏シーンもですが、ただ普通にレストランで食事をしてる、白いシャツ姿も美しい~!!
見惚れてしまいました。

みぬぅさんの感想を読ませていただいたら、アンドレイの奥さんのこと書かれてて・・あ!おんなじように思ってる!と嬉しかったんですよ~♪

「月に囚われた男」感想読みに伺いますね。

>どこか懐かしいような、切ないような、ちょっと胸キュンのSF映画でした
なんともいえない詩情を感じるSF映画でしたね、私も大好きです。



dot 2011.02.09 20:37 | 編集
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