ボストンの遥か沖合に浮かぶ孤島“シャッター アイランド”には、精神を患った犯罪者を収容するアッシュクリフ病院があった。
1954年9月、厳重な監視にも関わらず、レイチェルという一人の女性患者が忽然と姿を消してしまう。
事件を調べるため、連邦捜査官テディ・ダニエルズが相棒チャックとともに島を訪れるのだが・・・。
劇場公開当時、それはもう結構派手な煽り文句で話題になっていましたね。
いったい、どんな謎が隠されているんだろうって、時間があえば劇場で観ようかと思っていたくらいだったのですが、結局DVD鑑賞となりました。
孤島の病院から忽然と消えてしまった一人の女性、彼女を探すためにやってきた連邦捜査官,伝説の男テディ・ダニエルズですが、登場した時から「水」に対する異常なまでの恐怖感・・、
もうすでに、彼がいったいどんなトラウマを抱えているのか気になる登場シーンです。
その後の彼の行動や周囲の患者たちの不思議な言動、
テディの頭の中に現れる亡き妻の映像・・・、そして“アンドルー・レディス”なる人物。
病院の院長はベン・キングズレーだし、警備隊長も副隊長もみんな、みんな怪しい~~。
しかも島は嵐の襲来で凄まじいことに。
雰囲気がねぇ・・ありますよね。
映像的にもとてもドキドキ、何?なに?いったい何が起きているの?・・と引き込まれて見ちゃいます。
レオさま演じるテディの頭の中に現れる奥さんのシーン、これは「インセプション」を思い出してしまいました。
額に寄せる苦悩の皺や悩める表情も

霧にけむる島の雰囲気や、暗~い色調の画面が続く中で、この奥さんとのシーンが、あまりにも美しく、鮮やか

行かないでくれと懇願するテディの声も虚しく、黒い灰となって崩れ去ってしまうシーンの悲しさ、驚きもまた印象的でした。
しだい、しだいに物語が進んでゆくにつれ、どこまでが現実で、どの部分が思い出や悪夢の世界なのか・・、分からなくなってくるのですが、
あまりにも暴走してゆくテディの姿に・・・・頭の中にはある「予想」が。
たぶん、観た方は途中から皆さん、予想がついてしまうんじゃないかな。
※ネタバレな部分がありますので、未見の方は読まないでね。予想はついてしまうのですが、テディが別の世界、別のストーリーを作り上げてしまうほど・・・記憶の中から抹消していたかったあの悲劇の出来事。
これが、あまりにも哀しくて

テディではありませんが、私自身もそれが真実であって欲しくない。
そんな思いでいっぱいでした。
自分が酒におぼれ、家庭を顧みなかったことで・・奥さんの心の病に気づくことができなかった・・いや、もしかしたら気づいていたかもしれないのに、そのことに触れようとしなかった・・。
あまりにも大きい罪悪感、喪失感。
ディカプリオの痛ましい表情が・・なんとも言えません

宣伝文句で、登場人物の一挙一動を見逃すな、目や手の動きをチェックせよ!って言ってませんでしたっけ。
雰囲気にすぐ酔ってしまう私は、登場人物のそんな手や目の動きまでは、見つめ続けてはいられませんでしたが、
ただひとつ、気になったのがテディの相棒チャックの・・病院に入る前に拳銃を警備副隊長に渡すシーンでした。
なんだかモソモソしていたその動作の意味は・・そういうことだったのですねぇ。
ラストシーン。
正気を取り戻したかのように見えたテディは、院長が指摘したように(繰り返して)また再び妄想の世界,伝説の連邦捜査官へと立ち戻ってしまう。
・・・はたして戻ってしまったのでしょうか。
とても穏やかな表情を浮かべたテディの
「モンスターとして生きるか、善良な人間として死ぬか」
この言葉の意味を思うと、もしかしたら彼はもう罪悪感と喪失感を抱えて生きることを望まず、狂気を装い、手術を受けることを願ったのでは・・と。
そんな風に想像してしまうと、辛くて、哀しくて。
ただねぇ・・やっぱり、どうしてもベン・キングズレー怪しく見えてしかたない~~(苦笑)
パトリシア・クラークソンが上手すぎて洞窟で出会ったレイチェル(元博士)も妄想の人物と思えないほど存在感が!!
う~ん、やっぱりどこまでが妄想の世界でどこまでが現実の世界なのか。
観る人しだい、解釈もその人次第・・・でいいのかも。
ああだったのかしら、いや、それとも・・と私も観終わって息子といろいろ話しました。
こんなにあと引く作品だとは予想していませんでしたよ。
ディカプリオの熱演ぶりも光りましたね~
- 映画タイトル(さ行)
-
| trackback:0
-
| comment:0