2010
12.14

「ブライト・スター いちばん美しい恋の詩」

ブライトスター4


お友達のブログで映画のレビューを拝見したり、この美しい画像を見かけるたびに、
あぁ、観たい!!見たいわ~~とため息をついていた作品です。

でも、香川では上映が無くって
諦めかけていたところが、岡山のシネマ・クレールさんの上映スケジュールで発見!!

念願の劇場鑑賞を果たすことができました


1818年、ロンドン郊外のハムステッド。

裁縫が得意でダンスも大好きな18歳のファニー・ブローンは、物語詩「エンディミオン」を上梓し世に出たばかりの若き詩人,ジョン・キーツと出会う。

彼女にとって、詩は、難しく、理解しにくいもの。
しかし、弟に頼んで買ってきてもらったキーツの詩の一篇に、彼女は何かを感じ取ります。


やがて、キーツが居候させてもらっているブラウン家の隣にファニーたち一家が引っ越してくることになり、二人の仲は急速に近づいてゆくのですが・・・。




ロマン派の詩人、ジョン・キーツ。
名前は知っていても、彼の詩を暗誦できるほど詳しくもないのだけれど、
イギリスの小説を読んでいると、時折キーツの名前が登場したりして・・。


そう、映画では「ローマの休日」の1シーンを思い出します。
グレゴリー・ペック演じる新聞記者との出会いのシーンで、王女が暗誦した

彼女は深き雪の中で長椅子から立ち上がった


「キーツよ」と王女が言うと、すかさず記者は「シェリーだ」・・・「キーツよ!」
・・と、押し問答するシーンがありましたっけ。




夭折した詩人の短い人生と恋を取り上げた映画ですが、主な糸となって物語を紡いでゆくのは彼を愛し、愛された女性ファニー・ブローンでした。


裁縫が得意な彼女、冒頭のシーンも針に糸を通して刺繍を始める・・なんとも美しいシーン。
フリルやレースのついた・・自作のドレスを身に着ける彼女ですが、
冒頭の、とっても鮮やかな赤と白のドレスには、実は内心びっくりしてしまいましたよ~


この時代の女性らしく、外出も一人では決して出かけない彼女。
でも快活で、しかも負けず嫌い?
自分をよく思っていないブラウン氏にもしっかり言い返しちゃったり。

「あなた方の詩は、私のお裁縫よりも上手じゃないわ」
なんて言い放ってキーツの目を丸くさせたファニーが、

しだいに詩の世界と恋に目覚め・・・自分の中に眠っているまだ知らなかったさまざまな感情に揺れ動いてゆく・・。


小鳥のさえずり、ブルーベルや、らっぱ水仙が咲き乱れる小道。
コーラスの音楽もそれはそれは美しくて。

目にも、耳にも、心にも・・・この作品自体がキーツの美しい詩のような作品でした。


二人が「つれなき美女」を互いに暗誦し合うシーンでは、恋の深まりを予感させて交し合う視線にドキドキ。

キーツからの手紙を受け取ったファニーが、その一句一句にキスをするシーンや
自分たちの恋を蝶になぞらえたキーツの詩を読んで、蝶の飼育を始めちゃったり

詩と重なり合い、響きあいながら、ファニーの感情、恋情が深まってゆく・・。
言葉少ないキーツの彼女への情熱、時には官能的な想いは、その詩の中にこそ、込められていたからでしょうか。



「情愛と友情」でも繊細な演技を見せてくれたベン・ウィショーくん、あぁ・・思った通りの詩人キーツでした。


ブライトスター8

このシーンって木の上だったんですねぇ。


画像はありませんが、私の心のツボにはまってしまったのは、ブローン家の猫を抱くシーン。
「情愛と友情」のクマのぬいぐるみといい、可愛すぎます~クラクラ~(笑)


ファニーを演じたアビー・コーニッシュ。
凛としたまなざしがとても印象的。
ダンスとお裁縫が好きな快活な少女の顔が、しだいに愛する人を守ろうとまでする包み込むような大人の顔を見せていきましたね。



「もう恋をする人を笑ったりしない」
苦しい恋心を自分でもどうすることもできない・・恋の辛さを知った彼女のこの言葉が胸をぎゅっと締め付けます。




それにしてもこの時代のお話を観ていつも思うのは、自分の想う人と結ばれる難しさ。
貧しく財産もないキーツを娘の婚約者として認めてくれたファニーのお母さんのような存在は、むしろ珍しかったことでしょう。
娘の一途さ、恋情の強さをきっと一番理解していたんでしょうね。




ブライトスター ブライトスター2

ブライトスター3 ブライトスター7




ファニーのお手製の衣装、色もさまざまで素敵でした♪
ふくよかな体のラインに清楚でピュアな白の衣装がよく似合う・・と思ったら、すっとしたラインの赤のストライプもキュートに着こなしていたり。

恋が深くなっていくように・・青や、茶色・・大人っぽい深い色のドレスも身にまとうようになって。
別れの日のドレスは茶色でしたね。
二人でより添ってベッドで横たわる、あのシーンに思わず涙・・・。


キーツの死を知った時のファニーの慟哭ぶりにも、泣けて、泣けて・・・。
自分で縫い上げた黒の衣装を身にまとい、キーツの詩を暗唱しながら思い出の道、思い出の場所を歩くファニー。



ブライト・スター その誠実なるきらめきは
夜空に高く孤独を知らぬ






エンディングで読み上げられるキーツの詩の数々にも・・カンピオン監督自身の、キーツの詩に魅せられた想いが伝わってくるような。
間違いなく、今年見た映画の中で私にとっては「一番美しい物語」でした。



そうそう、小さな役者さんたちも忘れてはいけませんね。
いつでもファニーと一緒におでかけする、とってもスマートな弟君と、なんともいえないほんわかした妹ちゃんの愛らしさに、何度もほっとさせられました。



紅茶のシーンもたびたび登場しましたね♪
Tea&Cinemaにも挙げたい1本です。

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コメント
お邪魔します~~
素敵な画像いっぱいありがとう。
思いだしながら見入ってしまいました。
この映画、観ている人が本当少なくって。
でもブログ友達にはいっぱいいて嬉しい限りです。
それにしてもさすが・・瞳さん。詩にもお詳しいとあって、ローマの休日の部分。忘れていたわ~~
<自分の想う人と結ばれる難しさ>
そうですよね。ロミオ&ジュルエット系映画だと
思うけれど、こういう映画には私、本当に
弱くって。映画鑑賞して20年以上はたつけれど
いまだ、泣けるのよね・・。いつまでも乙女だな・・って思うわ・・笑
日記も拝見したわ。オシャレな映画館ですよね。
はるばる遠征したかいがあった・・って感じですよね。
素敵な感想読むことができて私もウキウキです。
ではではまたね~~

みみこdot 2010.12.17 14:53 | 編集
>みみこさん

こんばんは。
さっそく感想読みに来てくださったのね、ありがとう♪

劇場公開館って意外と少なかったのかしら。
私、みみこさんたちのブログで感想読んで、もうどうしても見たくって。
遠征してきました。
慌ただしかったけれど、映画館はとっても落ち着いた雰囲気で良かったし、映画も素敵で。
劇場で見れて良かったよぉーーー、あぁ、感動。

「ローマの休日」
そうなの、そういえばキーツ出てきたなぁって思い出して。
でも王女さまはキーツって言い張ったけれど、正解は記者の言ったシェリーの詩なんですって。

>いまだ、泣けるのよね・・。いつまでも乙女だな・・って思うわ・
うんうん、みみこさんは乙女だよ~♪
そして私も・・なあんて(笑)

ベン・ウィショーの猫を抱いたシーン、もうぎゅっってしたくなるくらい可愛かったわぁ。
左下のファニーの胸によりかかっている画像も、簿母性本能をくすぐられそう(笑)

戸外のシーンの美しさ、ファニーの衣装や、
お屋敷の中のファニーの部屋に揺れるレースのカーテンまで・・。
美しい映画でしたねぇ。本当に美しい詩のようでしたね。



12月ももう後半になっちゃいましたね。
バタバタしそうですが、お互い体調には気を付けましょうね
dot 2010.12.17 21:07 | 編集
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