2010
11.24

「雨の午後の交霊祭」

雨の午後の降霊祭 [DVD]雨の午後の降霊祭 [DVD]
(2010/04/28)
リチャード・アッテンボロー、キム・スタンリー 他

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怖いの苦手・・なんて言いながら、結構続けて観てたりします


ミステリー映画の隠れた傑作



ジャケットのこの言葉に惹かれました。


降霊・・なんて聞くとかなり怖そうですが、大丈夫!確かにしっかりとミステリー映画でした。
そしてそれ以上に、愚かだけれど・・哀切さが沁みる人間ドラマでもありました。


定例の降霊祭が終わり、客たちが帰ってゆく・・雨上がりの午後。

女心霊術師マイラと、その夫ビルは、自分たちがこれから行おうとしているある計画について話し合う。
気が進まない夫ビルを妻は優しく、静かに、しかし、有無を言わせぬ言葉で説得してゆく。

彼らの計画とは・・・。

富豪クレイトン夫妻の一人娘を誘拐した上で、マイラの霊媒師としての能力を持って少女を発見したと見せかけ、
世間へマイラの能力をアピールするとという愚かしいもの。


憑りつかれたかのようなマイラの言葉に、これが間違いなく恐ろしい犯罪であることを認識しながらも、はねつけることができない夫ビル。
マイラとビルの間には、過去に辛い出来事があって・・、妻は今でもそこから立ち直れないでいること。
アーサーという名前が二人の心の闇に横たわっているという事実・・。

それを表すのはただ、二人の会話とその表情からのみなんですね。

こういう見せ方をされると・・思わずごっくん!画面に見入ってしまいます。


やがてサイドカーで誘拐へと向かう夫。
もちろん素人、慣れない手つきというか・・見ているこちらまで(いけないこととは思いつつ)大丈夫・・!?なんて心配してしまうのだけれど


利口な少女の一言一言に動揺し、呵責に責められ脅えはじめる夫をよそに、
なんと堂々とクレイトン家に訪れ、少女が夢の中に出てきたことを夫妻に話すマイラ。


リチャード・アッテンボローの疲れた表情、良心の呵責に責められながらも・・でも妻を見捨てることもできない表情がなんともいえません。

対する妻を演じるキム・スタンリーの・・しだいに狂気の片りんを見せ始める怖さにもゾクゾクっと。


誘拐した少女の家を訪ねるシーンや、警察がマイラたちの家にやってくるシーンも、ただ普通に会話を交わすだけなのですが・・なんだかもう、ハラハラどきどきしてしまいます。

人物の表情をとらえるショットが、どういったらいいのでしょう。
とても印象的なんですね。

雨上がりの水たまりに映るマイラたちの家、階段や廊下・・・、二人の合図に干されたシャツのシーン。
モノクロの陰影も雰囲気を一層盛り上げてくれます。



そう、音楽も。
ビリーが少女を誘拐するシーンでは、え?と思うほどの軽快な音楽が印象的だったのですが、なんと担当は、あのジョン・バリーだったのですね♪



やがて、尋ねてきた警察官に乞われて、少女の居場所を見つけるため降霊会を行うことになったマイラとビリー。
自分の見せ場とばかりに、高揚する気持ちを抑えテーブルについたマイラが見せたものは・・・。

このラストシーンの、なんと皮肉なこと


「わたし、ちゃんとできてた?」と涙を流しながら夫に問いかける妻と、慈愛と不思議な安堵の表情を浮かべて妻の手を握る夫・・・。


霊媒中の妻の表情、言葉に「ええっ・・まさか~~」と固まってしまったのですが、
このシーンにほっと一息つきながらも、哀れさや切なさがしだいしだいにこみあげてくる・・。

余韻の残るラストシーンでした。



熱演された二人は、それぞれ
リチャード・アッテンボローが、1964年 英国アカデミー賞男優賞受賞
キム・スタンりーは、1964年 アカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。

創元推理文庫から出ていた、マーク・マクシェーン「雨の午後の降霊祭」
この原作をぜひ読んでみたいと思ったのですが、現在は絶版のようです。残念・・・。
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