2008
02.27

「潜水服は蝶の夢を見る」

潜水服は蝶の夢を見る

ELLEの編集長として忙しい日々を送る毎日、女性関係も華やかに人生を謳歌していたジャン=ドミニク・ボビーは、ある日突然脳梗塞で倒れる。奇跡的に命を取り留めたものの、全く体が動かない状態「ロックト・インシンドローム」となったジャン=ドー。
彼が動かすことが出来るものは・・ただひとつ、左目だけ・・。

オフィシャルサイトは、こちら



とても悲劇的な物語だと・・そればかり頭にあったので、もっと重くて、もっと悲しくて・・と覚悟を決めて見に行きましたが・・。
違いました。

確かにジャン=ドーの目をカメラにし、映し出される映像は冒頭などショッキングなものでした。
不鮮明に揺れる画像に不安が募り、縫い合わされてしまう右目や閉じていられない唇のシーンの痛々しさ・・。
華やかな生活を送っていたであろう彼・・・のあまりにも辛い姿が悲しすぎて。

でも、それ以上に美しくて、優しくて、ユーモアさえも散りばめられた・・・生きることへの愛と夢を感じる作品でした。

肉体は全く動かなくても、知性も意識ももとのまま。
たとえ体は潜水服を着せられたかのように・・深く沈んで身動きとれなくても。心は思い出の中へ旅し、想像の世界を広げ、蝶のように飛んでゆく・・。

病院の展示室に飾られた胸像とのシーンや
官能的なレストランでの食事シーン。
美人の看護士たちに向ける目線や言葉・・。
ウィットとユーモアに思わず楽しさえなってきてしまうのだから。

父の日に子どもたちと海岸で過ごすシーン(↑の写真の場面ですね)は、とても素敵でした。
海岸の情景の美しさ、風にぱたぱたとはためく奥さんや子どもたちの髪や、服・・印象的でしたね。
そういう、風に吹かれる彼らの様子を見ることによって、自分もまた風を感じているかのようでした。

元気な時には、ちょっと疎ましくさえ思えていた・・家族との交流の大切さを思い出す姿。
高齢でアパートから出ることが出来ない父親からの電話にも・・思わず涙が。

ジョニー・デップも熱望したという、主人公ジャン=ドー役を演じたマチュー・アマルリック。
ちょっとワル(?)っぽい感じも魅力的で、個性的なルックスも良かったです。
そしてたくさんの女性達・・、みんな美人でしたね~(みんな綺麗なんで、最初誰が誰だか・・苦笑)
ルルドへの旅行と聖母が印象的だったジャクリーヌは短い登場ながらインパクトがあるけど、やっぱり立場的に子どもたちの母である、妻のセリーヌに肩入れしちゃうな。
ジャン=ドーから愛人にあてた言葉を伝えなくてはならなくなった・・彼女の気持ちを思うとなおさら・・。


想像力とユーモアの素晴らしさ、大切なひとたちへの想い。
生きることへの、愛が溢れる物語。
様々なシーンで流れる音楽も、印象的に使われています。パンフに紹介されていたのを読んで、なるほど~、この音楽は、こういうことで・・というのを知ったら、もう一度見たくなりますね。


彼が20万回の瞬きで綴ったという手記を元に映画化したものと聞いて、ぜひ原作も読んでみたいな・・・と思っていたら。
劇場のパンフの横にちゃんと並べられていましたよ。エライ!ソレイユさん。


こちらも早速、映画の原作紹介コーナーに挙げました。

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dot 2008.04.10 22:18 | 編集
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