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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「アンドロメダ」 :: 2010/05/12(Wed)


アリゾナ州の小さな田舎町、ポートモンドに衛星が落下する。
回収に向かった兵士たちは、その町の住民を襲った恐ろしい事態を目にして驚愕するのだが、それは彼らの身にも密かに・・忍び寄ってきていたのだった・・・。






アンドロメダ・・っていうタイトルから、宇宙でのお話かと想像していましたが、原作はあの「ジュラシック・パーク」で有名なマイケル・クライトンの「アンドロメダ病原体」
衛星が落下した町を襲った恐ろしい出来事と、その悲劇の原因と解明しようとする化学者たちの姿をドキュメンタリー風に描いています。

ロバート・ワイズ監督が、こういうタッチの作品を撮っていたとは~!全然知りませんでしたヨ。



夜でもないのに・・町の上空をハゲタカが舞う・・。
いったい、この町で何か起こったのか、そして・・町の人々は・・?

淡々と撮られたように見える・・その映像に、冒頭からやたらドキドキしてしまいました。
化学者たちが、村へ向かいその惨状を目の当たりにするシーンでも、日々の生活を送っていた・・そのままの姿で、まるで突然命の時計が止まったかのように投げ出された人々の姿はショックで。

切られた腕の中から、砂のような血がさらさらと流れだしてくるシーンも怖いですよねぇ。


町の中で博士たちが、人々の家を覗きこんでゆくシーンでは、まず画面の片側に彼らのショットが映り、一瞬後に人々の無残な姿が映し出される・・あの分割画像?にも驚きました。
何年の作品でしたっけ?古いSFでああいう画像が出てくるとは・・思いませんでした。



アンドロメダ(ここからタイトルが来ているのですね)と名付けられた未知の病原体、その謎と撲滅のための鍵・・。そして、全滅したかのように思われた町で、たった二人!生き残っていた老人と赤ん坊。
なぜ二人は生き延びることが出来たのか?

それを解明しようとする博士たちの姿がまた、とてもリアルで真に迫っていましたね。
地下に造られた研究所も、その滅菌対策が半端じゃなかったですよねぇ。
すごく細かく対策が取られていてすぐにはたどり着けない上に・・あの・・座薬・・。
「食後の一服の代わりがこれ?」
この台詞には、思わず同情しちゃいましたよ


研究所やそこで使われる機械は、さすがに古さを感じさせるところはありますが、
でも慎重に、繊細に、正確に・・でも速く!一刻も早く!!
原因と撲滅の鍵を見つけ出そうとする、その緊張感、緊迫感、リアルさ。

今見てもまったく古さを感じさせない~!!
う~ん、見ごたえありました。
130分という長さなのですが、それも感じさせない面白さ。


科学者たちが目に見えない細菌に立ち向かう・・その静かな、緊迫したシーンがやがて解かれると・・。
そこからラストに向けて一気に、今度は研究所の自爆装置に立ち向かわなければならないという、別の意味でのハラハラ、ドキドキに変わっちゃう。


登場人物も少ないのですが、それぞれのキャラクターのリアルさも良かったです。



そうそう、個人的に一番面白いなあ・・と思ったのは、あの(助かった)患者を見る時に装着する、アコーディオン風伸び~る白衣ですヨ(笑)





2008年には、スコット監督が、この「アンドロメダ」のTV映画版を作っているとか。
そちらも観てみたいものです。
  1. 映画タイトル(あ行)
  2. | trackback:0
  3. | comment:4
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comment

やはり

観ましたね(笑)
これもまた『未知への飛行』同様、緻密な描写がさらなる恐怖を生み出していますよね。実はそれほど予算もかかっていないと思うけど、何もない広大な敷地の地下で起こる脱出不可能な設定が恐ろしい。

私は医者のホールが泣き叫ぶばかりの赤ん坊に問いかけるシーンが印象に残ります。
「何故だ!頼む、教えてくれ!お前は何故死なないんだ!」

SF映画としては、地味だけど隠れた名作ですね。派手じゃない所は、もしかしたら『ガタカ』なんかの元になってるのかもしれません。
  1. 2010/05/12(Wed) 23:11:29 |
  2. URL |
  3. NARCY #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

おはようございます

>NARCYさん
はい!観ました~(笑)
原作、マイケル・クライトンだったんですね、そうでしたね、あの緻密な描写・・、研究所の滅菌も徹底的でしたね。そこまでやるんだ~って。

>「何故だ!頼む、教えてくれ!お前は何故死なないんだ!」
そうでした!印象的でしたね。
赤ん坊、よく泣いてましたね・・そしてそれがカギだとは・・。

まさに隠れた名作ですね、教えていただいて良かったです。
久々に(本館の)SF映画のFavoriteに入れたいと思いました♪

  1. 2010/05/14(Fri) 07:51:38 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

SFといえば・・・

最近UPしたオムニバス映画で『愛すべき女・女たち』というのがあって、これは6つの時代の娼婦の映画ですが、最後がジャン=リュック・ゴダールの未来編になっていて、1シーンも未来的なセットがないのに明らかに未来を描いたSFになっています。さすがゴダール!

あとSALONに、いよいよクリエーター編をUPしました。まずはタルコフスキー、キューブリック、ハリーハウゼンの巨匠3名です。
  1. 2010/05/17(Mon) 20:52:37 |
  2. URL |
  3. NARCY #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

SFオムニバス

>NARCYさん
『愛すべき女・女たち』うわ~~!!これも面白そうですね!
6つの時代の・・ということはかなり昔の時代から・・未来へと向かうのでしょうか。
>1シーンも未来的なセットがないのに明らかに未来を描いたSF
ええ~っ、どんな風に描いているのかしら。興味津々です・・。

SALONにクリエーター編が!
お知らせありがとうございます♪楽しみです。
ぜひあとでお邪魔してゆっくり見せていただきますね。
  1. 2010/05/18(Tue) 21:55:25 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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