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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「昨日・今日・明日」 :: 2010/04/27(Tue)


ソフィア・ローレン&マルチェロ・マストロヤンニ共演
イタリアは、ナポリ、ミラノ、ローマを舞台に、3話からなるオムニバス映画です。




ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ・・といえば、名作「ひまわり」
思い出してもじーーーんとこみ上げてくるものが・・

そんな二人が、これまた同じデ・シーカ監督作品で、こちらではまた全然違う顔を見せてくれる
しかも3つの物語、それぞれ違う人物に扮して、その魅力たるや!

なんて嬉しい、なんて贅沢なオムニバス映画でしょう~



<第1話 アデリーナ>
 軍隊帰りの夫カルミラ(マルチェロ・マストロヤンニ)には職がなく、妻(ソフィア・ローレン)は ヤミ煙草の街頭販売で一家を支える毎日。
ところが警察の取り締まりで彼女は刑務所に送られてしまうことになってしまうのですが、妊娠した女性は(生まれた子どもが生後6カ月まで)猶予されると聞いた二人はあることを計画するのです~。


ええ~っ、このお話もう大爆笑でした
刑務所行きを逃れるために取る手段が・・毎年毎年の妊娠とは~~(笑)
どんどん増えてゆく子どもたちは可愛いけれど・・家計はますます大変になっちゃうと思う(苦笑)

だけど、毎年妊娠出産を繰り返しても、全くしおれない~、ますます輝きを増すアデレードを演じるソフィアの魅力。
そのバイタリティー、エネルギー~。そう!イタリアの輝く太陽みたいに!

かたや、どんどんくたびれていっちゃう・・夫を演じるマストロヤンニは、本当に細くてひょろひょろしてて。
ノイローゼ気味になっちゃって、ついにはダウン・・。ダメ夫呼ばわりされちゃう(苦笑)
アデレードは刑務所に送られてしまうのですが(子連れの部屋ってあるんだ!?・・というか、シスターもいて待遇もいいですよね)そこからカルミラ、頑張っちゃうわけですよね。



二人を見守る友人たちや、ナポリの町の人々がまた明るくて楽しい。
下町?っぽい雰囲気がいいですよね。
逮捕にやってくる警察官たちも、「妊娠診断書」を見て笑顔で「おめでとう~」なんて言ったりして(笑)
あと、なんでしょう?お祓い?
宗教の儀式みたいなものをベッドにやってもらって子宝を授かろうとするシーンとか、刑務所に収監されたアデレードに歌(歌い人?)を送るシーンも・・。
いろんなシーンがとても印象的でした♪





<第2話 アンナ>
 国会議員を夫に持つ富豪の夫人 アンナ(ローレン)。
満たされぬ思いを抱えてイギリス製の高級車で不倫相手(マストロヤンニ)とドライブに出掛けるのですが・・・。



第一話は結構長いお話だったのですが、こちらは短め。
ミラノの高級ファッションに身を包んだソフィアの貫禄と、こちらも一話とはまた全然違う憂いを帯びた色男マストロヤンニ。
満たされない思い、食い違う会話・・、でも少~し心が近づいてきたかなあ・・と思ったらあの展開。

まるでこれまでのことが夢だったかのような・・。
さっさと自分の世界に戻って行ったアンナの姿にマストロヤンニ同様、あっけにとられてしまいました(苦笑)
でもほろ苦~いこの二話目のお話が、3つのオムニバスのアクセント・・というか、ピリリとしたものを添えているようにも思えました。

それにしても・・あんなにガンガン前の車に当てといて・・いいのか~!!




<第3話 マーラ>
 神学生ウンベルト(ジョヴァンニ・ルドルフィ)は アパートの向かいに住む美しい女性(ローレン)から目が離せない。
でも、実は彼女は高級娼婦。
その日もボローニャから実業家の御曹司(マストロヤンニ)が 彼女の元へとやってくるのですが・・。



美しい~~!!
アデレードも綺麗でしたが、人妻の美しさとはまた違うこちらのマーラの美貌。
シャワーを浴びて(まだ濡れた体で)ベランダに出てグリーンの植木(たぶん、絶対プレゼント)を飾るマーラ。
バスタオルから覗く背中や足のラインに見惚れてしまいます。
神学生君が夢中になっちゃうわけですよね。
(しかし、この神学生君・・が若き日の森田健作に見える~「吉川君!」なんて 笑)

神学生君のおばあちゃんに「孫に近づくな!」などなどいろいろ言われてすっごく怒るマーラなのに・・翌日訪ねてきて孫を心配する祖母の涙にコロッとほだされちゃう。
そういう人の良さ、可愛らしさもいいですよね。


そしてこのお話、彼女にぞっこんな、ダメダメ御曹司のマストロヤンニが最高なんです~
その迫りっぷり、ダメダメっぷり、可笑しさぶり・・、そこまでやっちゃうのね?(笑)
こっけいなのに可愛すぎてたまりません~。
ベッドの上でおこさまみたいに期待いっぱい~、可愛いポーズ、「わぉ~~ん」なんて吠えちゃうんですもん(爆笑)
いやいや・・もう思い出してもぷぷっってなっちゃいます(笑)
マストロヤンニって本当に可愛い男ですねぇ(もちろん可愛いだけじゃないのですが )

当時ポケットティッシュは、最新だったのかしら?
すっごく得意そうに汗を拭いては、部屋にまき散らす・・その様子も可笑しいのです。



それにしてもこのオムニバス。
美しすぎる肝っ玉母さんだったかと思うと、貫禄溢れるブルジョワ夫人、そして女神のような美女。
ソフィア・ローレンの、魅力いっぱいの変身ぶりもたまりませんね。
ベッドでストッキングを脱いでゆく、あのお色気たっぷりのシーンが目に焼き付いてしまいました。

イタリアの街並みの美しさとそこに住む人々の明るさも!
パワーとバイタリティーもた~~っぷりもらって元気が出る~!!そんなオムニバス映画でした♪

 
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もう十分

瞳さんが解説してくれているので、補足程度に少しだけ。(笑)
一つ思ったのは、ep1で敵対しているはずの官僚も含む、全員がいわゆるいい人なのに対し、ep2では全員が嫌な人だという事でしょう。これは監督の計算だという事に他なりませんが、観ている観客でさえも、ep2の展開に笑いを期待しつつ、結局何も起こらないということですね。観客はみごとにはめられるのです。
そしてep3
これは明らかにファルスです。ファルスとは長らく日本の映画や演劇にはなかったジャンルです。主人公がある状況に追い込まれますが、観ている方は可笑しくて仕方がない。なぜかと云うと本人はいたってまじめな話で、笑わせようとしている訳ではないのに、その真剣さが笑いを生むのですね。だからファルスはどちらかというとコメディではなく、むしろ悲劇です。マーラにとことんじらされてお預けを喰らうアウグストの状況は、悲劇そのものだという事なのです。
  1. 2010/04/29(Thu) 23:30:13 |
  2. URL |
  3. NARCY #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

エピソード2

>NARCYさん
そうですよね、エピソード1を見ているから2を見ながら、笑いや暖かさやハッピーエンドを期待している部分がありましたよ~。
ところが・・あれれ?って。
しかも、あれって、短いからいいんですよね。そして真ん中に挟んであるのも上手いなあ。

ファルス、初めて聞きました~!!
>主人公がある状況に追い込まれますが、観ている方は可笑しくて仕方がない。
ええ~!!もう可笑しくってたまりませんでした(笑)
しかもほら、最後は見ている私たちには(マーラの誓いを知ってるから)お預けを喰らうって分かっているわけですよね。
それだけによけい・・アウグストが気の毒・・なんだけど可笑しくて(苦笑)
あぁ・・やっぱり~って。

それって確かに悲劇ですよね!
  1. 2010/05/01(Sat) 00:32:26 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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