
30代半ばのシングルマザー、ローズは、ハウスクリーニングの仕事をしながら息子オスカーを育てている。
いつかは不動産業の資格を取りたい・・と妹ノラにオスカーを預けて講座に出かけるローズだが、出かける先はモーテル。
元恋人で、不倫相手の刑事マックに事件現場を清掃する仕事で大金が稼げると教えられたローズは、嫌がるノラを無理やり誘って清掃会社「サンシャイン・クリーニング」を始めるのだが・・。
高校時代はチアリーダーでアイドル的な存在。
さぞや、素敵な未来が開けているかと思ったら・・「今はカスよ」なんて罵倒されちゃう主人公ローズ。
息子を私立の学校に入れるお金も欲しい、生活に追われ、不倫からも抜け出せない、そんな彼女が、こちらはすぐに仕事を辞めてきちゃう、何をやっても長続きしない妹ノラとともに、人生の一発逆転を狙って始めた清掃業。
アメリカで公開時わずか4館でのスタートが口コミで人気を呼び、大ヒットを記録したという本作、あの『リトル・ミス・サンシャイン』の制作陣と聞いたら・・なんとなくわかるような気がしますね。
こんなはずじゃなかった・・・どうにかしたい・・こういう思いを抱いている人って、順風満帆な人々より絶対多いはず!!
でも、まだまだローズもノラも若いのよ・・私からしたら、まだまだ彼女たちにはいろんな未来があるはず~(笑)なんて思っちゃう。
だから、それほど彼女たちのことを負け組・・とは思わないんだけれど、
でも二人を演じるエイミー・アダムズとエミリー・ブラント。
似ているようで波長が違う、でも違うようでちょっぴり似ているような・・。器用そうで不器用な姉妹をリアルに演じていた二人が、とっても良かったです~♪
エイミー・アダムズは『魔法にかけられて』しか知らなかったから、こういう一見地味な役をとてもしっかりと演じられるんだ~!とビックリ。
姉妹が、見よう見まねで始めた清掃業。
人生の終わりを突然迎えた人々の惨劇の後始末をしたり、哀しく寂しい姿を目にしたり・・。
悪戦苦闘する姿は、もちろん大変なんだけれど、どこかちょっぴり可笑しさとか、ほのぼのとしたものも感じてきたり。
一人旅だった夫の死にショックをうけた老女の手をしっかりと握るローズや、
寂しく死を迎えた母親のカバンに入った娘の写真を捨てることができないノラ。
ノラが写真の娘さんを探してしまう・・エピソードが私は結構好きです。
最終的にはノラの気持ちは伝えられなかったのかもしれないけれど・・、でも彼女はそうせずにはいられなかったのですよね、きっと。
脇にも決してヒーロー然とした人物じゃない、なぜか彼女たちを助けてくれる片腕の店主や、
姉妹以上に不思議な人物かも?の(姉妹の)父親や・・、ローズの息子のオスカーを配して。
そう、この作品、決して悪人、悪人した人が出てこないんですよね、不倫相手のマックだって、ローズの高校時代の友人だって・・。
だからこそ、それでも「上手くいかないこともある」っていう部分がリアルで、
だからこそ、よけいに彼女たちになんとか頑張って欲しくなってしまうのかな。
上手くいくことばかりじゃないけれど、でもきっとダメなことばかりじゃない・・よね、人生って。
思わずそんな風に呟いたら、
そうそう、これからさ~!!とそんな風に返ってきた(笑)
ラストシーンの暖かさが嬉しい♪パパ、やりますねぇ
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