
医者の薦めで温泉地に療養にやってきた映画監督グイド・アンセルミ。
彼はこの地で新作の撮影を控えているのだが、スランプに陥りまったく構想がまとまらない。
すでにクランクインを2週間も延期して焦る彼のまわりには、プロデューサーや映画関係者、かけつけてきた愛人や役をもらいたい女優、そして妻のルイザの姿が・・。
追い詰められたグイドは、しだいに現実から離れ、子どもの頃の思い出、母の姿。そして美しい彼のミューズたちの幻影を思い浮かべるのだった・・。
不思議なタイトルに惹かれて(BSで放映されていたのを)たまたま録画してあった本作。
どういう映画なんだろう?と調べてみて初めて、ただいま公開中の「NINE」のもとになった作品だと知りました。
アカデミー賞外国語大賞受賞作品、しかも映画史に残る名作♪と評判もとってもイイ~♪
これはぜひぜひ見てみなくては~!と見始めたのですが、その日は深夜・・。
しかも昼間に庭の草むしりをして疲れを感じつつの鑑賞。
グイドの頭の中で広がってゆく妄想シーンが、それはもう心地よい夢の世界に私を引き寄せていったのです~(苦笑)
むむむ・・これは夜中は危険?と翌日再度チャレンジ(笑)
でも、現実の世界と空想の世界が入り混じる!幼少の記憶が呼び起こされるシーンや、さまざまな幻影シーンが繰り広げられる・・昼間に見てもそれはそれは・・不思議な世界が広がる映画でした。
何もないところから作品を生み出さないといけないという苦悩、グイドが感じている生みの苦しみはもちろんフェリーニ監督も常に体験していたことではないでしょうか。
「何も難しいことを語るつもりはないんだ。」
「みんなの役に立つ映画を作りたい。」
「過去を葬り去るための映画さ」
でも・・僕自身が過去を葬れない・・・。
グイドの語るこの台詞も、まさにフェリーニ監督自身の思いなのかしら・・って想像してしまいます。
それにしてもこのグイドの頭の中に広がる幻想のシーン、なんて美しいのでしょう~!
白黒の映像なのですが、まるで月の光に照らされているかのような・・神秘的な美しさ。その中に登場する女性たちも美しいのですよねぇ。
ものすご~く自分に都合のいい幻想シーンもあったりして(笑)都合良すぎるゾ~なんて笑ってしまうシーンもあるのですけど、グイドを演じるのがマルチェロ・マストロヤンニ♪
男性の可愛らしさ?となんともいえない甘さを感じさせる彼がグイドなので・・そういう部分もなんだか微笑ましく感じてしまったり。
完成したあの奇抜なセットを前に記者会見に向かうのを駄々っ子のように嫌がったり、逃げ出したり・・。その様子なんて・・もうどんなお子様?っていう感じでもあったのですけどね(苦笑)
「人生は祭りだ。一緒に生きよう」
この台詞もきっとマストロヤンニだから許されるのでは?って思ってしまいますヨ(笑)
セットのまわりで登場人物たちが輪になって回るラストシーンも・・不思議なんだけれどなんだかもう「これでいいのだ!」って思っちゃう

(実は予告編用に作られたシーンを監督がラストシーンへと変更したそうですヨ、監督もこれでいいのだ!って思ったのでしょうか 笑)
『甘い生活』『男と女』のアヌーク・エーメ、メガネ姿が可愛い♪
『山猫』『熊座の淡き星影』のクラウディア・カルディナーレの美しさにもうっとり。
グイドのまわりの美しき女性たちを演じる女優陣も豪華でした。
この作品を見て俄然「NINE」が観たくなりました!
翌日には劇場へとダッシュ

こちらの感想も後日挙げたいと思います~♪
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