かって一世を風靡した人気プロレスラー、ランディ“ザ・ラム”ロビンソン。
レスラー仲間から年長者として今でも慕われる彼は、プロレス興行に参加しながらもスーパーマーケットのアルバイトで生計を立てなければならない日々・・。
髪を染め、日焼けサロンで体を焼き、ファンを喜ばせるためリングでのパフォーマンスにまさに体を張る彼だが・・長年の無理がたたり、ついにある日、心臓発作で倒れてしまう。
限界を感じ、リングから降りることを決意したランディだが・・・。
実は、若いころのミッキー・ロークは苦手な男優さん。
「ナインハーフ」のセクシーさもあの頃の私には分からなかったな~。
一時期ボクサーに転向し、ファンを驚かせたのでしたっけ。
そんなミッキー・ロークをおお~~!!と思ったのは「シン・シティ」での演技でした。
ただひとり愛を捧げてくれた(と彼は思っていた)女性のためにどんなに撃たれても、轢かれても殴られても決して止まらないマーヴを演じたミッキー・ローク。
いっぱい人を殺してしまっている彼を肯定するつもりはないのに・・何故だか泣きそうになってしまった。
説明できない強烈さでした。
そして本作「レスラー」。
これはもう・・彼のための作品、彼あってのプロレスラー、ラム。
体から、表情から・・立ち上ってくるランディの生きざまが・・それはもう見事。
老いがしのびよってきている肉体(でもまだまだ見事ですよね!その筋肉)に鞭打って、プロレスファンを喜ばせるため、ショーを盛り上げるための、あのパフォーマンス。
針金打ち?なんて・・あまりに痛そうでアイタタタ・・・(涙)
子どもの頃、父親の好きなプロレスに土曜の夜のチャンネル権を奪われて・・プロレスにはイイ思い出がなかった私ですが、こういう風に打ち合わせをしてあんな風に盛り上げてるんだ~というシーンを見るとなんだかもう、彼らのパフォーマンス魂に・・ただただすごいなあって思ってしまいます。
そんなリングの上での、ラムのパワーと気力を振り絞る姿が強烈だったのですが、それとはまったく逆の、リングを降りた素の彼の表情。
これもまた秀逸でしたね。
老眼鏡をかけて(意を決して)自分が捨ててきてしまった娘に電話をかけるシーン、
ビニールキャップをかぶってスーパーの肉売り場で働くシーン。
そして、心惹かれる馴染みのストリッパー、キャシディとのデート?のシーン。
娘のために選んだ・・あのキンキラしたグリーンの服もなんだかとっても彼らしい。
キャシディを演じるマリサ・トメイも・・彼女ってやっぱりすごい~!
そこまで演じちゃうんだ・・ってビックリするほど堂々と演じるストリッパー姿に圧倒された・・と思ったら、素の彼女のキュートさがまた嬉しい。
キャシディとのとってもいい雰囲気や、何十年ぶりにかえりみた娘(エヴァン・レイチェル・ウッド、ここでも印象的です!)とのやりとりに暖かいものがじわ~っと沁みてきて・・このまま上手く行って欲しいと思うのですが・・。
あぁ・・やはり、この道をゆくしかなかったのでしょうか。
自業自得でこうなってしまったといえばそうなのですが、スーパーのあのキャップだって結構似合ってたよ(苦笑)、まだまだどうにでもなるのでは・・?なんて思ってしまって。
ランディの孤独さを振り切るかのように、リングに向かうラムの後姿・・、最後の最後まで、自分で選んだ道をゆく「レスラー」の姿になんともいえない思いがこみ上げてしまいました。
ミッキー・ローク

スクリーンに帰ってきてくれてよかった・・ファンではなかった私ですが、しみじみそう思います。
「ナインハーフ」今見たら、どんな感想を抱くかしら。ちょっと再見してみたい気持ちですヨ。
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瞳さん、こんばんはw
暖かかったり、寒かったりで、体調維持も大変ですよね。
お変わりありませんかぁ~?
私も、もっぱら おうちでDVD三昧で、この映画も先月観たばかりです(^^ゞ
去年のオスカーでは、ミッキーがノミネートで会場にいましたよね。
つい数年前までは想像も出来なかったけれど、良い作品にめぐり会えて、そして素晴らしい演技で感動を与えてくれて・・、私は別にファンでは無いのですが(笑)、ちょっと嬉しかったりしました^^;
瞳さんも、セクシーが売りだった頃のミッキーは苦手だったのですね、むふ、一緒です♪
今作品では、ランディの生きざまが、ミッキーとダブって見えたりして、余計に感動的だったですね~。
そうそう、ミートショップのヘアキャップ、妙に似合っていましたよね!(笑)
でも最後はやはりリングの上に戻って行くランディに、思わず胸が熱くなりました・・。
自分が選んだ道の為に犠牲にしたものは大きかったのけど、この辺はおじさんたちの共感を呼ぶところかもしれませんね。
おばさんの私にも、十分共感出来たと思いますが^^;
本当に、良い映画でした~。
「バーナード&ドリス」も観ましたよ♪
レイフの執事に期待しまくっていたのですが、意外な方向に展開していって、ちょっとビックリしてしまいました(大汗)
みみこさんも観たら、ビックリされるかも・・(笑)
今日のオスカー、観ていない作品が多かったけど、サンドラの作品と、「ハート・ロッカー」は観に行きたいなと思っています。
瞳さんも、何か観に行かれますか??(^^ゞ
- 2010/03/08(Mon) 22:04:30 |
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- みぬぅ #/npiY54c
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>みぬぅさん
春なのに、春なのに~昨日は雪でしたね(ぶるぶる)
はい、ありがとうございます。元気です~
「レスラー」みぬぅさんもご覧になったんですね。あとで感想読みに伺っちゃおう~♪
そうでしたね、ミッキー・ローク、ひところはどうなっちゃうのかな・・っていう時期もあったと思うのですが、素晴らしい作品に巡り合えて良かったですね。
みぬぅさんも!?セクシーミッキーは苦手でしたか~
>今作品では、ランディの生きざまが、ミッキーとダブって見えたりして、余計に感動的だったですね~。
そうなの!なんだかもう・・いろんなものがにじみでて、味も出て・・。
ヘアキャップ、可愛かったですよね(笑)
戻っていっちゃうんだ・・・そうだよね、それが彼の道だよね・・とその後ろ姿に思わず呟いてしまいましたヨ。
マリサ・トメイも立派?でしたよね。彼女すごいなあ。
素の時はとってもチャーミングだし。
おおっ、「バーナード&ドリス」のお話もできるなんて嬉しいです♪
うんうん、普通の執事を想像していたら、ビックリの展開になっちゃいましたね。
そしてまた、レイフはそういう役でもしっかりと演じきるんですもんね。
みみこさん・・見たかな~
サンドラ、とりましたね!!
私も彼女の作品と「ハート・ロッカー」は見に行きたいな~と思っています。
あとね、私アカデミー賞は外国映画賞が実は一番気になったりして(笑)結構いいのが多いですよね。
そうそう、うちの息子はドキュメンタリー賞を取った「ザ・コーブ」に衝撃を受けていましたよ~。
- 2010/03/10(Wed) 10:03:20 |
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- 瞳 #-
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