2010
02.20

「麦秋」

麦秋 [DVD] COS-022麦秋 [DVD] COS-022
(2007/08/20)
原節子笠智衆

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北鎌倉に暮らす暮らす間宮一家。
周吉とその妻・志げ、長男で医師の康一、康一の妻・史子。
康一と史子夫妻の間には男の子が二人・・、そして長女で会社員の紀子という大家族で暮らしている。

親友のアヤから学生時代の友人の結婚話を聞かされた紀子も・・もう28歳。
職場では上司から売れ残りと冷やかされ、お見合いの話を勧められるのだが・・。


先日の「晩春」に続いてBSで録画したものを鑑賞。
こちらもヒロインを演じるのは原節子さん、しかもヒロインの名前も同じ紀子って・・?

小津監督の「晩春」「麦秋」そして「東京物語」、3つの作品で原節子さんが演じるのは紀子という名前の女性。
この3作品、「紀子3部作」と呼ばれているそうです。



しかも、紀子さん、今回も28歳。
妙齢の年の女性と言うことで、家族から「もう・・いかないとね」「そうですね、もう・・いかないと」なんて・・言われちゃってるのですね。

同じように、娘の結婚を巡るお話なのですが、「晩春」では父と娘。家族も二人きり、登場人物も少なめだったのに比べて、こちらはぐぐ~っとと多彩な登場人物。
家族も父と母、兄夫婦に子どもたち・・と、大勢です。


そしてなんと兄を演じるのが「晩春」では父親役だった笠智衆さん。
こちらの作品の方が後なのに!?年が逆転!?と不思議に思うのですが、でもこれがまた違和感なし。
笠智衆さんって、不思議な俳優さんですよねぇ。


家族から「もう、いかないとね」と言われていると書きましたが、でもこの家族たち、全くもってせかす風な雰囲気ではないんですね。
むしろ、「寂しいけれどねぇ・・いかないといけないんだよね・・」と、寂しさを感じつつも、でも手放さなければならない、そんな両親の気持ちがじんわり、じんわりと伝わってくるのです。

原さん演じるこちらの紀子、「晩春」ほどビックリするような表情を見せるわけではありませんでしたが、でも、周りに振り回されない、なかなかに個性的な女性。
小津監督って、こんな風に(何を考えているのかしら~と思わせるような)神秘的な女性が好みだったのかしら・・などと想像してみたり(笑)


職場の上司から勧められたお見合い。乗り気なのかどうなのか、紀子の気持ちがわからないまま、家族たちがいろいろと思う様子。
妻にうまく聞きだすようにと隣の部屋で気配を消している兄の姿や、兄夫婦の子どもたちの姿(特にちょっととぼけた弟くん、いいキャラだ~)
こういう、ちょっとしたユーモラスなシーンがいいんですよねぇ。


でも、そんな家族をよそに紀子が決めた相手は・・。
実は私、この人と結ばれたらいいのになぁって思っていた相手だったので、おお、やった~!(笑)なんて思ってしまったのですが、家族のだれにも何の相談もしないまま、しかもそんな気配もこれっぽっちも感じさせないうちの決断ですから!それはもう家族に取ったらビックリ以外の何物でもないですよね。
紀子さん、大胆です(でも、意外に結婚って、こんな風にするり~と自分の心の内側が出てしまうものなのかしら・・ね)


娘の結婚をめぐる物語・・、こちらの作品では、それぞれの想いがより複雑に・・さまざまな感情が入り混じって描かれていて、より深い味わいを増しているように感じました。


空に飛ばされた風船を見つめながら、静かにゆっくりと語り合う紀子の両親の姿がとても印象的でした。
そして、姿はなくても家族の間には、(戦争から)帰らぬ次男のへの思いが今もしっかりと潜んでいることも。



そうそう、こちらの作品にもショートケーキのシーンがありましたよ~!!
「晩春」でもケーキのシーンがありましたものね・・。監督、ケーキお好きなのでしょうか(笑)
当時の900円って、どのくらいの値段になるのかしら・・。
「どうしてこんな(高い)もの買っちゃったのかしら」と後悔する義姉の史子さんが、可愛いです。


「結婚したら、こんな高いもの買えないわね」
「買わないわよ~」

「でももらったら、食べるわ」
・・って(笑)



紀子3部作、こうなったら、「東京物語」(昔昔、見たのですが)も再見してみようと思います。
さあ、こちらの紀子さんも・・楽しみですヨ♪

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