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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「Drパルナサスの鏡」 :: 2010/01/28(Thu)

パルナサスの鏡

2009年イギリス・カナダ 監督テリー・ギリアム
キャスト ヒース・レジャー クリストファー・プラマー リリー・コール アンディ・ガーフィールド
ヴァーン・トロイヤー トム・ウェイツ
ジョニー・デップ ジュード・ロウ コリン・ファレル

2007年、ロンドンの街に旅芸人の一座が現れた。
1000歳以上という老人のDrパルナサスと娘のヴァレンティナ。曲芸師のアントンに小人のパーシーが一座のメンバーだ。

馬車から登場した奇妙な舞台の上には、鏡がひとつ。
一座の出し物は、人が心に秘めた欲望を具現化してみせる「イマジナリウム」
パルナサス博士の瞑想に導かれて鏡を通りぬけた観客は、そこに広がる幻想世界を体験することができるという。

しかし、このなんとも怪しげな一座の舞台に人々が目をくれることはなく・・。


そんなある夜、ヴァレンティナとアントンは、橋から首を吊るされていた若い男を助けるのだが。




ヒースの遺作です。
これは、どうしても映画館で観たかった!!



まるで中世の街をゆくような・・崩れ落ちそうな馬車から繰り出される、不思議な舞台。
怪しげで胡散臭い、いかにも作り物っぽい鏡をくぐりぬけると、そこには摩訶不思議~~!
驚くような幻想世界が広がっていく!!

テリー・ギリアム監督が作り上げたその幻想世界・・・不思議な世界でしたねぇ。
くらげ?が漂っているのかと思えば、美しい靴が並び。天に向かって伸びるハシゴがかかっているかと思えば・・ゴンドラも漂う。
奇想天外で、不可思議で・・理解不能?・・夢の世界だから(笑)

う~ん、とても言葉で説明できない・・その世界なのですが。
自分の欲望が現れるというのですから、もし、私が鏡をくぐったらいったい、どんな世界が広がっているんだろうって、想像しちゃったり。(きっと、イイ男のハーレム状態に違いない  笑)


博士と悪魔のただならぬ関係。
こちらも不思議な関係でしたね。
悪魔との賭けによって不死の命を得た博士。しかし、一人の女性に出会い恋をした博士が願ったものは、永遠の命ではなくて、死と若さだった。
再び悪魔と取引をした博士が、代償として差し出すと約束したものはなんと娘のヴァレンティノ。
そして、それを阻止するために博士は、再び悪魔と賭けをしてしまう・・。

こうしてその生涯において、常に傍らに悪魔の存在を感じるようになった博士には、日々後悔や苦悩がつきまとってしまう。
そのたびごとに博士に賭けを申し込む悪魔の思惑は、いったいどこにあるのでしょうか。
もしかしたら、悪魔の存在は博士自身の心のうちに抱え込んだ・・欲望や、ねたみや・・そういう弱い心がもたらせたもの?なんて感じたりもしたのでした。




さて、運命のいたずらで一座に加わった「吊るされた男」トニー。

記憶をなくしたという、トニーの、このなんともいえない不思議な魅力。
話術にすぐれ、人の心をつかむのが抜群に上手くって・・けれど、どこか訳ありげで。
そんなトニーをヒースは、なんて生き生きと演じたのでしょう。
アントンには可哀想だけれど、ヴァレンティノと同様、やっぱりトニーの魅力には惹かれちゃいますよね。

そんなトニーが、自ら飛び込んだ幻想世界で見せる姿。
(ヒース亡きあと)残されたこのパートを演じるのが、ジョニー、ジュード、そしてコリンの3人です。

パルナサスの鏡3

パルナサスの鏡4

パルナサスの鏡5


マダムをみごとに誘惑するジョニー演じるトニーが
「若くして亡くなった人は、決して忘れられることがない」というセリフがあるのですが、この言葉、まさにヒースを表しているよるかのようですね。

幻想世界で、さまざまな顔をみせるトニー。もし、ヒースが生きていたらどんな風に演じていたのかしら・・と思わずにはいられないのですが
でも、ジョニー、ジュード、コリンの3人は、それぞれとても魅力的なトニーを披露してくれたのでした。
後から付け加えたとは思えない、まるで最初からこういう風に演出されることが決まっていたかと思うくらい自然に。



あまりにヒース&3人の演じるトニーが魅力的なので、私がヴァレンティノだったら、間違いなく道を踏みちがえてしまったと思います(苦笑)

ヴァレンティノを演じたのは、スーパーモデルのリリー・コール。
人形のようなキュートな顔に、抜群のプロポーション。現実離れした彼女の容姿、幻想世界がよく似合います♪


人間の心の中には、こんなにもひとりひとり、いろんな世界が広がっている~。
テリー・ギリアム監督の作りだしたさまざまな夢や想像の世界でありながら、そこからどんどんと(見ている私も)イマジネーションが膨らんでゆく。
これがギリアムワールドの魅力でしょうか、たっぷりと堪能しました。



過ちや後悔も繰り返し、さまざまな出来事を経て、でも時が流れてもまた・・小人とともに街で紙芝居を見せていた博士の姿が、監督自身の姿にどうしてもダブってしまいます。



エンドロールが終わったあと、劇場に映画の中でトニーが使っていた携帯の着信音が鳴り響きました。
ヒースが気にいって、実際に着信音として使っていたという・・その音が、劇場の前から、後ろから、あちらから、こちらから・・鳴り響いて・・やがて消えていったのでした。

ちょっぴりいたずらっぽい、(ビックリしました)でも憎い演出ではありませんか。
  1. 映画タイトル(た行)
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comment

着信音に涙・・

瞳さんもご覧になったんですね~。
摩訶不思議なテリー・ギリアムらしい世界を楽しみながら、どこか切なさでいっぱいだったのは、やはりヒースの遺作だからでしょうか。
でも、やっぱり楽しい映画だったなぁ~と思います。
瞳さんもおっしゃってるけど、ヒースが生き生き演じていましたよね。
だからこそ、彼の死は突然の出来事だったのだと改めて思い、本当に残念で仕方ありませんでした。
ジョニーたちのパートも、瞳さんと同じように感じました!(^^ゞ
最初から、こういう演出でもよかったような・・、そして、欲張りだけど、ヒースが演じるところも観てみたかったような・・。
ただ、最後に全てがバレちゃうところね、コリンが演じていた部分は、ヒースが演じて欲しかったなぁ~なんて思ってしまいました。
もう一度観たいなっ! リリースされたら、観てみようと思います。

それから、先日R・ギアの「天国の日々」という古い映画を観たんですが、瞳さんはご覧になっていますか?
とても良い映画だったので、もし未見でしたら、お薦めしちゃいます~(^^ゞ
それから、もうひとつ、「天国の日々」とは真逆の意味でお薦めなのが、ポールの「L project」です。(笑)
もぉぉ、全然ポールらしくない映画だし、内容もイマサン位のB級映画でした。
ここのところ、いい意味のB級映画が続いていたのに、作品選びも慎重に・・と 母心で思ってしまいました~涙

もうひとつ・・、すみません、こちらでコメントさせて下さい。
「ヴェルサイユの子」、素敵な感想をありがとうございました。
読みながら、また去年のフランス映画祭を思い出し、帰りの電車の中で涙が止まらなかったことを思い出しました。
DVDも持っているし、何度も観ているし、「ランジェ侯爵夫人」は感想も書けたのに、この作品は未だにダメです・・。
ギョームとダミアンが重なっちゃうみたい、あ、また鼻がツンツンしてきたので、この辺で・・(苦笑)
すみません、言いたい放題で、お許しください。<(_ _)>
  1. 2010/02/07(Sun) 22:42:01 |
  2. URL |
  3. みぬぅ #C9TUO9HE
  4. [ 編集 ]

おお、ポール!!

>みぬぅさん
こんばんは~。肩こりいかがですか?
私も1月に本を久々に読みすぎちゃったのか、肩から歯にまできちゃいました(涙)
サロンパスの女になっちゃってます(苦笑)

「Drパルナサスの鏡」劇場へ行かれたんですね!!
うんうん、ヒース、なんて生き生きしていたんでしょう。本当に突然のことだったんだな・・って思いますよね。
でも、この作品がこんな風に完成して、劇場公開されて本当に良かった・・。未完成のままだったらあまりに悲しいですもんね・スタッフやジョニーたちのおかげですよね。

あぁ・・そうでしたね、最後の最後の場面は・・やっぱりヒースだったらどんな風に演じただろうって思ってしまいますよね。
あの着信音は、私全く予想していなかったので驚きました・・、そして聞きながら胸がいっぱいになってしまいました。

「天国の日々」おお、そういえば、その昔一度見ようとしたことがありましたが、結局未見のままです~。
良かったと聞くと、それはもう・・見ちゃいますよん(笑)
逆の意味でお薦め!?おお・・ポールの?
ポールらしくない作品・・どんな作品なのかしら。ああ~っ、それはとても気になります。
>ここのところ、いい意味のB級映画が続いていたのに、作品選びも慎重に・・と 母心で思ってしまいました~涙
みぬぅさんの母心だわ~~!!イメージチェンジを図ったのかしら。それにしてもとても気になりますよぉ。これは絶対見てみますね。

「ヴェルサイユの子」へのコメントもありがとうございますv-238
フランス映画祭でご覧になったんですね。
ギョーム自身にとても重なる部分の多い役柄・・私なんかよりもとても詳しいみぬぅさんですもん。
その気持ち、分かります。
あまり詳しくない私でも、彼の内から出てくるオーラに・・なんとも言えない思いがこみ上げてきましたから。
あまりに思いが強いと逆に感想は書けませんもんね。
みぬぅさんの心に大切に、大切にしまわれた作品ですね。
  1. 2010/02/10(Wed) 21:04:35 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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