2010
01.17

「懺悔」

懺悔 [DVD]懺悔 [DVD]
(2009/11/06)
アフタンディル・マハラゼゼイナブ・ボツヴァゼ

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長く市長をつとめ、偉大な人物と言われたヴァルラムが亡くなった。
しかし、埋葬された翌日から、彼の墓は3度に渡って掘り起こされる。捕まった犯人は、ケーキ職人の女性ケテヴィン。

法廷で罪を問われた彼女は、こう答える。
「私が生きている限り、ヴァルラムを眠らせない」

そうして、彼女は自らの生い立ちを語り始めるのだった・・。

地味映画推進委員会のメンバーさんからご紹介いただいた作品です。

まるでスターリン時代の恐怖政治を思わせるような、独裁者によって捕えられ弾圧された人々の姿。
父と母がその犠牲となった少女が、その悲劇を語り始めるのですが・・、

その描写が、まるで寓話のよう。
中世を思わせるような甲冑に身を包んだ警察官?や、歌のパフォーマンスを見せる市長。
ブラックファンタジーというのでしょうか、その独特の世界は、滑稽なんだけれど、哀しくて、そしてたまらなく怖い。

ケテヴィンの父、画家であったサンドロが捕えられる前に、市長が彼の家を訪れるシーンがあります。
息子アベルと部下を引き連れ、得意の歌を披露するその姿。
まるでヒトラーを思わせるようなその容貌で、高らかに歌いだすシーンには、あっけにとられてしまうのですが、これがどうにもとても不気味で怖くて。
なにか、とてつもなく恐ろしいことが始まってしまうのではないか・・、滑稽で可笑しいシーンでありながら、そんな予感が押し寄せてくるのでした。

「暗闇の中で猫を見つけるのは、とても難しい」
しかし、見つけなければならない、たとえ、暗闇の中に猫がいなくても・・。
身の回りの敵を排除する!!そう宣言するヴァルラムは、次から次へと反逆者(にしたてた人々を)を捕えてゆくのです。

駅に山積みになった丸太の山。
収容された人々が、丸太に名前を刻み、家族に安否を知らせたという・・。
サンドロの名前を探し、かけてゆく幼いケテヴィンの姿が忘れられません。

そして、そのたくさんの丸太が次のシーンではバラバラに砕かれてゆく・・怖さ。


印象的で忘れられないシーンがたくさんあります。
ケテヴィンに告発され、息子(ヴァルラムの孫)はショックをうけて反発してしまう、悩むヴァルラムの息子アベルが懺悔するシーンも。
懺悔を聞いてくれるはずの神父が魚の皮をはぎ、手づかみで口にする・・その強烈さ。
懺悔をした相手が・・あの人物ですから。




この作品、なんと1984年に作られたものだとか。
まだ旧ソ連時代にこんな風に国家体制を批判するような作品を作った・・。いくら幻想的に描かれているとはいえ、その勇気に驚きと感慨を覚えます。

もちろん、このような体制を非難し、独裁者を糾弾しながらも、それ以上に人々が過去の恐ろしい事実を忘れてしまうことの怖さを告発しているような気がしてなりません。
1987年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。





「この道は神様に通じる道ですか」
「いいえ、違います。ここはヴァルラム通り。神様には通じていません」
「神様に通じていない道が、どうして必要なのですか?」



ひとりの老女が、ケテヴィンに道を尋ねる・・このラストシーンが、静かに心に響いてきます。

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コメント
今日は、たくさんお邪魔してすみません・・^^;
この映画を早速観て下さって、本当にありがとうございました、うれしいわ!
感想を拝見しながら、やはりいろんなシーンが蘇ってきて、いろいろと考えさせられる作品でした。
丸太のシーンは、本当に胸が熱くなりましたね。
あの丸太はあるものを象徴しているんだけど この作品ではこの演出で正解ですね、でないと検閲でチョキチョキっとされていたでしょう。
あと、サンドロの最後のシーンはイエスそのものでしたよね、ここも印象的だったし・・。
語り出したら、止まらないです(笑)

でも ケテヴィンの「「私が生きている限り、ヴァルラムを眠らせない」これが、何より強烈でしたよ~~。
この罪は消えないってことだよね、政治的なメッセージとして受け取ると なんと大胆な発言!!^^;
だから、隠れた名作なんですね。
ラストのおばあちゃんとのやりとりも、最高でした! 忘れられないシーンです。
みぬぅdot 2010.01.21 13:22 | 編集
>みぬぅさん
コメントいっぱい書いてくださって・・もう感激~♪
嬉しいな~。
お薦めいただいて、本当に良かったです。
隠れた名作ですよね。20年ぶりに公開されて・・それを見ることが出来たなんて。

丸太のシーン・・、おお・・それはもしや!?
うんうん、検閲をかいぐぐるのも大変だったでしょうね。
テレビドラマっていうことにして検閲を通った・・っていう話がネットに挙がっていましたっけ。

サンドロのシーン・・そうでしたね。
そうそう、ケテヴィンのあの言葉。
こういうことが、過去の出来事として忘れられることへの怖さを告発しているような・・そんな気がしました。

あの老婆の言葉も。
息子も、「これはすごい映画だね・・」って唸っていました。
みぬぅさんの去年の忘れられない作品・・まさに納得です。
dot 2010.01.22 17:21 | 編集
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