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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「悪童日記」 :: 2010/01/05(Tue)

年末に読みたい本を買ってきて、さぁ、お正月休み。
どれから読もう?・・となにげなく手に取ったのが本書「悪童日記」


なにげなく・・どころじゃなかったです!!



あんもち雑煮を食べて、だららら~~ん・・な姿勢で始めた読書が、
読み進むにつれて、思わずしゃんと座りなおしてしまい。

お正月気分も吹っ飛ぶ!それはもう、ガーンと衝撃的な作品でした。
ええ、もう読まれた方ならきっと、お正月にのんびり読んでる本じゃないヨ・・っておっしゃることでしょう。



大きな町から、おばあちゃんの住む小さな町に疎開してきた双子の「ぼくら」
その日から、ぼくらの過酷な日々は始まる。
近所の人から「魔女」と呼ばれる「ぼくら」のおばあちゃんは、不潔で粗野で・その上、恐ろしくケチ。

戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらが目にするのは非情で殺伐とした現実・・。
けれども、ぼくらは生き抜いてゆく。
自分たち自身で身に付けた、そのしたたかで・・冷酷な強さで・・。



いやぁ・・何度も言うようですけれど、驚きました。
戦争中におばあちゃんの家に疎開してきた双子の兄弟、でもいくら、戦時中といえども、少年たちがこれほど強烈な生き方をするなんて・・。
想像をはるかに超えていますよね。


けっして動かないでいる・・不動の練習、
殴られても痛みを覚えないように・・お互いを殴り合う訓練。
自分たちで決めたことをどこまでも徹底的に実行する、その逞しさは・・いえ、もう逞しさなんて超えちゃってますよね。
したたか?まだまだ・・、そう、凄まじいほど。
読みながら思わず・・固まってしまうような。そんな恐ろしさを覚えるシーンもあるのです。

まさに恐るべき子どもたち・・?

・・でも。
そんな怖さが、何故だか不思議に気持ち悪く(?)ないというか、一種爽快とまで感じてしまうような、そんな不思議な魅力に満ちているのは何故でしょう。

感情を定義する言葉を排除して、事実だけを忠実に描きながら(ぼくらの決めた作文のルール!)、その潔いまでの文章から・・逆にぼくらのまわりのさまざまな空気を想像してしまうのは考えすぎでしょうか。



ぼくらを口汚くののしりながらも、双子のことをとってもよく分かっているような、そんなおばあちゃんとの不思議な関係や(血は争えない?)
僕らに靴をくれた靴屋さんや・・、隣の少女とのエピソードも。
ほっとするような思いや、なんだか不思議な可笑しさも漂っているようで。

「乞食をするとどんな気がするかを知るためと、人々の反応を観察するために」乞食の練習をしたぼくらが、帰りには、もらった食べ物やお金を投げ捨ててしまうのに

髪にうけた愛撫だけは、捨てることができない。
・・という、この一節に、私はちょっと涙してしまいました。



最後の最後まで、とにかくぼくらから目が離せない。
そして、こんなにも続きが読みたいーーー!と思った小説は久々です(どうして、3部作の続きを買っておかなかったんだーー!私!)。
早く続きを買ってこよう・・っと。


あんなにもあっさりと書かれた・・ラストの1行があまりにもショックで。ちょっと茫然としてしまった私です。
  1. 書籍(タイトルあ行)
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comment

瞳さん、こんばんは!
「悪童日記」が目に入って思わず小躍りしてしまいました。
この本はすごいですよね、最初に読んだ時の衝撃といったら。
でも、3冊目を読むともっと唖然としてしまうかもです。
もうこれ以上はなにも申すまい。
続きの感想楽しみにしています。
  1. 2010/01/07(Thu) 00:31:40 |
  2. URL |
  3. 雪芽 #6facQlv.
  4. [ 編集 ]

やはり~!!

>雪芽さん
おおーー、やはり雪芽さんも読んでいらっしゃったんですね!!
雪芽さんの感想が読みたい~~♪
実はイタリア映画のある作品から、彼女の本に繋がっていったのですが、(有名とはしりつつも)こんなに衝撃的な作品とは・・ビックリしました。
>3冊目を読むともっと唖然としてしまうかもです
あぁ・・どうなってしまうのでしょう。
1冊めからもうすっかり、この双子のとりこ?になってきてしまったので。
最後にさらりと・・別れてしまった部分にビックリ、唖然としてしまいました。

今2冊目読んでます~~。
  1. 2010/01/07(Thu) 22:39:08 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

そろそろ・・

瞳さん、こんばんは☆
今日は、凄く寒くて底冷えの一日でした。
そちらは如何でしたか?

ところで、そろそろ「第三の嘘」も読み終えられた頃かなぁ~なんて、勝手に想像してお邪魔してしまいました。(^^ゞ
私の場合、読み終えて時間が経っている事、そして一番理解出来ていないのが「第三の嘘」なので、瞳さんの感想を楽しみに待っています~♪
アゴタさんの母国語はハンガリー語、そしてこれらの本はフランス語で書かれたんですよね。
他国語で小説を書くって、それだけでも凄いことなのに・・。
でも、彼女の場合は、それが功を奏して、簡潔な文章の行間を読む面白さがありましたね。
「昨日」が届いたので、私も読み始めようと思います、楽しみです♪

↑、パブリック・エネミーズをご覧になったんですね~!
私も、今週午後の上映があるシネコンを見つけたので、行きたいと思っているのですが、寒いとメげちゃうかも(苦笑)
もし観られたら、またお話に伺いますね。
  1. 2010/01/11(Mon) 22:21:56 |
  2. URL |
  3. みぬぅ #C9TUO9HE
  4. [ 編集 ]

読みました~♪

>みぬぅさん、おはようございます。
冷えましたねぇ・・、今朝は、雨のせいかしら、少し寒さは和らいでいるみたいです。

「第三の嘘」読み終わりましたよ~!!
いやぁ・・これって・・。
「二人の証拠」のラストでも??、そしてこちらの最終話ではなお・・唖然。
むむむむぅ・・、これって一体?
何が本当なのか、どれが嘘だったのか・・、頭がぐちゃぐちゃになってしまうのですが、でも嘘や真実以上に、彼ら?の人生の切なさや愛情や・・そういうものが押し寄せてくる作品でしたね。
感想・・書けるかしら~(笑)
他国語で小説を書く・・この双子の話でもそういうシーンが登場しましたけれど、「昨日」ではもっとはっきりそういうシーンがありましたね。著者自身の体験が「昨日」にはより強く出ているようにも思いました。
みぬぅさんも「昨日」読まれたら、また感想聞かせてくださいね。

「パブリック・エネミーズ」!!
そうそう、寒いですもんねぇ・・。私もレイトめげそうになりました(笑)
は~い、ご覧になったらお話するの、楽しみにしています♪
  1. 2010/01/12(Tue) 08:03:09 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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