2009
12.27

「フロスト×ニクソン」

フロスト×ニクソン [DVD]フロスト×ニクソン [DVD]
(2009/08/21)
フランク・ランジェラマイケル・シーン

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ウォーターゲート事件で失脚したニクソン大統領。
アメリカ中がその辞任中継に注目、その視聴率の高さは驚くほどのものだった。

そこに目をつけたのは、人気テレビ司会者デビッド・フロスト。
ニクソンへの1対1のインタビュー番組を企画した彼に、ニクソン側も法外なギャラで出演契約を結ぶ。

フロストは事件に対する謝罪の言葉を引き出すべく、ニクソンに関する専門家ゼルニックとレストンをブレーンに迎え、インタビューへと向かうのだが・・・。


ニクソン元大統領といえば、やはりすぐ頭に浮かぶのがウォーターゲート事件。
でも、そればかりが頭に浮かんで、この元大統領がどんな人物だったのかとか、就任中にどのようなことをしたのかとか・・全くと言っていいほど知らないことに気付きました。


アメリカでは伝説的となった、このインタビュー番組のことも全く知らなかったのですけれど。

舞台版と同じ二人が演じるフロストとニクソン・・、ふたりのキャラクターの強烈さ。
その言葉と信念がぶつかり合う、インタビュー模様は、迫力ありましたね~。
老獪さと狡猾さを備え、柔和な言葉の中にも絶対にひとに立ち入るすきを与えない・・、元大統領のあの喋りっぷりに、フロストと同様圧倒されてしまう・・。


これはイケル!!と番組を企画したものの、スポンサーの問題に四苦八苦し、あげくのはてには、自分の財産までつぎ込むことに。
それでも自身のトークにはもちろん、自信のあるフロスト。
なんとでもなる!と乗り込んだインタビューでは、まるでこどものように扱われ・・ここにきて、やっとこの大統領が稀代の策士であることに気付くんですね。
常に笑顔を絶やさないフロストが、見事に敗北感を顔に張り付けた・・マイケル・シーンのあの表情は見事でした。

そして、やはりフランク・ランジェラ。
威厳と、でも地位を追われたものがにじませる悲哀。う~ん、そのオーラには圧倒されてしまいます。

絶対に握手なんてするもんか!!と意気込んでいたフロストの二人のブレーン、ゼルニックとレストンも・・そのオーラの前には手を差し出さずにはいられないのですから。


この二人のブレーンと、ニクソン元大統領を献身的に見守るケビン・ベーコンもまた渋い~~。



圧倒的な敗北で終わってしまうかに思えたフロストが、意地を見せて巻き返したあの最終日の二人の語り。
表情から、言葉のひとつ、ひとつ・・、聞き逃せない思いで見つめてしまいました。

でも、あの最後のインタビューを前にしての夜中の電話・・、あれは、ちょっと意外というか、不思議な感じでした。
あの電話だけは、ニクソンが元大統領としてではなく、ただの、ひとりの「ひと」ニクソンとしての心のうちを見せてしまった・・ということなのでしょうか。


最終日、見事にニクソンから苦渋の言葉を引き出した・・あのシーンには、おおおーーーという感慨があったけれど、でも(それまで、あまりにもニクソンのよどみない話術に翻弄されていたので)
心の底で「いや、でもまだニクソンは切り返すはず・・」と。
見ているうちに、この元大統領のオーラにいつのまにか、惹きこまれてしまっていたのかもしれません。


見事な答弁で自らの優位を作り上げたニクソンが、また自身が発してしまった言葉で復活への道を閉ざしてしまう。
決して消してしまうことが出来ない・・、TVの怖さですね。


イタリア製の靴のエピソード、あのプレゼントされた靴をは元大統領は、あれから履いたのかしら・・。
最後のインタビューを終えて出てきたニクソンが、出口にいた女性の飼い犬をなでるシーンに、第一線の政治家から、ひとりのふつうの老人に戻った・・。
印象的なシーンでした。

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