2009
11.04

「スマイルコレクター」&「死者の部屋」

スマイルコレクター [DVD]スマイルコレクター [DVD]
(2009/01/09)
メラニー・ロランエリック・カラヴァカ

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クリスマスも間近な12月の夜。
リストラされ失業中のヴィゴとシルヴァンは、腹いせに会社の壁に落書きをし憂さを晴らそうと車を飛ばしたあげく、誤って見知らぬ男を撥ねてしまう。
男が持っていたバッグには、なんと200万ユーロの大金が・・。
金に目がくらんだ二人は、被害者を池に沈めバッグを持ち去るのだが、それは数日前に誘拐された少女を助けるための身代金だった。

翌日少女は死体で発見される・・。その顔には微笑みの表情を浮かべたまま。



スマイル・コレクターって・・。
いい笑顔ならいいけれど、こんな笑顔はいや~~(汗)


頭に傷がつくほど髪を解かされ、白いドレスを着せられた少女が浮かべた・・その微笑みに思わずスクリーンの前で固まってしまいました。

フランス版「羊たちの沈黙」って聞いていたのですが、確かに彷彿とさせる部分が。
殺された少女の喉に狼の毛・・なんて「羊たちの沈黙」の蛾を思い出してしまいます。

捜査に参加することになった紅一点、リューシー巡査長の本棚にも並んでいましたね!「羊たちの沈黙」
(しかし、あの本棚は確かに怖い~!)
独学で習得したという彼女のプロファイリング、事件の核心に迫っていけた部分には、確かに彼女の能力もあったと思うのですが、リューシーと犯人・・二人の間の、共通したいまわしい過去。

過去が呼び合った・・なんて言ったらおかしいでしょうか。でも何かそういう運命的なものも感じてしまったのです。


冒頭の悲惨な殺人事件シーンや(ハエが~~)剥製にされた動物たちの姿、ゾクゾク~~を通りこしちゃうような猟奇的なシーンにもショックを受けたのですが。
もうひとつ、ショックだったのは、この誘拐殺人事件に絡んできたひき逃げ犯人たち。

彼らの姿にとても現実的な怖さも感じて。
誘拐殺人事件の犯人のサイコな部分とはまた全く違う、現実的な人間の弱さが巻き起こす怖さ。


誘拐した少女に自分の心に潜んでいた欲望を刺激され・・止められなくなってしまう犯人と
全く普通の人生を送ってきたはずの男が、挫折からお金に目がくらみ、友人であったはずの男にあんな行為をしてしまうようになる・・。

どっちが怖い?

過去の悲惨な出来事から異常な心理に陥ってしまったサイコな犯人には、理解しようにもできない怖さがあるけれど、ひき逃げ犯の方は一歩間違えばもしかしてああいう風になってしまうこともあるかもという身近な怖さ・・・。

いやいや、どっちも怖い・・・。


過去の事件と少女誘拐事件、悪夢のような非日常的な事件にこの現実的なひき逃げ犯たちを絡ませることによって、物語がぐっとリアリティーをもったような気がします。



でも、リューシーが乗り込んでゆくお屋敷。
一人で行くんだ~~!(こういう映画の定石・・)と思いつつ、思わず見入ってしまう、そこに広がる恐ろしい光景は・・やはり現実とは思えない怖さ。
そして思い出すんですね、冒頭のあの部屋の光景・・犯人が何を作ろうとしていたのかが、うっすらと見えてくるようでやはり・・怖い~。


最後に明かされたリューシーの過去。
謎解きのようなシーンが映ったのですが、それでも謎が残ってしまいます。
あのあと、二人はそれぞれどうなって・・現在へと至ったのか。それは本人たちのみぞ知る、でしょうか。


メラニー・ロラン、巡査部長とはとても見えないキュートさでしたが、シングルマザーでしかも子どもが双子ちゃん・・というオリジナリティー溢れる人間像が魅力的でした。





死者の部屋 (新潮文庫)死者の部屋 (新潮文庫)
(2008/04/25)
フランク ティリエ

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映画を見た翌日、まだ映画の余韻を引きずる私の前に、書店で映画の原作本である「死者の部屋」が。
これは、まさに運命の出会いというものでしょうか(苦笑)


ほぼ映画と同じ設定・・のこちらの原作。


捕えられた少女の必死な様子も描かれ、よけいに、犯人の怖さ(原作では「けだもの」と訳されていました)、猟奇的な部分を強く感じました。

ひき逃げ犯の二人についてもその心理状態が詳しく描かれていましたね。
映画では躊躇なくことを進めていって冷酷に思えたヴィゴにも葛藤があったのだなあ・・と知ってほっとしたような・・でもやっぱり悲しいような。



そして、原作で一番強く感じたのは、独学で学んだプロファイリングを実地で活かすことができる・・というより、血なまぐさい事件の現場をこの目で見、その空気を感じることができる!!
そのことに(いけないと思いつつ)この上ない高揚感を覚えてゆくリューシーの危なさ?でした。
事件にかかわるにつれ、まるで彼女の一部が変わっていくかのような・・そんな不安感を漂わせて。


映画の最後で明かされた彼女の過去、でもよくわからなかった部分を原作では読むことができるかな・・と期待したのですが、なんとこの部分、原作では無かったのです。
ただ、最後に事件の犯人「けだもの」と彼女の運命的な関係についての驚くようなエピソードが披露されただけで。

リューシーを主人公とした続編があるそうなので、もしかしたら彼女の過去についてはそこで明かされるのかもしれません。

彼女が次にどんな事件と遭遇するのか、そして双子のベイビーたちは・・。
猟奇的殺人に異常な興味を示すのは、過去に何があったせいかのか、続編気になりますね~。

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コメント
こんにちは。
そうよね・・
ひき逃げの方はちょっと身近な怖さがあるよね。
友人を殺してしまうというのが金のためというのは
悲しいわ。

<冷酷に思えたヴィゴにも葛藤があったのだなあ・>
そうなのね!!やっぱり、人間だもの、葛藤あるよね。
知ることできただけでも読んだ価値があるよね。
だってあのまんまじゃ、人でなしだもの。


<一人で行くんだ~~!>

そうそう。すごいよね・・笑。私ならものすごく人ひきつれていきますよ。だって、心細いじゃん!!

続編もあるのね。じゃあ、過去がわかるかな。
双子のパパさんが誰かもしりたいし。
それにしても可愛い子供でしたよね。
それだけが救いだったもの・・・・。
みみこdot 2009.11.06 15:52 | 編集
>みみこさん
こんにちは~。
そうですよね、ひき逃げ犯たちには身近な怖さを感じました。
クリスマスを両親と祝うごく普通の息子・・でしたもんね、お金が人を変えちゃうんだね・
映画ではホント、人でなしみたいでしたもんね。
原作では心理状態がいろいろ書かれてましたよ。そして彼の最期・・原作はちょっと違うのですよ。

こういう映画って、絶対一人で行くよね(苦笑)なんで連絡しないんだーーっていつも思っちゃう。

原作の続編探してみようと思います。
ヒロインの過去が気になるよね。双子ちゃんは、まるまるとしてて(笑)可愛かったですよね~♪
dot 2009.11.07 17:29 | 編集
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