2009
10.22

「私の中のあなた」

私の中のあなた

「もう姉のドナーにはならない」

両親を相手に訴訟を起こしたアナ、11歳。
白血病を患う姉ケイトのドナーとして生まれてきた彼女は、誕生からこれまで自分のからだのさまざまなものを姉に提供してきた。

自分のからだを守るため訴えを起こしたという・・・アナの突然の行為に両親は衝撃を受ける。
ケイトに生きていて欲しいと願うのは家族全員の思いのはず、まして姉ケイトが大好きなアナが何故・・?



やがて、アナの決断の裏にはある思いが秘められていたことがあきらかになる・・・。


久々の劇場です、いったい何カ月ぶりかしら~。


原作のラストの驚きからまだ立ち直りきってない私、映画は原作ほどは驚かされないはず・・と思いつつ(願いつつ)の鑑賞だったのですが。

そう、なんていうか、別の意味で驚かされました。


もちろん、映画も原作同様、この家族が互いに思いあう・・その思い、絆をしっかりと感じました。
むしろ、映画の方が強く感じたくらい。

こどもたちの年齢が原作よりも2歳幼くなったぶん、家族のシーンも微笑ましいものが多くて。


アナもまだ11歳なのですよね。
まだ自我が目覚めきっていないような・・両親への思いも幼さが残っているかのようで・・。
原作ではアナがひっぱっていっているように感じた部分が、映画では少なく感じました。


逆に、原作でアナやサラ、ブライアンたちから語られる存在であった「ケイト」、
彼女の存在感が映画では圧倒的に強かったこと。
このことにまず驚きを感じました。

裁判のシーンの短さにもビックリ、
アナの起こした裁判の行方よりも・・・どんどんと近づいている「ケイトの死」・・それを残される家族たちがどんな風に受け止めているか、もしくは受け止められずにいるか・・。


デザイナーズベイビーや、子どもが親を訴える・・というショッキングで特別な設定のことをいつのまにか忘れてしまうくらい・・。
難病の子どもを抱えた家族が迫りくる「死」というものにどんな風に向かい合っていくのかという。
それを受け入れるのか・・それとも・・。

監督は、この部分を強く訴えたかったのじゃないかしらって思いました。


そう考えると、原作のラストは映画ではありえないですよね。
辛くて悲しいけれども、静かさに満ちた映画のラストに・・納得です。


自身も心臓病を抱えた娘さんを持ち、この映画は「もっともパーソナルな作品」とおっしゃるカサヴェテス監督、
父親ブライアンに監督の気持ちがだぶっているようにも思えました。


パーティのために美しく着飾ったケイトが階段から降りてくる(はっとするほどの愛らしさでした!)、その姿を離れたところからじっと見つめる父ブライアンの目・・。
涙がこみ上げてしまいました。


キャメロン・ディアス演じる母サラの、なんとしても娘を救いたいと頑張り続ける姿も・・気迫がこもっていましたね。
娘の願いを聞いてビーチに行こうとするブライアンを止める彼女の迫力!(ブライアンも負けてないんだけど)
ほとんどノーメイク、髪も時にはちゃんと梳かせてないように見える・・リアルな役作りです。



原作よりも脇にまわってしまったように思えるアナ役のアビゲイルちゃん、難しいポジションだったと思うのですが、でもさすが。
時には姉を支えるしっかりした妹、時には11歳のまだ無邪気な少女・・をとても自然にしっかりと演じるのですね。



ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァ、彼女の表情の素晴らしさには、心を打たれました。
私の中のあなた2


もうぼろぼろのからだで・・海に向かい風を感じ、せいいっぱい太陽の光を浴びて。
手の施しようもないほど病が進んだ彼女の、家族を見つめる笑顔・・。これまでのいろんな思いがせいいっぱいこもった・・なんともいえない笑顔でした。




先に読んだ原作の世界を引きずって映画に入っていけないんじゃないか・・なんて余計な心配だったようです。

また、映画を観たことで、(あのラストに)「それはないよーー!!」と思った原作をもう一度読み返してみようかな、そう思います。
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コメント
こんにちは。
原作を読んでいたことでプラスになったことが
たくさんあったみたいですね。
年齢も映画の方が若くなっていたなんて・・
それと監督さんのお嬢さんのこと。
知らなかったです。それを考えると映画のお父さんは
そうですね。。。やっぱり監督さんの心情も代弁しているのかも。それはないよ・・・という原作ラストを忘れさせるくらい、魅力的な映画だったみたいで、久々の映画鑑賞は
大正解でしたね★そうそう、月一ゴローちゃんでも
泣けるんだけど、爽快さすら感じるラストです・・と
ほめていました。なるほど・・って思ちゃいました。
納得した人生送りたい&相手にも送らせてあげたい・・・
なんて~~思いましたね。
アビゲイルちゃんはリトルのときより可愛くなったね・・笑
原作長いのかな。探してみます
みみこdot 2009.10.25 15:06 | 編集
>みみこさん
うんうん、原作読んだときは「ええ~~」って結構ショックを引きずっちゃってた私ですが、
こうやって映画と両方見たら、それぞれに「なるほど」って思える部分があったなあって思いました。
そうなんです、年齢のこと。
アナが依頼する弁護士さんとのやりとりも・・原作の年齢と映画の年だとやっぱり全然違っていました。

>泣けるんだけど、爽快さすら感じるラストです
・・
そうでしたね~、悲しいんだけれど・・アナの最後の言葉とかも爽やかでしたよね。
>納得した人生送りたい&相手にも送らせてあげたい・・・
本当に・・そう思います。
うんうん、アビゲイルちゃん、大人っぽくなりましたよね。
彼女もこれからもますます楽しみな女優さんですよね。
原作はハヤカワ文庫で上下になっています。
みみこさん、良ければ読んでみてくださいませ~。
dot 2009.10.26 21:24 | 編集
瞳さん、こんばんは。
殆ど更新していないブログなのに、見に来て下さってありがとうございます。(涙)

最近、殆ど映画情報をチェックしていないので疎くなってしまいましたが(汗)、瞳さんがご覧になった映画のリストを見て、やっぱり私と(映画を選ぶ)タイプ?が似てるな、と思いつつ、感想を読んで、自分も映画を見た気分にさせて頂きました。(笑)

「RENT」に夢中になりつつも、自分なりに外せない映画は見ていたので、この「私の中のあなた」は見ました。

私は映画ではあまり泣けなかったのですが、原作を本屋で立ち読み(しかもラスト部分のみ)した時、その場で泣きそうになり、慌てて本を閉じました。(苦笑)

ベストセラー小説の映画化という評判でしたが、映画を見た時はそれほど感動もせず、これがベストセラー?と正直ちょっと思ってしまったのですが(汗)、原作のあのラストを読んで、初めて分かったというか、作者の伝えたかった事、そして、あのラストで、それまでのストーリーが全て繋がった、そう感じられたラストでした。

私は、映画よりも原作のラストの方が、よりリアルというか、あのラストだからこそ、姉妹の関係が生きてくる、そんな気がします。
映画では、あの弁護士が何故後見人になったのか、というのがあまり重要な部分では無かったのが、原作では彼が後見人になった理由?も分かって、より泣けました。

ハッピーエンドも良いけれど、あえて原作通りでも良かったんじゃないかな、と思いました。でも、多分映画館では号泣したと思いますが。(苦笑)

まだまだ「RENT」熱から冷めない状態ですが、少しずつ映画にも復活していきたいと思っています。(笑)
Miidot 2009.12.15 21:58 | 編集
>Miiさん
こんばんは~。
>殆ど更新していないブログなのに、見に来て下さってありがとうございます
いえいえ~、Miiさん、すごいなあ・・・って思って。
Miiさんの情熱と行動力、素晴らしいですよ。

まだまだRENTから気持ちが切り替わらないと思うのに・・、遊びにきてくださってありがとうございます♪

「私の中のあなた」原作も映画も御覧になったんですね~。
原作のラストの章の文章の美しさ、胸打たれますよね。
>初めて分かったというか、作者の伝えたかった事、そして、あのラストで、それまでのストーリーが全て繋がった、そう感じられたラストでした。
そうでしたね。読みながら・・ラストに近づくにつれ、もしや、もしや・・と思ったのですよ。
あまりにそうならないで欲しい~~と願っていたので「それはないよーー」と言ってしまいましたが。
でも、そう思いながらもあのラストの衝撃と著者の方の力には打たれました。

原作通りのラスト・・私も号泣しちゃいます、絶対。


>映画では、あの弁護士が何故後見人になったのか、というのがあまり重要な部分では無かったのが、原作では彼が後見人になった理由?も分かって、より泣けました

弁護士さんたちのエピソードは短くなってて、物足りなかったですね。年齢的にも上に描かれていたし。
やはり、あの家族に焦点を当てて描いたのでしょうね。

>まだまだ「RENT」熱から冷めない状態ですが、少しずつ映画にも復活していきたいと思っています。(笑)
すっかり「おうちで映画」状態の私ですが、どうぞ、よろしくお願いします。
(あ、Miiさん、痩せたって書かれてて・・あんなに細いのにあれ以上って・・心配しちゃいました。しっかり、食べてくださいね~♪)

dot 2009.12.16 22:34 | 編集
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